【イベント概要】

新進気鋭の建築史学者、海野聡氏をお招きしてイベントを開催します。

海野氏の専門は日本および東アジアの古建築。遺跡の復元にも携わり、昨年刊行した『古建築を復元する』（吉川弘文館）では、発掘遺構や遺物に止まらず、現存する古代建築や絵画資料などを組み合わせることで、かつての建物の姿を考える「復元学」の魅力を紹介されています。同書は第5回古代歴史文化賞を受賞しています。
今年7月には『建物が語る日本の歴史』（吉川弘文館）を刊行。各時代の建物の声に耳を傾けることで日本の歴史を紐解きます。東大寺大仏殿・平等院鳳凰堂・安土城・鹿鳴館などの有名建築にとどまらず、縄文の原始住居から明治の西洋建築まで、幅広い対象を扱っています。

このたびゲンロンカフェでは、海野氏をお招きし、同書の刊行記念イベントを開催。対談の相手を務めるのは、建築史・建築批評の第一人者である五十嵐太郎氏。建築を批評的な観点で見る論考が多く、『日本建築入門』（ちくま新書）では近代日本建築に通底する「日本という国への意識」について鋭く考察されています。

現在都内では「建築の日本展」も開催中（海野氏は、日本建築における屋根の特性に関する解説などの協力をされています）。東京五輪を控え、「建築にとって日本とはなにか」があらためて問い直されているいま、もっともアクチュアルな組み合わせによる刺激的なイベントです。

建築に興味がある方も、歴史がお好きな方も必見！

【登壇者より】

建物は権力や人々の信仰心の強さを語る代弁者です。
ただし建築史では建物の技術的な変遷や構造を中心に語られることが多く、一般の方には馴染みにくい一面があったことは否めません。
そこで新著『建物が語る日本の歴史』では、社会を映し出す鏡として建物をとらえ、歴史を読み解いてみました。
段差や天井による身分差の表現、大寺院の建築を通した権力の誇示、民衆の信仰心に訴える華美な装飾…さまざまな仕掛けが建物には施されています。
そして新造だけではなく、東大寺・興福寺・延暦寺などの大寺院の復興の裏にも大きな意図がありました。
対談してくださる五十嵐太郎さんは建築評論の第一人者。楽しみにしています。
（海野聡）

 
海野聡さんからプレゼンデータが届きました！ 一部抜粋してご紹介させていただきます！

【イベント後記】

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