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【イベント概要】
ひきこもり・ニートを考察してきた精神科医である斎藤環と、『ニートの歩き方』著者でありギークハウス創設者でもあるphaが語るインターネット時代の人間像!
ニートという単語には常にネガティヴなイメージがつきまとう。
「働いたら負けかなと思っている」というフレーズがネット上で話題になったことからも分かるように、この単語はどこか「逃避」のニュアンスを含んでいる。
しかし、私たちが疑問に思うべきは「逃避」が本当に悪いことなのかという点だろう。
仮に「逃避」が悪いものとされるならば、踏みとどまるべき社会が十分な幸福を人々に与えてくれるものでなければならない。
ただ実際には、労働者が不安定な雇用と低賃金という条件のもとで、幸福とは言えないが生存のために時間を割いているようなケースも多く存在する。
だとすれば、「逃避」によって、世間に評価される社会的地位の外部で幸福を求めるような生き方は、ひとつの選択肢と受け入れることも可能なのではないか。
ニートはどのようなことを考えて日常を過ごしているのか?
SNSやシェアハウスといった新しいコミュニケーションの形態は人間の生をどのように変えたのか?
私たちは「逃避」を永続的なものとして考えるのではなく、一時的な休憩としてもっと気軽にイメージできる社会を構想するべきではないのか?
労働と金、そして人間の欲望と自由に関する「ニートの哲学」が展開される。
生の多様性と人間の条件にまつわる新たな「生存戦略」の真相を見よ!
斎藤環 Tamaki Saito
1961年、岩手県生まれ。1990年、筑波大学医学専門学群環境生態学卒業。医学博士。爽風会佐々木病院精神科診療部長(1987年より勤務)を経て、2013年より筑波大学社会精神保健学教授。専門は思春期・青年期の精神病理、および病跡学。著書に『「自傷的自己愛」の精神分析』(角川新書)、『映画のまなざし転移』(青土社)など。2013年、『世界が土曜の夜の夢なら』(角川書店)で第11回角川財団学芸賞を受賞。2020年、『心を病んだらいけないの?』(與那覇潤との共著、新潮社)で第19回小林秀雄賞を受賞。
pha ふぁ
1978年生まれ。無職でネットで遊びまくり。一生ふらふらしていたい。著書に『ニートの歩き方』(技術評論社)がある。ウェブ上で「圧縮新聞」などのウェブサービスを公開している。ネットやパソコン好きが集まって暮らすシェアハウス「ギークハウスプロジェクト」の発案者。
坂上秋成 Shusei Sakagami
1984年生、作家。主な著作に『ファルセットの時間』(筑摩書房)、『惜日のアリス』、『夜を聴く者』(いずれも河出書房新社)、『モノクロの君に恋をする』、『紫ノ宮沙霧のビブリオセラピー』(いずれも新潮文庫nex)、『ONE PIECE novel LAW』(集英社) など。小説以外の仕事として『TYPE-MOONの軌跡』、『Keyの軌跡』(いずれも星海社新書)。
ゲームシナリオの執筆も行い、主な作品に『ヘブンバーンズレッド』でのシナリオ協力、2024年発売予定の『オールインアビス イカサマサバキ』のシナリオライターなど。