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【イベント概要】
陰謀論がひろがっている。
ことアメリカにおいては、2021年1月の連邦議会議事堂襲撃事件も記憶に新しく、同年行われた世論調査では、あわせて16%の市民が「Qアノン」の主張について「完全に同意する」「ほぼ同意する」と答えたという。日本もまた例外ではなく、SNSでもかんたんに見かけることもできるし、2022年4月にワクチン接種会場への不法侵入という刑事事件も発生した。このとき逮捕された4人は「Qアノン」が日本に派生した組織という反ワクチン団体「神真都(やまと)Q会」のメンバーだとみられている。
この陰謀論集団「Qアノン」の取材を続けてきたのが朝日新聞記者・藤原学思さん。その内容をまとめたルポルタージュ『Qを追う』(朝日新聞出版)が2022年9月末に刊行された。本書の中で、藤原さんは大元となる「Q」の正体を追いかけるとともに、Qアノンを信じる人たちとそうでない人たちの果てしない距離こそあれ、しかし地続きではあるという実情、そして同じ社会に暮らしているという現実の中で、自分になにができるのかを模索されている。
おなじく陰謀論に関する取材に積極的に取り組まれているのが、ゲンロンでもおなじみ、ノンフィクションライターの石戸諭さん。自身のシラスチャンネル「石戸諭の<ニュース>の未来」の番組(「日本社会とファクトチェックでは消えない陰謀論〜もっとも広がった陰謀言説から見る危機と現実〜」)などにおいても、陰謀論はある種の依存症ではないか、ともお話しされているが、その真意はどこにあるのだろうか。
おふたりの取材を通して見えてきたこと、「事実」をめぐる報道のありかた、そしてわたしたちの隣人でもある「陰謀論を信じる人たち」の心理や付き合い方を考えたい。
※ 放送のみ(会場は無観客)のイベントです。
藤原学思『Qを追う』(朝日新聞出版)
藤原学思 Gakushi Fujiwara
1986年生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。慶應義塾大学大学院法学研究科修了。主にプロパガンダを研究。2010年、朝日新聞入社。札幌、岡山、京都で計4年間、事件記者。5年間在籍した東京社会部では、東京地検特捜部など主に検察を担当した。19年4月からニューヨーク特派員。著書に『Qを追う 陰謀論集団の正体』(朝日新聞出版)、共著に『分極社会アメリカ 2020年米国大統領選を追って』(朝日新書)。22年9月まで3年半、米国社会や国連の取材を担い、現在は国際報道部記者。
石戸諭 Satoru Ishido
1984年、東京都生まれ。ノンフィクションライター。立命館大学法学部卒業。2006年、毎日新聞社に入社。2016年、BuzzFeed Japanに移籍。2018年、独立してフリーランスのライターに。2020年、「ニューズウィーク日本版」の特集「百田尚樹現象」で第26回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞作品賞、2021年、「文藝春秋」掲載のレポート「『自粛警察』の正体」で第1回PEPジャーナリズム大賞を受賞。週刊誌から文芸誌、インターネットまで多彩なメディアヘの寄稿に加え、テレビ出演など幅広く活躍中。著書に、『リスクと生きる、死者と生きる』(亜紀書房)、『ルポ 百田尚樹現象 愛国ポピュリズムの現在地』(小学館)、『ニュースの未来』(光文社新書)、『視えない線を歩く』(講談社)、『東京ルポルタージュ』(毎日新聞出版)。