ゲンロン ひらめき☆マンガ教室#1導入

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マンガは終わる/そしてここから始まる

近年、マンガの状況は大きく変化していると言われます。出版業界の不振、ネット発マンガの盛況、デジタル制作の多数化、読者の好みの変化などによって、マンガ業界は大きな変革を迫られているとされて久しいです。

誰もがそれを肌身に感じています。マンガの世界は、従来と断絶してしまった。かつてのマンガ作りのノウハウは必ずしも通用しなくなり、マンガジャンルのファンたちが皆こぞって読む作品というのも減りました。このままでは、僕たちはマンガについて、ジャンル全体として考えることができなくなってしまうのではないだろうか。そういう時代は、もう終わってしまうのか。

こうした中では、新たにマンガ作法を学び、マンガ家になろうとするのも難しい。またマンガジャンルを愛し、支え、語ってくれる読者たちも減っていくかもしれません。

しかし、にもかかわらず作家、編集者、出版社、あるいはひょっとしたら読者も、マンガというジャンルの今と昔で何が変わったのか、その全体を誰もはっきりと説明できないように思えます。マンガの創作法を教える書籍や講座は変わらずたくさんあります。それでも結局のところ、作家は何をどのように描いたらいいのかわからないし、他の作家がどんな技術を駆使して作品を作っているのかもわからなくなった。また読者も、他の人がどんな作品を読んでいるのか知らないし、どんな作品が人気かもよくわからない。そういう時代です。

そこで僕たちは、いま改めてマンガについて共に学べる場所を作ろうと思います。優れた作品を送り出し続けている第一線のマンガ家たちに教えを乞い、今この時代に彼らが何を考えて作品を手がけているのか、どんなテクニックがあり、どんな葛藤があるのかを聞く真剣な場所です。その知識を継承し、訪れる皆で「マンガ力」を高め、将来のマンガへとつなげたいのです。それは、この時代にマンガ家になろうとする人にとって、必ず貴重な経験になり、また大きな武器となるでしょう。

この講座は破格のものだと思います。前代未聞の試みであります。しかしこの場所で、僕たちは今、どんなふうにマンガが描かれるか、生み出されるかについて考えたい。あなたに、その時代を共に生きるマンガ家になってほしい。もちろん、そのマンガを愛する読者であってほしい。

そんなマンガの未来を、僕たちと一緒に作ってほしい。

どうか。

西島大介・さやわか

 

 

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ゲンロン ひらめき☆マンガ教室 – ゲンロンスクール

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西島大介 Daisuke Nishijima

1974年東京生まれ。〈ゲンロン ひらめき☆マンガ教室〉主任講師。2004年に書き下ろし長編コミック『凹村戦争』(早川書房)で漫画家デビュー。同作は平成16年度第8回文化庁メディア芸術祭審査員推薦作品となり、またこの年に星雲賞アート部門を受賞。代表作に『世界の終わりの魔法使い』(河出書房新社)『すべてがちょっとずつ優しい世界』(講談社)など。IKKI休刊により未完となった『ディエンビエンフー』が2017年1月より「月刊アクション」(双葉社)に移籍、『ディエンビエンフー TRUE END』として連載再開。1月より月刊ペースで旧I版の復刊も開始される。イラストレーター、アートディレクターとして装幀画やCDジャケットを数多く手掛け、「DJ まほうつかい」名義での音楽活動やアーティストとしての個展も開催する。

さやわか Sayawaka

1974年生まれ。ライター、物語評論家、マンガ原作者。〈ゲンロン ひらめき☆マンガ教室〉主任講師。『クイック・ジャパン』『ユリイカ』などで執筆。『AERA』『ダヴィンチ』他で連載中。『月刊ビッグガンガン』に連載中の『キューティーミューティー』の原作を担当。著書に『僕たちのゲーム史』、『一〇年代文化論』(星海社新書)、『AKB商法とは何だったのか』(大洋図書)、『キャラの思考法』(青土社)がある。近著に『文学の読み方』(星海社新書)、『文学としてのドラゴンクエスト』(コア新書)など。