東京から世界文学空間へ:接続と断絶──『世界の読者に伝えるということ』出版記念トークイベント

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【イベント概要】

東京にハルキ・ムラカミ・ミュージアムをつくる?
現代日本の批評は、世界でいまどう読まれているのか?
そして、日本文化を海外に持ち出すことの価値は?
俯瞰ができない世界のなかで、ローカルな現象とグローバルな文脈をどうつなぐか。そして、つなぐことにより見えてくる新しい可能性と限界をさぐる。

<登壇者からのメッセージ>

新刊『世界の読者に伝えるということ』では、日本文学・日本文化の世界での消費・受容を世界の読者の視点から見ることをテーマとして、「比較文学」「地域研究」という、異国の文学・文化を読む「ふたつのレンズ」について考えました。このトークイベントでは、本書の議論をさらに深めつつ、現代の日本文学・批評を海外に紹介することの意義について考えていきたいと思います。

まず、本書の理論的な背景として、ダムロッシュ、スピヴァクらの「世界文学」をめぐる議論を読み解き、翻訳文学を読むということについて、現在の比較文学研究・批評のなかに位置づけます。文学研究の「世界文学」論の見取り図を描くといってもいいでしょう。本書で「比較文学」と「地域研究」を対置したのはなぜか。「世界文学」として読むということは原典を軽視することにつながるのか。——そうした疑問にも答えたいと思います。

そして、日本文学、とくに現代文学や批評を世界の読者から読むことによる新たな可能性について、実例を通して考えていきます。なぜ東京には、国外の文学の読者に向けた文学館がないのか——たとえば、東京の村上春樹作品にかかわる場所を網羅した「ハルキ・ムラカミ・ミュージアム」のような。また、現代日本の批評は、どのような媒体で翻訳出版され、どのような読者に読まれているのか。それを海外の日本研究者などはどう評価し、今後はどのような批評の翻訳が求められるのか。海外の日本文学・批評の研究・翻訳・紹介にさまざまな形で関わってきた私の経験から、書籍では紹介しきれなかった実例を通して、これらの問題を具体的に考えてみたいと思います。

本書で提示した日本文学・文化の海外への流通のモデルでは、ローカルな場所(たとえば東京)で生まれたテクストや文化現象をグローバルな文脈につなぐという作業が重要な役割を果たします。しかし、2014年の現状を見ると、少し前には世界に開かれていたように見えた日本のポップカルチャーや批評が、再び世界の文化の流れから独立・自生し、独自の発展をとげているようでもあります。世界の文脈に乗せるということは、コストが高い割にリターンが少ないと敬遠されることが多いのかもしれません。ただ、今後は文化の境界を越えた流通が増えるなかで、本書で書かれたような文化流通がむしろスタンダードになっていくのではないか。そのような状況のなかで、東京発・日本発のテクストや文化現象を世界の文脈に翻訳し、接続していくキュレーションの役割がますます重要性を増していくのではないか、というのが筆者の見立てです。今回のトークイベントでは、この作「接続」と「断絶」の意味について議論したいと思います。

本書で提案したコンセプトを、思想や文学に関心のある読者向けにずっと深めたトークイベントにするつもりです。ぜひお見逃しなく。

河野至恩 Shion Kono

1972年静岡市生まれ。上智大学国際教養学部准教授。専門は比較文学・日本近代文学。高校卒業後渡米し、ボードイン大学卒業(物理学・宗教学専攻)。プリンストン大学大学院比較文学部博士課程修了。ウィスコンシン大学客員助教授などを経て現職。2012年、ライプツィヒ大学客員教授としてドイツ・ライプツィヒに滞在。『ゲンロン通信』にコラム「ライプツィヒから〈世界〉を見る」を連載。訳書に Hiroki Azuma, Otaku: Japan’s Database Animals (東浩紀『動物化するポストモダン』の英訳、ジョナサン・エイブルと共訳)など。

上田洋子 Yoko Ueda

撮影=Gottingham
1974年生まれ。ロシア文学者、ロシア語通訳・翻訳者。博士(文学)。ゲンロン代表。早稲田大学非常勤講師。著書に『チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド 思想地図β4-1』(調査・監修、ゲンロン、2013)、『瞳孔の中 クルジジャノフスキイ作品集』(共訳、松籟社、2012)、『歌舞伎と革命ロシア』(編著、森話社、2017)、『プッシー・ライオットの革命』(監修、DU BOOKS、2018)など。展示企画に「メイエルホリドの演劇と生涯:没後70年・復権55年」展(早稲田大学演劇博物館、2010)など。

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放送開始
2016/09/01 00:00
放送終了
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放送開始
2016/12/01 00:00
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放送開始
2014/06/14 19:00
タイムシフト視聴終了
2014/06/21 18:00