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【梗概課題】
「生まれ育った場所を離れる話」
受講生の皆さんには、生まれ育った場所を離れる方法について書いていただきます。
生まれ育った場所を地球に据えてロケットを飛ばす話にしても、コミュニティから逃げていく話にしても、この宇宙と訣別する方法についても構いません。主題を置く場所も、自分で決めてください。出発地点でもゴールでも、手段でも、そして離れる理由であっても構いません。
元いた場所と向かう場所、手段、動機、世界についての語りが「動く」という主体的な行動と噛み合った時、あなたの作品は人の心も動かすことができるでしょう。
SFならではの発想の飛躍を期待します。(藤井太洋)
【実作課題】
「最小限の嘘で最大限の効果を」
「二人殺したら死ぬ世界で連続殺人は可能か」は特殊設定ミステリの話題作(『楽園は探偵の不在なり』)。これを「二人を殺したら死ぬ世界だとしたら、ああなってこうなって世界が滅ぶ」にするとSFになりそうですよね。「もしファンタジー世界にじゃがいもがあったら」を突きつめてもよさそう。一つの設定、一つの仮定、一つの嘘からはじまり、ドミノ倒し的に影響が膨れ上がる話を考えてみてほしいのです。
本筋は、そして今回課題としたいのは「ドミノ倒しのロジック」なのですが、「最小限の嘘」がおもしろいとたぶん採用率が上がります。それはつまり「帯が強くなる」ってことなんです。(宮内悠介)
藤井太洋 Taiyo Fujii
1971年、奄美大島生まれ。 国際基督教大学中退。舞台美術、DTP制作、展示グラフィックディレクターなどを経て、2013年までソフトウェア開発・販売を主に行う企業に勤務。2012年、電子書籍個人出版「Gene Mapper」を発表し、作家として一躍注目を浴びる。同年12月短篇小説「コラボレーション」「UNDER GROUND MARKET」の2作で商業誌デビューし、2013年4月に、「Gene Mapper」の増補完全版『Gene Mapper -full build-』(ハヤカワ文庫JA)を刊行。『オービタル・クラウド』(早川書房)で、第35回日本SF大賞、第46回星雲賞(日本部門)を受賞。日本SF作家クラブの第18代会長(2015年~2018年)を務める。
田中玲遠(集英社) Leon Tanaka
1997年生まれ。集英社小説すばる編集部所属。
大森望 Nozomi Ohmori
1961年高知生まれ。書評家・SF翻訳家・SFアンソロジスト。〈ゲンロン 大森望 SF創作講座〉主任講師。著書に『21世紀SF1000』、『新編・SF翻訳講座』、《文学賞メッタ斬り!》シリーズ(豊崎由美と共著)、《読むのが怖い!》シリーズ(北上次郎と共著)など。アンソロジーに《NOVA 書き下ろし日本SFコレクション》、《不思議の扉》の各シリーズのほか、『星雲賞SF短編傑作選 てのひらの宇宙』など。訳書にコニー・ウィリス『ブラックアウト』『オール・クリア』など多数。2013年には『NOVA』が第34回日本SF大賞特別賞を受賞。