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【イベント概要】
現実が悪夢に近づいていくなか、虚構はどのようにそれに対応したのか?
いわゆる「ディストピアもの」に注目して論じたのが、今年発売された円堂都司昭の新著『ディストピア・フィクション論』だ。
本書は、『すばらしい新世界』や『動物農場』といった古典から、『ハーモニー』『カエルの楽園』などの近年の作品まで、ディストピア・フィクションの系譜を丹念にたどりながら読み解いている。
本イベントでは『ケータイ小説的。』で郊外ヤンキーの文化を解き明かし、『東京β』でフィクションを通して都市の変化を論じてきた速水健朗とともに、技術革新がもたらす新たなテクノロジーと都市のかかわり、IoTの伸展による監視社会化のリスクなど、より広い視点でわたしたちの「これまで」と「これから」を語る。
【登壇者より】
昔なら役職を辞することになったはずのマイノリティへの差別的な放言が、さして咎められることなく放置される。嘘や誤魔化しがまかり通り、統計データも真実を示していない。そこでは、合理的な判断より強い者への忖度が優先される。でなければ、自身の居場所が得られないと感じながら。そんなブラックな同調圧力が、国の上層部からメディア、民間企業など広く観察できる。集団の同質性のために和を乱さないことが求められる一方、排外的な気分が高まる。それは日本だけの現象ではない。
こうした現状において、人々への統制が強まったor失われたディストピアをテーマとする作品が、従来以上に注目されるようになった。そこで『ディストピア・フィクション論 悪夢の現実と対峙する想像力』(作品社)では、ディストピアを題材とした小説や映画などの古典と近年の作品群をとりあげたのに加え、ディストピアものと関連がみられる他の社会性・政治性を帯びた表現もあわせて論じた。
今回の対談相手である速水健朗氏は、「ゲンロン」で「独立国家論」を連載中であるほか、東京や団地などを考察対象とし、人々の集団がどのように形成されているかをみつめてきた論客だ。この世界でブラックな状況が、なぜ、どのようにできあがってしまうのか。ディストピア・フィクションにあらかじめ描かれた悪夢を通して、速水氏と話してみたい。
(円堂都司昭)
当日言及予定の作品(の一部)
・ジョージ・オーウェル『一九八四年』
・桐野夏生『ハピネス』
・新海誠『天気の子』
・百田尚樹『カエルの楽園』
・古市憲寿『平成くん、さようなら』
・『トイ・ストーリー』シリーズ
円堂都司昭『ディストピア・フィクション論』(作品社)
当日のtweetのまとめはこちら!
円堂都司昭 Toshiaki Endo
1963年千葉県生まれ。文芸・音楽評論家。著書に『エンタメ小説進化論 “今”が読める作品案内』(講談社)、『ディズニーの隣の風景 オンステージ化する日本』(原書房)、『ソーシャル化する音楽 「聴取」から「遊び」へ』(青土社)、『戦後サブカル年代記 日本人が愛した「終末」と「再生」』(青土社)など。
速水健朗 Kenro Hayamizu
フリーランス編集者・ライター。1973年生。主な分野は、文化全般、本や都市、メディア史など。近著『1973年に生まれて 団塊ジュニア世代の半世紀』ほか、『ケータイ小説的。——“再ヤンキー化”時代の少女たち』(原書房)、『ラーメンと愛国』(講談社現代新書)、『1995年』(ちくま新書)、『フード左翼とフード右翼』(朝日新書)、『東京β』(筑摩書房)、『東京どこに住む?』(朝日新書)など。
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