ネットで
見る
-
[梗概講評]一般無料
〈ゲンロン 大森望 SF創作講座〉の講評会の模様を無料生中継します。放送開始は22:00を予定しています。
タイムシフトは公開しませんので、あらかじめご了承ください。
【実作課題】
SFと言われた時にイメージしやすい科学や技術、社会システムを題材にとる作品は数多くありますし、受講生の皆さんも挑戦してきたことでしょうが、今回、皆さんには「神話」に挑んでいただきます。スペキュレイティブ・フィクションと呼ばれるような作品で人気のテーマでもあります。天地創造から宇宙論との絡み合い、クトゥルフ、祟り神、付喪神、ひょっとすると言霊や論理の中に宿る「神」まで、描く題材には事欠かないことでしょう。 物理法則、時間の制約、論理の制約を超えられる可能性を持った、みなさんの「神話」を、是非とも見せてください。
(藤井太洋)
■
【梗概課題】
「何か」が増えていく、あるいは減っていく物語を書いてください。
2020年ほど日々、数字の増減に一喜一憂し、「指数関数的増加」という言葉を生々しく受け止めた年はないでしょう。パンデミックに限らず、「右肩上がり」とか「ピークアウト」といった表現は、具体的なストーリー感を伴って私たちの思考や印象を左右します。統計的な数値や量的な増減のイメージが物語にフィードバックするのは、SFの醍醐味ではないでしょうか?
主語である「何か」は、実在・非実在を問わず、具体物でも抽象物でもかまいません。知能指数や人格、牡蠣やお祖母さん、文字や宇宙の階層、小説の視点そのもの、数値化できないウンタラカンタラ……何でもござれです。実作は短篇の分量ですから、物語の主筋は増えるか減るかの一方向に絞ってください。ただし、増加(減少)率が上下するのはかまいません。淡々と一定のペースを保つ作品、逆に「オーバーシュート」や「底打ち」等を導入してストーリーに緩急をつける作品、いずれも歓迎します。
(法月綸太郎)
法月綸太郎 Rintaro Norizuki
新井久幸 Hisayuki Arai
大森望 Nozomi Ohmori
1961年高知生まれ。書評家・SF翻訳家・SFアンソロジスト。〈ゲンロン 大森望 SF創作講座〉主任講師。著書に『21世紀SF1000』、『新編・SF翻訳講座』、《文学賞メッタ斬り!》シリーズ(豊崎由美と共著)、《読むのが怖い!》シリーズ(北上次郎と共著)など。アンソロジーに《NOVA 書き下ろし日本SFコレクション》、《不思議の扉》の各シリーズのほか、『星雲賞SF短編傑作選 てのひらの宇宙』など。訳書にコニー・ウィリス『ブラックアウト』『オール・クリア』など多数。2013年には『NOVA』が第34回日本SF大賞特別賞を受賞。