「ゲンロン 大森望 SF創作講座」の授業です。担当講師は小浜徹也先生と大森望先生です。
【スケジュール】
1限 15:00-16:00:導入・講義
2限 16:15-21:00:第1課題梗概講評会・自己紹介
【第1課題】
「『これがSFだ!』と思う短編を書いてください」
2016年にスタートしたこの講座も8期目。まだ干支は一周していませんが、ここは初心に返って、第1期の第1回で設定したのと同じテーマにチャレンジしていただきたいと思います。すなわち、
「『これがSFだ!』と思う短編を書いてください」
SFは、一般的にはサイエンス・フィクションの略称とされていますが、かならずしも科学性が必須というわけではありません。AIとかロボットとか宇宙船とかエイリアンとかタイムリープとか異空間とかマルチバースとかが出てくるやつはだいたいSFですが、そういうのがまったく出てこないSFもいっぱいあります。
SFは「スペキュラティヴ・フィクション」だという人もいるでしょうし、「すこし・ふしぎ」だという人もいるでしょう。「ストレンジ・フィクション」でも、「スペース・フィッシュ」でも、あなたが『これがSFだ!』と言い張れるなら、何を書いてもかまいません。
泣けるラブストーリーでも、密室ミステリでも、シュールなコメディでも、SFのエッセンス(だとあなたが思うもの)が入っていればOK。
興味のないものを無理して書く必要はないので、興味が持てる範囲で(書きたい範囲で)どうぞ。もちろん、そういうのが好きな人なら、ゴリゴリのハードSFや、超絶バカSFも大歓迎です。
SFにどんなイメージを抱いてこの講座を受講することにしたのか、自己紹介代わり、名刺代わりの作品を書いてください。それに対していったいどんな反応があるかで、その作品がこの講座の試金石になるでしょう。初回なので、アピール文ではご自身のSF観なり意気込みなりを大いに訴えてもらってかまいません。健闘を祈ります。
(大森望)
小浜徹也(東京創元社) Tetsuya Kohama
1962年、徳島県生まれ。京都大学SF研究会OB。1986年に東京創元社へ入社し、編集者として一貫してSFを担当。近年の担当書籍は、松崎有理、宮内悠介、酉島伝法、高山羽根子など創元SF短編賞出身者の作品、中村融のテーマSFアンソロジーや、2016年に始めた創元SF文庫の新版・新訳版シリーズ〈SFマスターピース〉など。ウンベルト・エーコと島崎博の来日イベントの司会をつとめたことが生涯の自慢。2000年に柴野拓美賞を受賞。
大森望 Nozomi Ohmori
1961年高知生まれ。書評家・SF翻訳家・SFアンソロジスト。〈ゲンロン 大森望 SF創作講座〉主任講師。著書に『21世紀SF1000』、『新編・SF翻訳講座』、《文学賞メッタ斬り!》シリーズ(豊崎由美と共著)、《読むのが怖い!》シリーズ(北上次郎と共著)など。アンソロジーに《NOVA 書き下ろし日本SFコレクション》、《不思議の扉》の各シリーズのほか、『星雲賞SF短編傑作選 てのひらの宇宙』など。訳書にコニー・ウィリス『ブラックアウト』『オール・クリア』など多数。2013年には『NOVA』が第34回日本SF大賞特別賞を受賞。