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【イベント概要】
劇的な政権交代や一時の脱原発デモの熱気もむなしく、夏の参院選で55年体制以上の自民党一党支配に戻ったとされる日本。
破竹の勢いだった経済成長に陰りがさし、保守的なリーダーの下で足踏みが始まりそうな中国・韓国。好転する兆しの見えない北朝鮮——。
冷戦終焉以来、21世紀の主役にと期待されてきたはずの東北アジアはいま、むしろ活気のない停滞社会へと移行しつつあるように見えます。
既刊の『中国化する日本』、および8月末に刊行予定の新刊『日本の起源』(東島誠氏との共著、太田出版)の内容も踏まえつつ、その理由と対案を歴史学の知見から探究します。
(※ 両著を未読の方でも、問題なくご参加いただけます)
最終回のテーマは、
「歴史の終わり」論再考——“いま”の起源はどこにあるのか。
80年代のいわゆるポストモダニズム・ブームに先んじて、1970年前後、すでに自国史像の描きなおしという形の「日本版ポストモダン」が始まっていた。今日的状況の起源として注目の集まるこの時代についての議論を整理しつつ、山本七平、司馬遼太郎、網野善彦ら、70年の三島事件以降にその日本論を本格化させていった史論家たちの知見からいま、将来への指針として何が学べるのかを考えます。
当日は、前日に発売となる新刊『日本人はなぜ存在するか』(集英社インターナショナル)の即売会およびサイン会も行います。
與那覇潤 Jun Yonaha
1979年生。東京大学大学院総合文化研究科で博士号取得後、2007~17年まで地方公立大学准教授。当時の専門は日本近現代史で、講義録に『中国化する日本』(文春文庫)、『日本人はなぜ存在するか』(集英社文庫)。離職後は『知性は死なない』(文春文庫)、『心を病んだらいけないの?』(斎藤環と共著、新潮社。第19回小林秀雄賞)など、自身の病気の体験も踏まえた言論活動を在野で行っている。新型コロナウイルス禍での学界の不見識に抗議して、2021年の『平成史』(文藝春秋)を最後に「歴史学者」の呼称を放棄した。近刊に『過剰可視化社会』(PHP新書)、『危機のいま古典をよむ』(而立書房)など。
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