大森望のSF喫茶#19ディストピアの最新系──『ユートロニカのこちら側』ハヤカワSFコンテスト大賞受賞記念イベント

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【イベント概要】

11月のSF喫茶は、今年のハヤカワSFコンテストを、『ユートロニカのこちら側』(11月20日発売)で受賞した、小川哲さんをお招きします。
『ユートロニカのこちら側』は近未来の北米を舞台に、個人情報と引き換えに満ち足りた生活が約束される理想都市〈アガスティア・リゾート〉において、それでも人間的に生きようと自由を求める人々を描くディストピア小説。『S-Fマガジン』最新号(12月号)に、一部が先行掲載されています。

なぜいまディストピア小説が求められているのか、北米を舞台に選んだ理由はなんなのか。
東大大学院でチューリングを研究しているという小川さんの、創作の裏側と展望に迫ります。

【『ユートロニカのこちら側』あらすじ】

20151124-1
アガスティアリゾート——マイン社が運営するサンフランシスコ沖合の特別提携地区。そこでは住民が自らの個人情報——視覚や聴覚、位置情報などのすべて——への無制限アクセスを許可する代わりに、基礎保険によって生活全般が高水準で保証されている。しかし、大多数の個人情報が自発的に共有された理想の街での幸福な暮らしには、光と影があった。リゾート内で幻覚に悩む若い夫婦、潜在的犯罪性向により強制退去させられる男、都市へのテロルを試みる日本人留学生——SF新世代の俊英が、圧倒的リアルさで抉り出した6つの物語。そして高度情報管理社会に現れる“永遠の静寂”とは。第3回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作。

2015年11月20日発売
ハヤカワSFシリーズ Jコレクション
本体 ¥1600+税

 

【イベント後記】

大森望 Nozomi Ohmori

1961年高知生まれ。書評家・SF翻訳家・SFアンソロジスト。〈ゲンロン 大森望 SF創作講座〉主任講師。著書に『21世紀SF1000』、『新編・SF翻訳講座』、《文学賞メッタ斬り!》シリーズ(豊崎由美と共著)、《読むのが怖い!》シリーズ(北上次郎と共著)など。アンソロジーに《NOVA 書き下ろし日本SFコレクション》《不思議の扉》の各シリーズのほか、『星雲賞SF短編傑作選 てのひらの宇宙』など。訳書にコニー・ウィリス『ブラックアウト』『オール・クリア』など多数。2013年には『NOVA』が第34回日本SF大賞特別賞を受賞。

小川哲 Satoshi Ogawa

1986年千葉県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程退学。2015年に第3回ハヤカワSFコンテスト〈大賞〉を『ユートロニカのこちら側』で受賞し、デビューを果たす。その後のおもな著作に、『ゲームの王国』(ハヤカワ文庫JA、第38回日本SF大賞、第31回山本周五郎賞受賞)、『嘘と正典』(ハヤカワ文庫JA)、『地図と拳』(集英社、第168回直木賞、第13回山田風太郎賞受賞)、『君のクイズ』(朝日新聞出版、第76回日本推理作家協会賞[長編および連作短編集部門])、『君が手にするはずだった黄金について』(新潮社)、『スメラミシング』(河出書房新社)など。

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放送開始
2016/06/02 00:00
放送終了
無期限
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放送開始
2017/11/30 13:00
タイムシフト視聴終了
2017/12/07 18:00
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放送開始
2015/11/24 19:00
タイムシフト視聴終了
2015/12/01 18:00