ゲンロン 大森望 SF創作講座 第4期#3第3回

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〈ゲンロン 大森望 SF創作講座〉の講評会の模様を無料生中継します。放送開始は22:00を予定しています。
タイムシフトは公開しませんので、あらかじめご了承ください。

【実作課題】

読んでいて“あつい”と感じるお話を書いてください

前に出した課題って、割とコンセプトぽかったので、今回の課題は描写と設定です。
 夏だし。とにかく、“あつい”お話。これは、“暑い”でも“熱い”でも構いません。スポ根みたいに、“もりあがってあつくなってる”でもいいし、キャラクターの性格設定があつくるしいでもOKです。
 もっとも、梗概ではそんなに詳しい描写はできないでしょうから、「これは書いたらあつくなりそう」な設定を考えてね。単純に熱帯地方のお話でもいいし、ひたすら気温が高い惑星のお話でもいいし、溶鉱炉みたいなものを舞台にしてもいいし、性格設定があついんならそんなキャラが出てきそうな設定。
 会場はエアコンきいてると思いますので、どんなに“あつく”しても大丈夫。楽しみにしております。

(新井素子)

 

【梗概課題】

強く正しいヒーロー、あるいはヒロインの物語を書いてください

ヒーロー、あるいはヒロインの物語を書いてください。
 「肌に色のついたベムにさらわれた美女を、銀色のロケットに乗って助けに行く白人男性」という意味ではありません(それで人を楽しませることができると思うなら挑戦してみてもいいですが、オススメはしません)。

 読めば必ず心が動いてしまう小説で「正しさ」について書こうとすれば、無限にバリエーションのある悪や、誰でも共感できる怠惰、賢く見せることのできる諦念や、善悪を相対化する両論併記よりもずっと難しいことに気づくことでしょう。

 ディーン・R・クーンツの『ベストセラー小説の書き方』の29ページ目から、一文を引用します。

悪人の行動パターンには、無限の可能性があり、どんなことでもできるのにひきかえ、
理想的なヒーローの方はといえば、読者の尊敬と同情を一身に受けるべく行動しなければ
ならず、自ずとその行動も限られてくる。

 そんなわけで、難しいこのテーマに挑んでいただきます。
 正しさ、強さの意味は時代とともに変わりますし、それぞれの立場に正しさがあります。小説にはそれを伝え、読者の心を動かすことができます。

 あなたたちが何を正しいと思うのか、強いと思うのか。それを物語にしてください。それが一般的なものであればあるほど、物語に仕立て上げるハードルは高くなりますが、ぜひその困難に挑戦してください。

(藤井太洋)

 

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藤井太洋 Taiyo Fujii

1971年、奄美大島生まれ。 国際基督教大学中退。舞台美術、DTP制作、展示グラフィックディレクターなどを経て、2013年までソフトウェア開発・販売を主に行う企業に勤務。2012年、電子書籍個人出版「Gene Mapper」を発表し、作家として一躍注目を浴びる。同年12月短篇小説「コラボレーション」「UNDER GROUND MARKET」の2作で商業誌デビューし、2013年4月に、「Gene Mapper」の増補完全版『Gene Mapper -full build-』(ハヤカワ文庫JA)を刊行。『オービタル・クラウド』(早川書房)で、第35回日本SF大賞、第46回星雲賞(日本部門)を受賞。日本SF作家クラブの第18代会長(2015年~2018年)を務める。

大森望 Nozomi Ohmori

1961年高知生まれ。書評家・SF翻訳家・SFアンソロジスト。〈ゲンロン 大森望 SF創作講座〉主任講師。著書に『21世紀SF1000』、『新編・SF翻訳講座』、《文学賞メッタ斬り!》シリーズ(豊崎由美と共著)、《読むのが怖い!》シリーズ(北上次郎と共著)など。アンソロジーに《NOVA 書き下ろし日本SFコレクション》《不思議の扉》の各シリーズのほか、『星雲賞SF短編傑作選 てのひらの宇宙』など。訳書にコニー・ウィリス『ブラックアウト』『オール・クリア』など多数。2013年には『NOVA』が第34回日本SF大賞特別賞を受賞。

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放送開始
2019/08/22 22:00
タイムシフト視聴終了
2019/08/22 23:59