AIはSF的想像力を越えたのか──人類と機械のコンタクトをめぐって

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本イベントはシラス・ニコニコ生放送のゲンロン完全中継チャンネルからインターネット配信でご覧いただけます。ニコニコ生放送のURLは後日公開いたします。
放送開始から4時間30分を超えてイベントが続いた場合、ニコ生では配信を終了しますが、シラスでは有料で延長配信をおこないます。
シラスのシステム上、延長部分のみの購入はできません。シラスの延長部分をご視聴されたい方は、あらかじめシラスで番組本編をご購入ください。

 

【イベント概要】

2023年新春、ゲンロンカフェにてSF的想像力の行方、そしてわたしたち人類と機械の共生を考えるイベントを実施する。お呼びするのは、AI研究者・日本SF作家クラブ会長の大澤博隆さん、『プロトコル・オブ・ヒューマニティ』(早川書房、2022年10月)を著したSF作家の長谷敏司さん、司会は科学文化作家として活動する宮本道人さんだ。

技術的な革新ばかりが注目されるAIに対し、どのようにして人と機械のコンタクトを捉えられるだろうか。大澤さんと宮本さんが取り組む「AI×SFプロジェクト」と長谷さんの『プロトコル・オブ・ヒューマニティ』は人間と機械の関係を考える糸口を提供してくれる。

『プロトコル・オブ・ヒューマニティ』は芸術的価値とはなにかをわたしたちに問いかけるSF作品だ。作品では、事故で右足を失ったダンサーの護堂恒明がAI制御の義足と共生し、ロボットとのダンス公演によってダンサーとしての復帰に奮起する。身体を駆使し、観客にその芸術的価値を届けるダンサーとして、主人公・護堂が絶えず問いかけるのが人とロボットを分ける「人間性の手続き(プロトコル)」の表現だ。終盤に描かれる護堂とロボットの共演、その相互作用によって生み出される観客の熱気は、人と機械による未来のコミュニケーションを予感させる。

そんな『プロトコル・オブ・ヒューマニティ』に科学的なアドバイスをしたのが大澤博隆さん。大澤さんは、人と機械のやりとりを研究し、実装するHAI(Human-Agent Interaction)の研究者として活躍する。プリンターに「顔」や「手足」を付け擬人化(キャラ化)し、プリンター自らに説明させるなど、いわば人間の自由な想像力を機械の創造に応用するのがHAI研究だ。大澤さんは、「人類と機械のより良い接点を作り出す」ことを掲げたHAI研究室の主宰者でもある。HAI研究室の一員である宮本道人さんらとともに大澤さんは「AI×SFプロジェクト」にてSFの描かれ方を読み解き、AI×SFが与える相互の影響を研究している。

大澤さんいわく、長谷さんの『プロトコル・オブ・ヒューマニティ』はAIと身体性とその相互作用を描いた傑作であり、AIと身体性は人間の社会性と切り離せない。ゲンロンカフェでは、AI×SFに関わる三者を招き、人と機械を紡ぐプロトコル(手続き)とコミュニケーションの未来を考える。乞うご期待!

【登壇者の大澤博隆さんより】

人の知能を研究対象とする人工知能分野はSFから大きな影響を受けていますが、それはSFが技術的ビジョンに留まらず、人間の知能・想像力の限界を超えた構造を示す点にあります。その点で、AI分野はSF的想像力を大きな手助けとして発展してきました。
一方でAIを取り巻く状況は、様々な機械学習モデルの公開により、数日単位でビッグニュースが入るような、大変革期にあります。大規模な言語モデルが構築され、我々の知的作業を組みなおす動きが、数週間から数か月で起こりえます。また、想像力の発露である創作プロセスに介入し始めた人工知能について、研究者としても、SFに関わる人間としても、注意深く動向を追っています。会場とも意見交換し、情報共有できましたら幸いです。

【登壇者の長谷敏司さんより】

実を言うと、「AIはSF的想像力を超えたのか」というキャッチには、お客さんに興味をもっていただく以上の意味は、それほどありません。というのも、SFが科学に対して先行しているというのは、そもそも誤りを含んだ前提なのです。現実の科学とイマジネーションの関係が簡単ではないことは明白で、現実に先行して多くの作品アーカイブがあるAI分野でも、当然、そうなっているわけです。
とはいえ、そのキャッチを使いたい気持ちはよくわかります。ここ数年のAIの進歩は素晴らしくて、現実のAIが、将来への希望や野心、あるいは恐怖といった、さまざまなかたちでイマジネーションを掻き立てています。なので、その技術と社会、あるいは人間の接点を、さまざまな価値のフレームで整理しておくことに、意味があるのだと思います。このあたり、お題を投げる側と答える側で難度が違いすぎる問題設定なので、自分も答えを探している最中です。軽い気持ちで来ていただけるとありがたいです。

※ 放送のみ(会場は無観客)のイベントです。

大澤博隆 Hirotaka Osawa

1982年生まれ。2009年慶應義塾大学大学院理工学研究科開放環境科学専攻博士課程修了。2022年より、慶應義塾大学理工学部管理工学科准教授/筑波大学システム情報系客員准教授、HAI研主宰者。ヒューマンエージェントインタラクション、人工知能の研究に幅広く従事。共著として『人狼知能:だます・見破る・説得する人工知能』『人とロボットの〈間〉をデザインする』『AIと人類は共存できるか』『信頼を考える:リヴァイアサンから人工知能まで』『SFプロトタイピング:SFからイノベーションを生み出す新戦略』など。監修として『アイとアイザワ』『SF思考ビジネスと自分の未来を考えるスキル』など。人工知能学会、情報処理学会、日本認知科学会、ACM等会員、日本SF作家クラブ第21代会長。博士(工学)。

長谷敏司 Satoshi Hase

1974年、大阪生まれ。2001年、第6回スニーカー大賞金賞を受賞した『戦略拠点32098 楽園』(KADOKAWA)でデビューしたのち、ライトノベルからSFに活動の場を広げる。2015年、『My Humanity』(早川書房)で第35回日本SF大賞を受賞。その他の著作に『円環少女』シリーズ(KADOKAWA)、『あなたのための物語』(早川書房)、『BEATLESS』(KADOKAWA)、『メタルギアソリッド スネークイーター』(KADOKAWA)、『ストライクフォール』シリーズ(小学館)など。最新刊『プロトコル・オブ・ヒューマニティ』(早川書房)が22年10月18日に発売した。

宮本道人 Dohjin Miyamoto

可能世界作家、応用虚構学者、奇想科学コンサルタント。北海道大学CoSTEP特任助教、東京大学VRセンター客員研究員。科学技術とフィクションを組み合わせてイノベーションを生む手法を研究。企業の未来共創企画を多数監修し、小説や漫画原作を執筆。ノンスタ石田氏らと共同研究を行い、漫才VRシステムを開発。著書に『古びた未来をどう壊す?』、編著に『SF思考『SFプロトタイピング』『プレイヤーはどこへ行くのか』など。『SF思考』は中国で翻訳出版され、原作担当漫画「Her Tastes」は国立台湾美術館で招待展示されるなど、国外評価も高い。1989年生。東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。博士(理学)。

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放送開始
2023/01/06 19:00
公開終了
2023/07/06 23:59
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