ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾 第2期#4一人称を略奪して書け──趣味

ネットで
見る

  • [講義]チャンネル会員
    無料
  • [講評]一般
    無料

〈ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾〉の講義を生中継します。
「講義」部分の視聴はゲンロン完全中継チャンネルの会員の方限定となります。

「講評」部分の中継は一般の方でもご視聴いただけます。
「講評」部分については、タイムシフトを公開しません。あらかじめご了承ください。


 

【課題】

一人称を略奪して書け

初等教育の国語科で教師から言われました。
「登場人物の気持ちになって考えましょう」

よくわからない文章です。
「登場人物の気持ちを考えろ」ではないのです。
「登場人物の気持ちになれ。そして、○○を考えろ」と言っているのです。
○○を埋める目的語は何でしょうか。

批評は過剰なおこないです。
求められもせず、対象を選び出しては論じ、世界の網の目を編んだり破ったりする。対象があなたに迫り出してきたのでしょうか。それにしても、批評を書こうとするあなたは主体性がやや強いのだと思います。

そこで、主体性をさらに過剰に発揮し、対象とする作品中の登場人物になりかわり、その一人称を使って作品を批評してください。

登場人物は何らかを語っていることでしょう。
しかしながら、登場人物の声がすべて書かれているわけではありません。
この課題は、書かれていないけれども聞こえてくる声を掬い(捏造し)、登場人物に寄り添い(人質にして)、作品を異なるものに生み変え(変装させ)る作業になるでしょう。
あなたの思想性や歴史観とともに、倒錯趣味や犯罪的手腕の見せどころかもしれません。

〔書き手の私/作品〕という関係を一時的に解除し、〔作品内の私/作品〕という閉塞的な関係を構えることで、批評の形態を揉みほぐす試みです。

「登場人物の気持ちになって作品を考えましょう」

・ジャンル不問。
・登場人物名と作品名を明記すること。(文中でも可)
・便宜的に登場人物としたが、人物である必要はない。
・対象は作品に限る。(作家評やジャンル評なども考えられるが、今回は除く)

 

【イベント後記】


 

当日のtweetのまとめはこちら

togetter

 

 

school_logo_large2

ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾 – ゲンロンスクール

ゲンロン 佐々木敦 新・批評家育成サイト

ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾 – Facebook

五所純子 Junko Gosho

文筆家。エッセイ、批評、創作、パフォーマンスなどにおいて、ジャンルに囚われない言葉を用いた活動をおこなう。著書に『スカトロジー・フルーツ』(天然文庫)など。

佐々木敦 Atsushi Sasaki

撮影=新津保建秀
1964年生まれ。思考家/批評家/文筆家。音楽レーベルHEADZ主宰。映画美学校言語表現コース「ことばの学校」主任講師。芸術文化のさまざまな分野で活動。著書に『成熟の喪失』(朝日新書)、『「教授」と呼ばれた男』(筑摩書房)、『増補新版 ニッポンの思想』(ちくま文庫)、『増補・決定版 ニッポンの音楽』(扶桑社文庫)、『ニッポンの文学』(講談社現代新書)、『未知との遭遇【完全版】』(星海社新書)、『批評王』(工作舎)、『新しい小説のために』『それを小説と呼ぶ』(いずれも講談社)、『あなたは今、この文章を読んでいる。』(慶應義塾大学出版会)、小説『半睡』(書肆侃侃房)など多数。

ネットで
見る

  • [講義]チャンネル会員
    無料
チャンネルサイトはこちらから

放送開始
2016/07/27 19:30
タイムシフト視聴終了
2016/08/03 18:00
  • [講評]一般
    無料
チャンネルサイトはこちらから

放送開始
2016/07/27 21:30
タイムシフト視聴終了
2016/07/27 23:59