美術からマンガを見る/マンガから美術を見る──『マンガを「見る」という体験』刊行記念対談

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【イベント概要】

鈴木雅雄編『マンガを「見る」という体験』(水声社)は、マンガ表現論と美術批評をクロスオーバーさせた連続討議を論集にまとめたものです。ともすればそれは、マンガと美術の接点をさぐるといったものととらえられますが(その見方も間違いではないにせよ)、むしろ「マンガ」と「美術」を同じテーブルのうえで扱うことで、私たちの視覚体験により深く切り込むことを試みたと言ったほうが適切でしょう。言い方を変えれば、ここで探られているのは、「マンガ」と「美術」を等しく語りうるプラットフォームということです。また、ともに平面のうえに「描かれたもの」であるはずの両者が、なぜかくも断絶させられてきたのかという問いを残すものであったと言ってもよいでしょう。

本書の刊行記念であるこの対談では、同書所収の加治屋論文『マンガと美術——現代美術批評の観点から』で提示された、「経験的イメージ/超越論的イメージ」という概念対を軸に据え、マンガを「読む」体験の側から「美術」を「みる」ことと、美術を「鑑賞する」体験の側から「マンガ」を「よむ」ことを試みます。マンガの側からは「コマ」「フキダシ」といった諸装置を手がかりに、美術の側からは「フラットベッド画面」といった議論を手がかりに、互いの領域について互いが材料を持ち寄り、互いに「知りたいこと」を訊ね、互いが答えるという応答を予定しています。
(伊藤剛)

 

【イベント後記】

http://genron-lectures.tumblr.com/post/102947957973/11-14

伊藤剛 Go Ito

1967年名古屋市生まれ。名古屋大学理学部卒。マンガ評論家。東京工芸大学マンガ学科教授、武蔵野美術大学非常勤講師。著書に『テヅカ・イズ・デッド ひらかれたマンガ表現論へ』(星海社新書)、『マンガは変わる』(青土社)など。共著書に『マンガを「見る」という体験―フレーム、キャラクター、モダン・アート』『マンガ研究13講』『マンガ視覚文化論』(いずれも水声社)などがある。2019年大英博物館マンガ展「The Citi exhibition Manga」学術協力。

加治屋健司 Kenji Kajiya

1971年生まれ。美術史家、東京大学大学院総合文化研究科准教授。ニューヨーク大学大学院美術研究所博士課程修了。PhD(美術史)。共編著にFrom Postwar to Postmodern, Art in Japan 1945-1989: Primary Documents (New York: Museum of Modern Art)、『中原佑介美術批評選集』全12巻(現代企画室+BankART出版)、共著に『地域アート 美学/制度/日本』(堀之内出版)など。

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2015/07/14 00:00
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放送開始
2015/03/01 00:00
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2015/04/30 23:59
放送開始
2014/11/14 19:00
タイムシフト視聴終了
2014/11/21 18:00