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講評無料
〈ゲンロン 大森望 SF創作講座〉の実作講評会の模様を無料生中継します。放送開始は22:00を予定しています。
タイムシフトは公開しませんので、あらかじめご了承ください。
【実作課題】
SFの作品内では、作者が自分にとって都合のよいように世界を支配する原理を設定して話を進めることができます。
しかし現実世界は必ずしも、ひとつの原理で理解しきれるものではありません。
たとえば宗教と科学技術が対立するという見方もあります。科学が唯一の原理かと言い切るのも極端でしょう。同じ科学者でも、宇宙論の専門家と天文学者では相性が悪かったりします。
今回はそういう「相容れなさ」を、相容れないままに描く作品を作ってください。根本的に対立するような原理が対立を残したまま終わる話です。
対立しているのは科学法則でもいいですし、物語構造でも、登場人物同士でもかまいません。ガソリンで動く車と魔法で動く車があり、それが対立している、というようなシュールな設定でもいいでしょう。
一本の軸としては把握しきれない現実を参考に、破綻や対立軸を設定し、そこからリアリティを生み出す訓練として取り組んでみてください。(円城塔)
参考文献:
チャイナ・ミエヴィル『都市と都市』(ハヤカワ文庫SF)
【梗概課題】
ゲンロンSF創作講座の最終講評会は、「ゲンロンSF新人賞」(仮)と銘打ち、『ゲンロン7』(2017年11月刊行予定)に掲載される最優秀賞作品を選考します。審査員を務めるのは、大森望、東浩紀、飛浩隆の3名です。
最終作品については、特定の課題やテーマを設けません。過去の回に提出した作品をリライトしてもかまいませんし、完全な新作でもかまいません。枚数は400字詰原稿用紙で120枚分(48,000字)を上限とします。
最終講評会に先立つ第10回講義では、最終講評会に向けた梗概とアピール文を提出することができます。提出作品については講師からアドバイスを受けることができますが、通常の回とは違い、優秀作を選ぶことはありません。梗概の提出の有無に関わらず、全受講生が最終講評会への作品提出権を持ちます。
梗概とアピール文については、通常の回同様、1200字+800字を上限に提出してください。
【イベント後記】
当日のtweetのまとめはこちら!
山田正紀 Masaki Yamada
井手聡司(早川書房) Satoshi Ide
1971年、東京都生まれ。青山学院大学SF研究会OB。2006年に早川書房へ入社し、編集者として一貫してSFを担当。近年の担当書籍は、山本弘、小林泰三、上田早夕里、月村了衛、宮内悠介、藤井太洋、芝村裕吏、籘真千歳および海外SF展開中。1996年に小松左京、松井孝典、金子隆一による火星探査パネルの司会をつとめたことが生涯の自慢。賞罰なし。
大森望 Nozomi Ohmori
1961年高知生まれ。書評家・SF翻訳家・SFアンソロジスト。〈ゲンロン 大森望 SF創作講座〉主任講師。著書に『21世紀SF1000』、『新編・SF翻訳講座』、《文学賞メッタ斬り!》シリーズ(豊崎由美と共著)、《読むのが怖い!》シリーズ(北上次郎と共著)など。アンソロジーに《NOVA 書き下ろし日本SFコレクション》、《不思議の扉》の各シリーズのほか、『星雲賞SF短編傑作選 てのひらの宇宙』など。訳書にコニー・ウィリス『ブラックアウト』『オール・クリア』など多数。2013年には『NOVA』が第34回日本SF大賞特別賞を受賞。