ゲンロン 大森望 SF創作講座 第9期#8授業 8

「ゲンロン 大森望 SF創作講座」の授業です。担当講師は藤井太洋先生と小浜徹也先生と大森望先生です。

【スケジュール】

1限 19:00-20:00:講義

2限 20:10-22:10:梗概講評会

3限 22:20-23:20:実作講評会

【第8課題】

「『魔法使いの弟子』を描いてください」

 みなさんは「魔法使いの弟子」という言葉をご存知ですか? 若い魔法使いの弟子が留守中の魔法使いの真似をして呪文を唱えてほうきをに水汲みをさせますが、止め方を知らずに洪水を引き起こすという、ゲーテの物語のタイトルであり、物語の類型の一つです。
 未熟なものが力を制御できないという構造は、技術エンターテインメントにもなれば、責任について問う物語を紡ぐことができます。行きすぎた発展に警鐘を鳴らす文明批評にもなれば、成長した主人公がついに技術をものする成長物語も書けるでしょう。
 当たり前すぎて、それが「型」だったことに驚くかもしれないし、今まで書いてきた作品の多くが「魔法使いの弟子」だったことに気づくかもしれません。
 だからここで意識してください。SFでは洋の東西を問わず、無数の作品がこの類型を下敷きにしていますが、みなさんには、自覚的に挑戦してもらいます。マイケル・クライトンを超えてもいいし、この型を壊しても構いません。「魔法使いの弟子」をとっかかりに生まれる面白い物語を期待しています。
(藤井太洋)

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ゲンロン 大森望 SF創作講座
SF創作講座2025課題 – 超・SF作家育成サイト

藤井太洋 Taiyo Fujii

1971年、奄美大島生まれ。 国際基督教大学中退。舞台美術、DTP制作、展示グラフィックディレクターなどを経て、2013年までソフトウェア開発・販売を主に行う企業に勤務。2012年、電子書籍個人出版「Gene Mapper」を発表し、作家として一躍注目を浴びる。同年12月短篇小説「コラボレーション」「UNDER GROUND MARKET」の2作で商業誌デビューし、2013年4月に、「Gene Mapper」の増補完全版『Gene Mapper -full build-』(ハヤカワ文庫JA)を刊行。『オービタル・クラウド』(早川書房)で、第35回日本SF大賞、第46回星雲賞(日本部門)を受賞。日本SF作家クラブの第18代会長(2015年~2018年)を務める。

小浜徹也 Tetsuya Kohama

1962年、徳島県生まれ。京都大学SF研究会OB。1986年に東京創元社へ入社し、編集者として一貫してSFを担当。近年の担当書籍は、松崎有理、宮内悠介、酉島伝法、高山羽根子など創元SF短編賞出身者の作品、中村融のテーマSFアンソロジーや、2016年に始めた創元SF文庫の新版・新訳版シリーズ〈SFマスターピース〉など。ウンベルト・エーコと島崎博の来日イベントの司会をつとめたことが生涯の自慢。2000年に柴野拓美賞を受賞。

大森望 Nozomi Ohmori

1961年高知生まれ。書評家・SF翻訳家・SFアンソロジスト。〈ゲンロン 大森望 SF創作講座〉主任講師。著書に『21世紀SF1000』、『新編・SF翻訳講座』、《文学賞メッタ斬り!》シリーズ(豊崎由美と共著)、《読むのが怖い!》シリーズ(北上次郎と共著)など。アンソロジーに《NOVA 書き下ろし日本SFコレクション》《不思議の扉》の各シリーズのほか、『星雲賞SF短編傑作選 てのひらの宇宙』など。訳書にコニー・ウィリス『ブラックアウト』『オール・クリア』など多数。2013年には『NOVA』が第34回日本SF大賞特別賞を受賞。