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【イベント概要】
いま私は地元の東京都小平市で、都道の建設問題を巡る住民投票運動を応援している。
都道328号線建設計画、そして東京都によるその進め方に強い疑問を抱いた住民たちは、署名による直接請求で建設計画を巡る住民投票の実施を求めた。
今年3月27日、住民投票条例案は小平市議会で可決された。直接請求によって住民投票が実施されるのは、東京都内でははじめてのことだという。小平の住民投票は、したがって画期的な出来事である。
運動を応援しながら、私は近代の民主主義理論の或る単純な欠陥に気づいた。そして今、それを補完するための制度について考えている。
今回のゲンロンカフェ講演では、都道328号線問題から出発して、民主主義について、理論的かつ実践的に語りたい。
國分功一郎 Koichiro Kokubun
1974年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。東京大学大学院総合文化研究科・教養学部准教授。主な著書に『原子力時代における哲学』(晶文社、2019年)『中動態の世界──意志と責任の考古学』(医学書院、2017年、第16回小林秀雄賞受賞)、『民主主義を直感するために』(晶文社、2016年)、『近代政治哲学──自然・主権・行政』(ちくま新書、2015年)、『暇と退屈の倫理学 増補新版』(太田出版、2015年、紀伊國屋じんぶん大賞受賞)、『来るべき民主主義──小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題』(幻冬舎新書、2013年)、『ドゥルーズの哲学原理』(岩波書店、2013年)、『スピノザの方法』(みすず書房、2011年)。訳書にジャック・デリダ『マルクスと息子たち』(岩波書店、2004年)、ジル・ドゥルーズ『カントの批判哲学』(ちくま学芸文庫、2008年)などがある。
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