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【イベント概要】
中世史家の呉座勇一氏、近現代史研究者の辻田真佐憲氏、評論家の與那覇潤氏による鼎談イベント第2弾を開催します。
第1弾は、今年1月に「歴史修正と実証主義──日本史学のねじれを解体する」と題して開催しました。実証(エビデンス)を積み重ねさえすれば「歴史」は生まれるのか。歴史修正主義はなぜ跋扈するのか。時代によって実証と修正の関係が移り変わるなかで、実証主義をどのようにアップデートしていくことができるのか。三氏にはそれぞれ豊富な発表資料をご用意いただき、8時間に及ぶ充実の議論を展開しました。
第2弾となる今回は、歴史学者「以外」が語る歴史がテーマ。三氏は、作家が書いた歴史小説や、専門家ではない評論家が書いた文章などにも大いに影響を受けて、自身の歴史への関心や研究、著述に反映をしてきたそうです。今回はそれぞれに影響を受けた「歴史学者以外による著作」をリストとして挙げていただき、前回の議論に続く問題意識として、歴史実証と社会の関係について考えていきます。
歴史について語ることを社会に開いていくためにはどうしたらいいのか。三氏の近著、呉座氏の『戦国武将、虚像と実像』(角川新書)、辻田氏の『防衛省の研究』(朝日新書)、與那覇氏の『過剰可視化社会』(PHP新書)においても、本イベントに関わる論点が含まれています。あわせてお読みください。
今回も、ゲンロンカフェならではの白熱の議論をお見逃しなく!
呉座勇一 Yuichi Goza
1980年、東京生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。東京大学大学院人文社会系研究科研究員、東京大学大学院総合文化研究科学術研究員、国際日本文化研究センター助教などを経て、現在、信州大学特任助教。大学共同利用機関法人人間文化研究機構に対し国際日本文化研究センター准教授の地位確認を求めて訴訟提起中。日本中世史専攻。著書に『日本中世の領主一揆』(思文閣出版、2014年)、『一揆の原理』(筑摩書房、2015年)、『応仁の乱』(中央公論新社、2016年)など。共著に前川一郎編著『教養としての歴史問題』(東洋経済新報社、2020年)など。現在、網野善彦に関する論文を執筆中。
辻田真佐憲 Masanori Tsujita
1984年、大阪府生まれ。評論家・近現代史研究者。慶應義塾大学文学部卒業、同大学院文学研究科中退。政治と文化芸術の関係を主なテーマに、著述、調査、評論、レビュー、インタビューなどを幅広く手がけている。単著に『「戦前」の正体』(講談社現代新書)、『防衛省の研究』(朝日新書)、『超空気支配社会』『古関裕而の昭和史』『文部省の研究』(文春新書)、『天皇のお言葉』『大本営発表』(幻冬舎新書)、『空気の検閲』(光文社新書)、共著に『教養としての歴史問題』(東洋経済新報社)、『新プロパガンダ論』(ゲンロン)などがある。監修に『満洲帝国ビジュアル大全』(洋泉社)、『文藝春秋が見た戦争と日本人』(文藝春秋)など多数。軍事史学会正会員、日本文藝家協会会員。
與那覇潤 Jun Yonaha
1979年生。東京大学大学院総合文化研究科で博士号取得後、2007~17年まで地方公立大学准教授。当時の専門は日本近現代史で、講義録に『中国化する日本』(文春文庫)、『日本人はなぜ存在するか』(集英社文庫)。離職後は『知性は死なない』(文春文庫)、『心を病んだらいけないの?』(斎藤環と共著、新潮社。第19回小林秀雄賞)など、自身の病気の体験も踏まえた言論活動を在野で行っている。新型コロナウイルス禍での学界の不見識に抗議して、2021年の『平成史』(文藝春秋)を最後に「歴史学者」の呼称を放棄した。近刊に『過剰可視化社会』(PHP新書)、『危機のいま古典をよむ』(而立書房)など。