「現代日本の批評 1975-2016」再考──共同討議全3回完結記念

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【イベント概要】

一般発売前からSNSなどで大きな話題を呼んだ『ゲンロン4』。この本で、『ゲンロン』創刊から3回にわたって行われた特集「現代日本の批評」がついに完結した。
1975年から2016年までの論壇を、ゲンロンはどのように評価したのか。そこで何が語られたのか。これから語るべきことは何か。本イベントでは、特集「現代日本の批評」をあらためて総括する。「現代日本の批評」の討論には参加していない批評家の安藤礼二と杉田俊介による、この特集に対する問題提起をうけて、大澤聡、東浩紀はどう答えるのか。ポスト「現代日本の批評」の批評はどうなっていくのか。現在の日本の批評を担う4人が、批評の歴史、そして現在と未来について、熱く議論を戦わす金曜の夜。

コロンビア大学出版会より日本の批評アンソロジーを刊行するという、まさに“外部からの要請”に乗じて、共同討議「近代日本の批評」(『季刊思潮』『批評空間』)は派生的に企画されました。不可視の密室空間で奇形的な進化をとげてきた近代日本の批評の来歴を英語圏に開示するというミッションがそこにはあったわけです(くだんのアンソロジー全5巻は未刊行におわってしまいますが)。

では、このたび完結した共同討議「現代日本の批評」(『ゲンロン』)の出発点にはどんなモチベーションが存在したのでしょうか。日本語圏の内部でさえ、批評の正統性や蓄積がすっかり不可視のものとなりはて、磁場も読者も文脈も物語も拡散しきった、この惨憺たる言論状況の立てなおしを図ることこそがミッションとして念頭にあったように思います。討議のなかでも発言しましたが、少なくともぼく自身がプロジェクトの企画立案をしたときのモチーフはそこにこそありました。現在と未来の「新しい読者たち」にプラットフォームをきちんと用意することが意識されていた。

最低限のデータとフレームさえ整備しておけば、あとは各自好き勝手に歴史を掘り進めていくだろうし(ぼくはそう信じています)、討議に足りなかったラインを発展的にどんどん引き入れていってくれるんじゃないか。そう願いながら3回の討議にいどみました。ある種の読者にはいわずもがなの事項も過剰に言語化してあります。「近代日本の批評」とおおきく態度が異なるのはその点でしょう(それと、厭味やあてこすりの少なさ)。

40年にわたる現代の批評史をいっきに駆けぬけ、長大な討議と年表にまとめてしまったいま、ぼくたちは次なるステージの課題にとりかかる地点に立っています。けれど、そのまえに、共同討議をフォローアップしておくことで新たな思考への助走にしようというのが、今回のイベントの趣旨です。じつは、「近代日本の批評」完結直後の『批評空間』(第Ⅰ期3号)には、「「近代日本の批評」再考――第三項の崩壊と母系制への回帰」と題した共同討議が掲載されています(単行本版には未収録)。それに準じたわけです。

そちらは本編で展開しきれなかった部分を補完する内容になっていたのですが、今回のイベントでは、討議メンバーではない安藤礼二さんと杉田俊介さんをゲストにお迎えし、「現代日本の批評」の成果をつぶさに検討してみたいと思います。本編とはまた異なる視角からこの40年が語りなおされることでしょう。おふたりには、それぞれ基調報告をいただき、それを受けて4人で討議を進める予定です。

……なんて書いてしまうと、ごりごりに形式ばった濃厚イベントに思われるかもしれません。いや、じっさい、おざなりの刊行記念イベントなどではまったくありえず、きっと本気の検討会となるにちがいありません。とはいえ、ここゲンロンカフェで行なうからには緩急自在、多岐にわたる種々のトピックが飛びかう愉快な対話の現場にもなるはずです。会場でお待ちしています。(大澤聡)

私は、「現代日本の批評」の骨格となっている柄谷行人を中心とする批評史の整理にやや違和感を覚えています。
浅田彰が否定してしまった、吉本隆明や澁澤龍彦の諸著作が80年代初頭に相次いで文庫化されました。そこに私の批評の原点があるように思います。
極私的な80年代、90年代史を語りながら、「現代日本の批評」のオルタナティヴを提出したいと思っています。(安藤礼二)

安藤礼二さんの「現代日本の批評」へのコメントはこちら

杉田俊介さんの配布資料はこちら

 

20170113-01
『ゲンロン4』(「平成批評の諸問題 2001-2016」所収)

 

20170113-02
『ゲンロン2』(「平成批評の諸問題 1989-2001」所収)

 

20170113-03
『ゲンロン1』(「昭和批評の諸問題 1975-1989」所収)

 

【イベント後記】


 

当日のtweetのまとめはこちら

togetter

安藤礼二 Reiji Ando

1967年、東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。文芸評論家、多摩美術大学美術学部教授。2002年「神々の闘争──折口信夫論」で群像新人文学賞優秀賞受賞。著書に『神々の闘争 折口信夫論』(講談社、2004年、芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞)、『光の曼陀羅 日本文学論』(講談社、2008年、大江健三郎賞および伊藤整文学賞受賞)、『折口信夫』(講談社、2014年、角川財団学芸賞およびサントリー学芸賞受賞)、『縄文論』(作品社、2022年)、『井筒俊彦 起源の哲学』(慶應義塾大学出版会、2023年)他、最新刊として『死者たちへの捧げもの』(青土社、2023年)。監訳書に井筒俊彦『言語と呪術』(慶應義塾大学出版会、2018年)がある。

大澤聡 Satoshi Osawa

1978年生まれ。批評家/メディア研究者。近畿大学文芸学部准教授。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。日本の思想やジャーナリズムの歴史的変遷を分析しつつ、現代社会やカルチャーに関する批評活動も広くおこなっている。著書に『批評メディア論』(岩波書店)。編著に『1990年代論』(河出書房新社)、『三木清教養論集』(講談社文芸文庫)、『三木清大学論集』(同)、『三木清文芸批評集』(同)などがある。

東浩紀 Hiroki Azuma

1971年東京生まれ。批評家・作家。東京大学大学院博士課程修了。博士(学術)。株式会社ゲンロン創業者。著書に『存在論的、郵便的』(第21回サントリー学芸賞)、『動物化するポストモダン』、『クォンタム・ファミリーズ』(第23回三島由紀夫賞)、『一般意志2.0』、『弱いつながり』(紀伊國屋じんぶん大賞2015)、『観光客の哲学』(第71回毎日出版文化賞)、『ゲンロン戦記』、『訂正可能性の哲学』など。

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2017/10/19 00:00
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