ゲンロン ひらめき☆マンガ教室 第4期#13発想の力──応用1

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【ネーム稿課題】

取材して描いてください

 
はじめまして、山口つばさと申します。
「ブルーピリオド」という美大受験をするスポ根(?)漫画を描いております。
私自身勉強中の身ですが、何卒よろしくお願いいたします。

私が今回、課題として設定させていただくのは「取材して描いてください」です。

・「自分の描きたいもの」にあわせて取材をする、あるいは「取材してから気になった部分」を漫画にしてください
・漫画のために1人以上に取材してください(場所の取材は今回はコロナ的なことを考慮し、リモートでも取材ができる方法で課題を設定しました)
・取材して得た情報が主題でなくとも、漫画の中にそれが取り入れられていればOKです

漫画を描き続ける上で「取材」は必須スキルです。
自分の中から出てくるものだけでは、何作も描いていると必ず枯渇してしまいます。
また私自身、自分が経験した題材をモチーフに連載漫画を描いていますが
色々なキャラクターを出すにあたって自分とは違う考え方をするキャラクターのことを知る必要があったり
改めてその分野について勉強させていただいたり取材する機会がとても多いです。
取材をすることによって表現の引き出しも増えますし、自分からは出てこないような発想や考え方も出てきます。

漫画を描くのは一人でやることですが、
おそらくあなたの漫画の中にもたくさんの登場人物が出てきて、彼らがいろんな出来事を起こしていくと思います。
本や映画のように、人にみせる形になっていない「人生」が世の中にはたくさんあります。

取材する先は誰でもOKです。
家族・友人・恋人など身近な人でも改めて知れることがあるかもしれないし、
専門知識を持った人に取材すれば難しい話を噛み砕いて教えてくれるかもしれません。
ツイッターでいろんな人にDMして統計を取ったり、普段接しない職業の人に話を聞いたり
高校時代の恩師に話を聞いたら、恩師の意外な一面が見れるかもしれません。
どのように聞けばいいのか?どんな人に聞けばいいのか?
ぜひみなさんの聞き上手っぷりを発揮してください。

また「取材した内容」を自分の漫画に出力する力も必要です。
情報に振り回されず、けれど情報に心を動かして描いた
そんな漫画を読ませてもらえたらとても嬉しいです。

(山口つばさ)

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山口つばさ Tsubasa Yamaguchi

「アフタヌーン四季賞 2014年夏」佳作を受賞。現在『月刊アフタヌーン』にて『ブルーピリオド』を連載中。同作は、「第44回講談社漫画賞」総合部門賞、「マンガ大賞2020」大賞、「このマンガがすごい!2019」オトコ編4位、「TSUTAYAコミック大賞2018」ネクストブレイク部門大賞などを受賞。過去作に、新海誠原作『彼女と彼女の猫』。

さやわか Sayawaka

1974年生まれ。ライター、物語評論家、マンガ原作者。〈ゲンロン ひらめき☆マンガ教室〉主任講師。著書に『僕たちのゲーム史』、『文学の読み方』(いずれも星海社新書)、『キャラの思考法』、『世界を物語として生きるために』(いずれも青土社)、『名探偵コナンと平成』(コア新書)、『ゲーム雑誌ガイドブック』(三才ブックス)など。編著に『マンガ家になる!』(ゲンロン、西島大介との共編)、マンガ原作に『キューティーミューティー』、『永守くんが一途すぎて困る。』(いずれもLINEコミックス、作画・ふみふみこ)がある。「コミックブリッジ」で『ヘルマンさんかく語りき』(作画:倉田三ノ路)を連載中。

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放送開始
2021/04/24 13:00
タイムシフト視聴終了
2021/05/01 23:59