メディア/都市/コンテンツ──『1990年代論』から考える

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【イベント概要】

 

《 イベント「メディア/都市/コンテンツ――『1990年代論』から考える」に寄せて 》

1990年代論』はこんな文からはじまります。「九〇年代の亡霊たちが日本社会を徘徊している。/……どころの話ではない」(序文は「ウェブ河出」で試読可能)。政治や社会の領域に目をむければ、90年代が積み残した大量の課題に私たちは悩まされどおしだし、カルチャー方面に目をむけてみても、あの時代に完成したフォーマット群がいまなお使いたおされている。というよりも、当時の固有名の大部分はかわらず現役でありつづけている。ようするに、「90年代的なもの」は私たちの社会や生活のいたる局面にべたーっとひろがって、すっかりインフラと化しています。その意味を一度きちんと吟味すべくこの本はつくられました。

さて、発売から1か月ちょっと。この間の話題を見渡してみても、あいかわらず「90年代リバイバル」ブームは継続する……どころか、ますますあからさまになっていく様子。2月に19年ぶりの新曲を発表した小沢健二は、SEKAI NO OWARIとのコラボでふたたびMステに登場し、Twitterのタイムラインをわかせたし(9月8日)、『りぼん』200万部時代の屋台骨のひとつだった吉住渉『ママレード・ボーイ』は実写映画化されることが発表されるし(8月22日)――実写化といえば90年代の空気感を濃縮した岡崎京子『リバーズ・エッジ』も来年2月の公開が決定されている。「懐古」と「再発見」を同居させることでどうにかこうにか世代の壁を突破してはパイをかき集めつつ前に進む。そんな文脈において、『1990年代論』は十分活用してもらえるんじゃないかと思います。

けれど他方で、これとは異なった徴候も観測されはじめている。90年代のアイコンだった安室奈美恵は1年後の引退を表明し(9月20日)、昨年末に解散したSMAPの元メンバー3人は事務所を出て、すぐに新展開を見せています(9月22日)。政治の世界に転じると、民進党は衆院解散をうけてなしくずし的に解党することになりました(9月28日)。安室奈美恵の引退は「90年代の人生モデル=物語」の円環をきれいに結ぼうとするもの、SMAPの解散は平成期の「音楽とバラエティの私小説的な結託」のリミットを示すもの、民進党消滅は「90年代以降の政界再編の履歴」を強制的にリセットするものととりあえず解釈できそうです。この数週間、区々の文脈で発生した出来事は総じて「90年代的なもの」の終幕を感じさせる。

現在、ふたつの動きが共在している。すなわち、「90年代的なもの」の延命と切断とが。その意味では、各方面の今後の潮流を決するような局面に私たちは立っているのかもしれません。そして、後者、つまり切断のモメントは『1990年代論』でほとんど扱ってはいません。そこで、今回のイベントでは、直近1か月の動向も視野に入れつつ、この本のさらに先のパースペクティブを用意する討議を展開できればと考えています。もちろん、そのためには、『1990年代論』同様、90年代のひとつひとつの現象やコンテンツに関するジャッジメントは不可欠でしょう。こんなテーマをめぐって、五十嵐太郎さんとさやわかさんという、またとない対話の相手をお招きし、会場のみなさんといっしょにどっぷり90年代のリストや年譜に浸りながら議論を進めてみたいと思っています。

なお、会場限定特典として、小冊子『1990年代を読むためのブックガイド120(+α)/ゲンロンカフェremix』を配布します。ぜひ会場へお運びください。(10月03日 大澤聡)

1990年代とはどんな時代だったのか?
批評家・大澤聡が編者となり、この8月に刊行された『1990年代論』。
当時青春時代を過ごした70年代・80年代生まれの世代の論者が、社会と文化の諸相を20のテーマから論じた、あたかも90年代百科事典のような本である。

90年代は日本の社会と文化にとって、どんな時代だったのか。それはどのような転機をもたらしたのか。
エヴァンゲリオン論新興宗教建築論など、90年代文化にも多くの著作のある建築批評家の五十嵐太郎(1967年生まれ)、文化をオールラウンドに論じる批評家のさやわか(1974年生まれ)、そして『ゲンロン』の「現代日本の批評」シリーズでも大活躍の大澤聡(1978年生まれ)が、90年代を語り尽くす!


大澤聡編『1990年代論』(河出書房新社)

 

【イベント後記】

 

当日のtweetのまとめはこちら

togetter

五十嵐太郎 Taro Igarashi

1967年パリ生まれ。建築史・建築批評家。1992年東京大学大学院修士課程修了。博士(工学)。現在、東北大学大学院教授。あいちトリエンナーレ2013芸術監督、第11回ヴェネチア・ビエンナーレ建築展日本館コミッショナーを務める。芸術選奨新人賞。『日本建築入門』(筑摩書房)、『被災地を歩きながら考えたこと』(みすず書房)、 『モダニズム崩壊後の建築』(青土社)、『現代建築宣言文集』(共編著、彰国社)ほか著書多数。

さやわか Sayawaka

1974年生まれ。ライター、物語評論家、マンガ原作者。〈ゲンロン ひらめき☆マンガ教室〉主任講師。著書に『僕たちのゲーム史』、『文学の読み方』(いずれも星海社新書)、『キャラの思考法』、『世界を物語として生きるために』(いずれも青土社)、『名探偵コナンと平成』(コア新書)、『ゲーム雑誌ガイドブック』(三才ブックス)など。編著に『マンガ家になる!』(ゲンロン、西島大介との共編)、マンガ原作に『キューティーミューティー』、『永守くんが一途すぎて困る。』(いずれもLINEコミックス、作画・ふみふみこ)がある。「コミックブリッジ」で『ヘルマンさんかく語りき』(作画:倉田三ノ路)を連載中。

大澤聡 Satoshi Osawa

1978年生まれ。批評家/メディア研究者。近畿大学文芸学部准教授。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。日本の思想やジャーナリズムの歴史的変遷を分析しつつ、現代社会やカルチャーに関する批評活動も広くおこなっている。著書に『定本 批評メディア論』(岩波現代文庫)、『教養主義のリハビリテーション』(筑摩書房)。編著に『1990年代論』(河出書房新社)、『三木清教養論集』(講談社文芸文庫)、『三木清大学論集』(同)、『三木清文芸批評集』(同)などがある。

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