ゼロから学ぶアケメネス朝ペルシア──「帝国」とはなにか

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本イベントは、ゲンロンカフェでの会場観覧、またはシラス・ニコニコ生放送のゲンロン完全中継チャンネルからインターネット配信でご覧いただけます。
放送開始から4時間30分を超えてイベントが続いた場合、ニコ生では配信を終了しますが、シラスでは有料で延長配信をおこないます。
シラスのシステム上、延長部分のみの購入はできません。延長部分のご視聴をされたい方は、あらかじめシラスで番組本編をご購入ください。

 

【イベント概要】

帝国は紀元前からあった。

紀元前6世紀半ばに誕生したアケメネス朝ペルシアは、史上初の世界帝国として知られる。エジプト侵攻やギリシャとの戦争などをくり返し、アジア・アフリカ・ヨーロッパの三大陸にまたがる広大な領土を実現した。

この大帝国については、ヘロドトスをはじめ、同時代のギリシア人が豊かな歴史叙述を残している。しかし1970年代後半以降、そのような帝国像は「ギリシア中心史観」として修正され始めている。そもそも「アケメネス朝」という表記もギリシア語で、ペルシア語だと「ハカーマニシュ朝」になる。

本講座では、そんな最新研究について、京都府立大学文学部准教授の阿部拓児氏に講義をいただく。聞き手を務めるのは、阿部氏が2021年9月に刊行した『アケメネス朝ペルシア』(中公新書)を、現代の国際情勢に照らしてたいへん興味深く読んだという東浩紀。

世界帝国の出現は、ギリシアの都市国家に大きな影響を与えた。ギリシアの政治思想、とりわけ民主政をめぐる言説は、対抗相手としての帝国の存在を考慮しないと理解できない。そしてその認識はそのまま後世の歴史観の基礎となった。それは裏返せば、ペルシアが、あくまでもギリシアの視点からのみ論じられてきたことを意味する。ペルシア王をめぐる残酷な伝説は後世の作家に大きな影響を与えているが、そこにも独特の「オリエンタリズム」が投射されている。帝国と民主政との対比、悪魔化される帝国という構図は、現代世界に通じるものでもある。

とはいうものの、東は古代史はさっぱりわからないので、講座では基礎の基礎からアケメネス朝ペルシアについて教えていただく予定だ。東は楔形文字にも興味津々。世界史がさっぱりわからないという人も、おれはペルシアには一家言あるという人も、ぜひ奮ってご参加を!

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阿部拓児『アケメネス朝ペルシア──史上初の世界帝国』(中公新書)

東浩紀 Hiroki Azuma

1971年東京生まれ。批評家・作家。東京大学大学院博士課程修了。博士(学術)。株式会社ゲンロン創業者。著書に『存在論的、郵便的』(第21回サントリー学芸賞)、『動物化するポストモダン』、『クォンタム・ファミリーズ』(第23回三島由紀夫賞)、『一般意志2.0』、『弱いつながり』(紀伊國屋じんぶん大賞2015)、『観光客の哲学』(第71回毎日出版文化賞)、『ゲンロン戦記』、『訂正可能性の哲学』など。

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