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〈ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾〉の講義を生中継します。
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【課題】
なにはさておき全員に提出してもらいたい。初回なので。そこで、課題は自由度を高めに設定しておきます。とはいえ、完全に自由というのもかえって書きにくいもの。限定は必要でしょう。この限定が批評の肝にほかならないわけだけれど、塾はそれを学んでゆく場ですから、今回はこちらで事前に一つ限定を施します。課題は以下のとおり。
《任意の文学作品を批評せよ。ただし、「三」という数を論述のどこかに必ず組み込むこと。「三」の分析を主軸にすえるのか、それともごく部分的な言及にとどめるのかは問わない。ここでいう「三」の解釈や用法を含めすべて自由とする。》
第三期、僕もこれで三度目の出講になります。今回、システムが刷新されました。ゲストに実作者枠を加えたことにより、講義三回で一セットになった。三週間ほど前にゲスト講師から発表される課題に応じた批評文を作成して、主任講師がそこから三点選出するのは従来と同じ。その三名は壇上でみずからの批評文のプレゼンを行ない、講師たちの講評を受けることになるのだけど、ここにニコ生が介在する。見えない第三者を意識したパフォーマンスが期待されるのでしょう。対話は「一」と「二」を構成原理とするが、それが公開となるや「三」に導かれる。さらにいうと、第三期の場合、この「三」が二層に分岐する。聴講生制度が導入されるからです。不可視の饒舌な第三者と、現前する(たぶん)寡黙な第三者。そういえば、このサイトのトップにある写真は三人組×三になってはいないか。
これは、「三」が頻出する作品を是が非でも見つけてこいというメッセージではありません。そもそも、こんな課題は僕自身がたまたま「三」について考えていたというだけのことかもしれない(ほんとうの狙いは講義で)。ですから、「三」にはちょこっと触れる程度でもかまいませんので、とにかく出発時の実力を記録しておくためにも、まずは提出を目標に文芸批評を一本仕上げてみてください。適当な作品が見当たらなければ、過去に読み込んだ作品をえいやっと対象に選んで、自説を展開し、どこかで強引に「三」に繋げるとよいのではないかと思います。その場合、いかに違和感なく繋げるかに思考を投入してください。いずれにせよ、提出しないことにはなにもはじまりません。では。
【イベント後記】
当日のtweetのまとめはこちら!
大澤聡 Satoshi Osawa
佐々木敦 Atsushi Sasaki
撮影=新津保建秀
1964年生まれ。批評家。HEADZ主宰。〈ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾〉主任講師。『即興の解体/懐胎』(青土社)、『ex-music(L)』『同(R)』(アルテス・パブリッシング)、『「4分33秒」論』(Pヴァイン)、『シチュエーションズ』(文藝春秋)、『批評時空間』(新潮社)、『未知との遭遇』(筑摩書房)、『ニッポンの思想』、『ニッポンの音楽』(講談社現代新書)、『あなたは今、この文章を読んでいる。』(慶應義塾大学出版会)、『ゴダール原論』(新潮社)、『例外小説論』(朝日新聞出版)、『ニッポンの文学』(講談社現代新書)、など著書多数。近著に『未知との遭遇【完全版】』(星海社新書)、『筒井康隆入門』(星海社新書)、『新しい小説のために』(講談社)がある。