ヒロシマ、ナガサキ、福島…──新しい記憶の継承を考える。デジタルアーカイブズと〈記憶のコミュニティ〉とは

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【イベント概要】

時代の経過とともに散逸していく歴史資料を、ネットワークを通じて収集し公開する「デジタルアーカイブズ・シリーズ」。今回、講演をして頂く渡邉英徳先生は、研究室の学生と共に様々な資料をデジタル・アースの仮想空間に集積し、自由に閲覧できるシステムの構築を行っています。既に、南太平洋の島国ツバル、長崎・広島原爆、東日本大震災、そして沖縄戦をテーマとしたアーカイブズ・シリーズが公開されています。

渡邉先生は、アーカイブズ・シリーズの目的として、次の2点を挙げています。ひとつ目は、公開されていなかった資料をオープンデータとすること。ふたつ目は、データ同士の時空間的な関連性を提示し、事象についての多面的な理解を人々に促すことです。これらにより、オンライン・オフラインで人々を繋ぐ「記憶のコミュニティ」を形成できるのではないか、と渡邉先生は考えています。

2012年秋に開催された「東日本大震災ビッグデータワークショップ」においては、アーカイブズ・シリーズで用いた手法を応用し、震災後に収集された大規模データを元にした災害状況の可視化に取り組みました。これは、同時代の災害記録を未来に残していくために、他の専門家と協同したアーカイブズ・シリーズの新たな試みになります。

本講演では、今、注目が集まっている「記憶の保存」の先端を走る渡邉英徳先生の授業を、みなさまにお届けします。

渡邉英徳 Hidenori Watanabe

情報アーキテクト。東京理科大学理工学部建築学科卒業(卒業設計賞受賞)、筑波大学大学院博士後期課程修了。博士(工学)。2008年より首都大学東京准教授。京都大学客員准教授、ハーバード大学ライシャワー日本研究所客員研究員などを歴任。これまでに「ヒロシマ・アーカイブ」「ナガサキ・アーカイブ」などを制作。著書に『データを紡いで社会につなぐ』(講談社現代新書)など。

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