ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾 第2期#1導入

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〈ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾〉の講義を生中継します。視聴はゲンロン完全中継チャンネルの会員の方限定となります。ご了承ください。

「批評」の再生、二年目の挑戦に向けて

ゲンロン批評再生塾の第一期は、おおよそ事前の期待と予想をかなり上回る結果となった。まずはこう言ってしまっていいだろう。主任講師である私自身が、各回の積み重ねの中で、確かな手応えを感じ取ることが出来た。もちろんそれはまだはっきりと具体的な形を成しているわけではない。だがしかし、「批評」と呼ばれるべき営み/試みが、この社会/世界に存在し得ること、そして、やがて「批評家」と名乗る/呼ばれるべき者たちが、この世界/社会に生まれ出るべく、秘かに、しかし歴然と、猛烈なエネルギーを蓄えながらひしめきあっていることを、単なる願望などではなく、端的な事実として確認出来たことは、率直に言って驚きであり、望外のよろこびであった。要するに「批評」は着々と、その「再生」のためのポテンシャルを充填しつつある、そう思えたのだ。これは私の過信ではない。「批評」はもう少しで爆発寸前である。いや、これはさすがに大仰かもしれないが、しかしそう思い込むだけの条件は揃いつつある。あとは次の一手を打つこと、次の一歩を踏み出すこと、次の扉を開け放つこと、である。

というわけで、批評再生塾は第二期を行なうことになった。第一期が始まる前は、来期があるとは誰ひとり確信し得ていなかったのだから、このことだけでも、ひとつの成果と言えるだろう。講師陣は、ゲンロンとの協議の上、6名を留任とし、半数以上の8名を新たに迎えることになった。顔ぶれをご覧になっていただければ一目瞭然だと思うが、第一期に負けずとも劣らない、強力極まるラインナップである。こんな魅力的な現役批評家たちが、入れ替わり立ち替わり、自らの批評観、批評論、批評術を語り、教え、授け、ユニークで手強い課題を提示し、講評し、助言し、激励し、時に叱咤して下さる。こんなプログラムは他にない。このことだけは断言出来る。「批評」の何たるか、「批評」の奥義を学ぶうえで、これ以上に理想的な環境は存在しない。

そして、もうひとつ付け加えておきたいことがある。「批評」とは技術や職能の謂いではないということだ。確かに、われわれは「批評家」を育成し、世に送り出すべく当塾を行なっている。だが、目的はそれだけではない。「批評」的であるということは、職業や肩書きとはまた別に、この世界/社会を生きてゆくための、あやまたず迷わず、あちこちにぽっかりと開いている陥穽に陥ることなく、豊かで充実した日々を送るための、智慧と方策のツールでもある。誰もが、それぞれの意味において「批評家」であるべきだとさえ、私は思っている。当塾のカリキュラムは、実践的(実戦的)であると同時に、或る紛れもない一般性にも開かれている。敢えてこう言ってしまおう。「批評」は役に立つ。それなりに長い時間、これだけを武器にやってきた私が言うのだから、満更信じるに値しないわけではないと思う。いや、これもさすがに大仰かもしれないが、しかしこれはほんとうに、事実というか実感なのだ。

ゲンロン批評再生塾は、ここに第二期の募集を宣言する。来たれ! そして批評れ!

2016年3月9日 佐々木敦

 

【イベント後記】


 

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佐々木敦 Atsushi Sasaki

撮影=新津保建秀
1964年生まれ。批評家。HEADZ主宰。〈ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾〉主任講師。『即興の解体/懐胎』(青土社)、『ex-music(L)』『同(R)』(アルテス・パブリッシング)、『「4分33秒」論』(Pヴァイン)、『シチュエーションズ』(文藝春秋)、『批評時空間』(新潮社)、『未知との遭遇』(筑摩書房)、『ニッポンの思想』、『ニッポンの音楽』(講談社現代新書)、『あなたは今、この文章を読んでいる。』(慶應義塾大学出版会)、『ゴダール原論』(新潮社)、『例外小説論』(朝日新聞出版)、『ニッポンの文学』(講談社現代新書)、など著書多数。近著に『未知との遭遇【完全版】』(星海社新書)、『筒井康隆入門』(星海社新書)、『新しい小説のために』(講談社)がある。

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放送開始
2016/06/08 19:30
タイムシフト視聴終了
2016/06/15 18:00