『カラマーゾフの兄弟』からチェルノブイリへ──ロシア文学と日本社会

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【イベント概要】

ドストエフスキーは世界文学のなかでも、日本でとくに人気の高い作家である。これまで多くの作家が影響を受け、多くの研究者が論文を捧げ、あまたの翻訳が世に出されてきた。

だが、21世紀になって、ドストエフスキーの新訳を年間26万部を越えるベストセラーに導いたのは、世界でも亀山郁夫だけではないか。

ベストセラーになったのは、ドストエフスキーの長編でも最も長い『カラマーゾフの兄弟』(光文社古典新訳文庫)。ヒットの原因は、平易かつ美しい現代語で、物語のダイナミズムをそのままに読ませる亀山訳との相乗効果にある。新訳では、読書ガイドや解題、伝記など、翻訳者亀山があちらこちらに登場して『カラマーゾフの兄弟』の面白さを熱く語る。読者は亀山の読みと深読みに共感したり反論したりしながら、小説のページをまた繰り直すことになる。そして結局、亀山の熱に巻き込まれてしまう。

亀山は『カラマーゾフ』後も、『罪と罰』(光文社古典新訳文庫)『悪霊』(同)『地下室の記録』(集英社)と、ドストエフスキーの新訳を立て続けに出版している。そして今年、ついにオリジナルの長編小説『新カラマーゾフの兄弟』を『文藝』に発表。この小説では原作の面白さはそのままに、ドストエフスキー的な論理的思考や推理のプロセスが日本赤軍やオウムの問題と接続され、さらに亀山自身の自伝と重ね合わされている。エッセンスや細かなモチーフは、現代日本の状況や事物に巧みに置き換えられている。『新カラマーゾフの兄弟』は、ドストエフスキーの小説のたいへん優れた「二次創作」とも言えるだろう。

ドストエフスキーはなぜそんなにひとを惹きつけるのか。ドストエフスキーは日本人になにをもたらしたのか。稀代のドストエフスキー伝道者亀山郁夫に、ドストエフスキーの愛読者として知られる東浩紀が迫る。司会はロシア文学者の上田洋子。

なお、亀山はチェルノブイリの問題にも関心を持ち続け、この夏にはそこを訪れている。「チェルノブイリ」はその地に自生するヨモギの種の名前だが、これが聖書の黙示録にある「天使がラッパを吹くと、にがよもぎの星が落ちて、水の三分の一が苦くなって多くの人が死んだ」という記述と重ねられ、象徴化されて大きな風評被害があった。ドストエフスキーも『白痴』のなかで黙示録の「にがよもぎ」を文明の発達と重ねて議論のネタにしているが、文学の世界では、表象が一人歩きをして、現実を見えなくすることが多々ある。3.11を境に、チェルノブイリへの見方には変化があったのか。チェルノブイリと表象の問題をもうひとつの論点としたい。

 

【イベント後記】

http://genron-lectures.tumblr.com/post/104859547658/12-9

 

こちらのイベントの模様は『ゲンロン1』に掲載されております。ぜひお買い求めください。

亀山郁夫 Ikuo Kameyama

1949年、栃木県生まれ。名古屋外国語大学学長。ロシア文学者。栃木県立宇都宮高等学校卒業、東京外国語大学卒業、東京大学大学院博士課程単位取得退学。前東京外国語大学学長。
2002年に『磔のロシア——スターリンと芸術家たち』で大佛次郎賞、2007年に翻訳『カラマーゾフの兄弟』で毎日出版文化賞特別賞、プーシキン賞を受賞。2012年には『謎解き「悪霊」』で読売文学賞受賞。ドストエフスキーの新訳では、他に『罪と罰』、『悪霊』があり、現在は『白痴』の翻訳に取り組んでいる。また、2015年、自身初となる小説『新カラマーゾフの兄弟』を刊行。

東浩紀 Hiroki Azuma

1971年東京生まれ。批評家・作家。東京大学大学院博士課程修了。博士(学術)。株式会社ゲンロン創業者。著書に『存在論的、郵便的』(第21回サントリー学芸賞)、『動物化するポストモダン』、『クォンタム・ファミリーズ』(第23回三島由紀夫賞)、『一般意志2.0』、『弱いつながり』(紀伊國屋じんぶん大賞2015)、『観光客の哲学』(第71回毎日出版文化賞)、『ゲンロン戦記』、『訂正可能性の哲学』など。

上田洋子 Yoko Ueda

撮影=Gottingham
1974年生まれ。ロシア文学者、ロシア語通訳・翻訳者。博士(文学)。ゲンロン代表。早稲田大学非常勤講師。著書に『チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド 思想地図β4-1』(調査・監修、ゲンロン、2013)、『瞳孔の中 クルジジャノフスキイ作品集』(共訳、松籟社、2012)、『歌舞伎と革命ロシア』(編著、森話社、2017)、『プッシー・ライオットの革命』(監修、DU BOOKS、2018)など。展示企画に「メイエルホリドの演劇と生涯:没後70年・復権55年」展(早稲田大学演劇博物館、2010)など。

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