※ 今回の講義・講評については外部への放送は行いません。ご了承ください。
【実作課題】
「20世紀までに作られた絵画・美術作品」のうちから一点を選び、文字で描写し、そのシーンをラストとして書いてください。
※1200文字の通常の梗概は、今回、あらすじではなく「作品を文字描写した(要はラストに設定した)シーン」をお送りください。
※本文に、該当美術作品のタイトルや作家名が入っている必要はありません。
※400文字のPRには「該当作品のタイトル、制作年、作者」を文中に含めてください。原題でも、日本語でも構いません。
※絵画は、美術的評価の高低を別にして、タイトルや作者等でネットや画集などの資料検索が可能なもの(親族の絵などでも、それが可能であれば構いません)でお願いします。
過去のお題を見ていて、設定に関するお題が多かったので、定点描写をゴールとしてそこに進めるというお題を設定してみたのですが、わかりにくかったらごめんなさい……。
設定、人物描写(関係性なども含めた)訓練は、書き出しのダッシュ、書き進める推進にはもってこいなんですが、途中で設定がフローしてしまって終わらない作品を増やす怖さもあります。初めて書いたものがマスターピースになることはまずないので、書いたものは変でもすべて終わらす、これは書き始めの時期はとても大事で、かつ大変です(すくなくとも私にとってはそうでした)。
なので、ラストの「もんのすごいかっこいいシーン」を決めてしまって、そのラストに向かってスタートし、進む、という書き方をしてみてください。かっこいいシーンはこの際、先人の知恵を借りて名画から模写してください。オフィーリアでも、ボッスの楽園でも、最後の審判でも、地獄の門でも。どうせむちゃむちゃかっこいいので。で、絵をちゃんと文字にしようとすると情報伝達技量の足りなさもわかるかもしれないので。
(高山羽根子)
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【梗概課題】
ゲンロンSF創作講座の最終講評会は、「ゲンロンSF新人賞」と銘打ち、『ゲンロン12』(2021年刊行予定)に掲載される最優秀賞作品を選考します。
最終作品については、特定の課題やテーマを設けません。過去の回に提出した作品をリライトしてもかまいませんし、完全な新作でもかまいません。枚数は400字詰原稿用紙で120枚分(48,000字)を上限とします。
最終講評会に先立つ第10回講義では、最終講評会に向けた梗概とアピール文を提出することができます。提出作品については講師からアドバイスを受けることができますが、通常の回とは違い、優秀作を選ぶことはありません。梗概の提出の有無に関わらず、全受講生が最終講評会への作品提出権を持ちます。最終講評会にあたり、第10回の講義で提出した梗概とまったく異なる作品を提出することも可能です。
第10回講義の梗概とアピール文については、通常の回同様、1200字+400字を上限に提出してください。
山田正紀 Masaki Yamada
小浜徹也(東京創元社) Tetsuya Kohama
1962年、徳島県生まれ。京都大学SF研究会OB。1986年に東京創元社へ入社し、編集者として一貫してSFを担当。近年の担当書籍は、松崎有理、宮内悠介、酉島伝法、高山羽根子など創元SF短編賞出身者の作品、中村融のテーマSFアンソロジーや、2016年に始めた創元SF文庫の新版・新訳版シリーズ〈SFマスターピース〉など。ウンベルト・エーコと島崎博の来日イベントの司会をつとめたことが生涯の自慢。2000年に柴野拓美賞を受賞。
大森望 Nozomi Ohmori
1961年高知生まれ。書評家・SF翻訳家・SFアンソロジスト。〈ゲンロン 大森望 SF創作講座〉主任講師。著書に『21世紀SF1000』、『新編・SF翻訳講座』、《文学賞メッタ斬り!》シリーズ(豊崎由美と共著)、《読むのが怖い!》シリーズ(北上次郎と共著)など。アンソロジーに《NOVA 書き下ろし日本SFコレクション》、《不思議の扉》の各シリーズのほか、『星雲賞SF短編傑作選 てのひらの宇宙』など。訳書にコニー・ウィリス『ブラックアウト』『オール・クリア』など多数。2013年には『NOVA』が第34回日本SF大賞特別賞を受賞。