ゲンロン カオス*ラウンジ 新芸術校 第4期#26グループ展C講評会──講評会3

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〈ゲンロン カオス*ラウンジ 新芸術校〉第4期、グループ展C講評会の模様を生中継します。
放送時刻は13:45-16:30を予定しています。第1部は五反田アトリエから展示の様子を、第2部はゲンロンカフェから講評会の様子を中継します。

 

 

【展覧会概要】

展覧会名:「まさにそうであることの嚥下 / Swallowing what exactly is that」
出展作家:AQ(劇団 芸術治療院) / BB[おおば英ゆき] / 木村文香 / 國冨太陽 / 小林真行 / 谷本美貴子 / F・貴志
会期:2018年11月10日(土) ~ 18日(日) ※11/11(日)は講評のため終日休廊
開廊時間:平日/15:00-20:00 土日/13:00-20:00

会場:ゲンロン カオス*ラウンジ 五反田アトリエ 〒141-0022 東京都品川区東五反田3-17-4 糟谷ビル2F
※ 展覧会の会場はゲンロン カオス*ラウンジ 五反田アトリエとなります。ゲンロンカフェでは開催されませんので、ご注意ください。
※ 講評日の11/11(日)は講評のため終日休廊とさせていただきます。ご了承ください。

【展覧会ステイトメント】

まさにそうであることの嚥下

アーティストとしてだけ生きているわけではないけれど、しかし作品を作ってわざわざ見せる私たちにとって、アートはアーティストたちのものであっても、だからといって私たちが一人一人暮らしている個人的な現実にだけ有効なものであってもならない。それらがいびつに共にしているおおきな現実のなかで一つの「まさにそうであること」として、かたち作られるべきではないだろうか。私にとって現代美術は、そのジャンルを自警するために使うものではない。複数に制度化された現実からはみでたどうしたらいいかわからないすがたかたちと、そのまま居合わせることができる現実を勝手に追加するためのひとつの方策である。
 私たちは自分たちに共通のテーマやキーワードを設けた一つの展覧会を作るのではなく、それよりも7人の作家たちでばらばらのテーマの作品を持ち寄った展覧会を作ることにした。ならばせめて、指針だけは持っていようということで「まさにそうであること」という言葉を私がその箇所にはめた。
 「嚥下」というあまり聞きなじみのない言葉が、参加作家の一人であるF・貴志から展覧会タイトルを決める話し合いの場で提案されたとき、同じく参加作家の一人の谷本美貴子が「おくすり飲めたね」という商品のことを話してくれた。「おくすり飲めたね」とは、幼い子供が錠剤や漢方薬などの苦くて飲みにくい医薬品の服用をサポートする、チョコレートやイチゴの味がついたゼリー飲料のことである。子供にとっての漢方薬のような、なかなか飲みこめないものを意気込んでゴクンと飲みくだす。なんの気なしに行っている飲み込むという行為が意識化されるとき、そのことは少しかしこまって「嚥下」と呼ばれなおす。
この学校で勉強していることは、ここから帰っていく家のなかにある現実では使わないようなかたちや、言葉でできている。なぜそんなことを学ぶかというと、私たちにとってそれは、私たちがひとりでに思いついた突飛なアイデアを、もう一人のいる、そしてその家のある現実に、突飛なままでかたちにして持っていくための技術だからだ。見覚えのない、つかいみちのわからない私たちの作品が、私たちが使いなじんだ現実と違いながらも居を共にしていた「まさにそうであること」であるなら、それはたとえ私の祖母にも飲み下せるはずだ。
私たち新芸術校第4期生グループCが行う『まさにそうであることの嚥下』は、これまで書き連ねてきたあたりまえのことをあらためて覚悟して、それぞれの技術で実現しようとする7人が集まった、現代美術の展覧会だ。
(國冨太陽)

 

【新芸術校第4期 今後の展覧会予定】

グループ展D「ANAGRA Round Trip」
2018年12月1日(土) ~ 9日(日)
講評会審査員:宇川直宏、黒瀬陽平

最終選抜展
2019年3月2日(土) ~ 3日(日)
出展作家:グループ展A~D講評会での成績上位5名
講評会審査員:岩渕貞哉、津田大介、和多利浩一、黒瀬陽平

 

 

【新芸術校第4期 これまでの展覧会】

グループ展A「オソレの品種改良」
2018年9月15日(土) ~ 23日(日)
出展作家:伊賀 大/三浦春雨/浦丸真太郎/BeBe
講評会審査員:鴻池朋子、黒瀬陽平

グループ展B「眩暈」
2018年10月13日(土) ~ 21日(日)
出展作家:アイコン(SHU-TING CHANG) / 青木美紅 / 江原沙保梨 / すーちゃん / 杉本幸子 / 林修平 / 松浦香帆 / 松枝昌宏 / PHILIPP AUBERT
講評会審査員:飴屋法水、黒瀬陽平

 

 

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高山明 Akira Takayama

1969年生まれ。演出家。演劇ユニットPort B(ポルト・ビー)主宰。『サンシャイン62』、『東京/オリンピック』(はとバスツアー)、『個室都市』シリーズ、『完全避難マニュアル』、『国民投票プロジェクト』、『光のないⅡ(福島-エピローグ?)』、『東京ヘテロトピア』、『横浜コミューン』など、ツアー・パフォーマンスや社会実験的なプロジェクトを現実の都市空間で展開している。2013年9月に「一般社団法人Port(ポルト)観光リサーチセンター」を設立し、観光事業にもその活動を広げつつある。対談集に『はじまりの対話– Port B国民投票プロジェクト』(現代詩手帖特集版/思潮社)がある。

黒瀬陽平 Yohei Kurose

1983年生まれ。美術家、美術評論家。ゲンロン カオス*ラウンジ 新芸術校主任講師。東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。博士(美術)。2010年から梅沢和木、藤城嘘らとともにアーティストグループ「カオス*ラウンジ」を結成し、展覧会やイベントなどをキュレーションしている。主なキュレーション作品に「破滅*ラウンジ」(2010年)、「キャラクラッシュ!」(2014年)、「カオス*ラウンジ新芸術祭2015『市街劇 怒りの日』」(2015年)など。「瀬戸内国際芸術祭2016」にカオス*ラウンジとして参加。著書に『情報社会の情念』(NHK出版)。

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放送開始
2018/11/11 13:45
タイムシフト視聴終了
2018/11/18 18:00