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友の会会員限定最前列席 前売券2,600円
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※本イベントの開始時刻は19:30です。通常のイベントと異なりますのでご注意ください。
【イベント概要】
越後妻有の「大地の芸術祭」や、横浜トリエンナーレなど、日本各地で展開され注目を集める「地域アート」。
しかしその実態とはどのようなもので、日本の美術史においていかなる意義があり、どんな課題に直面しているのかは、いまだ十分に語られていない。
今年3月に刊行された『地域アート』(堀之内出版)は、会田誠や田中功起といった美術家から星野太や加治屋健司等の研究者まで多様な寄稿者を迎え、「地域アート」の実際に迫っている。
本イベントでは、ゲンロンで「新芸術校」を運営する東浩紀が、編著者で批評家の藤田直哉、「エステティック・コンディション」(『地域アート』所収)で、藤田とともにアートと政治/制度について語った美術作家の藤井光を迎える。この国の「地域アート」を取り巻く現状と、来たるべき未来の姿とは。
【登壇者より】
瀬戸内国際芸術祭には、100万人近くの来場者があったと言われている。日本の各地で、地域名を関した芸術のイベント「地域アート」が盛んだ。
しかし、そこには問題が存在する。芸術は――いや、全ての表現は、ぼくらの「感性・認識」を構成する。それは、ある政治的な方向性に人々を誘導する装置にも使えるし、それに対する抵抗にも使えるのだ。「芸術」は、「地域」に関わること、そして助成金などの公的な資金に頼ることで、首根っこを捕まえられたような状態である。「美」という表面の快楽の背景に、熾烈な闘争が隠されている。「この世界をどのようなものとして感じ、認識させるか」「別の世界への想像力をどう作り出すか」などの苛烈な闘争が起こっている。
そこには、権力からの圧力や検閲すら作動している。『地域アート』は、「美学」のみならず、それに影響を与える「制度」の具体的な作動に注目した本でもあった。今回のトークショーでは、「権力の作動」について、作品を制作をする上で様々な「規制」に直面してきた藤井光氏——『地域アート』でも権力の作動を語ってくれた――と、「炎上」などの「下からの検閲」とも戦い、公共や巨大資本のお金に頼らない自律した言説の領域を確保しようとしてきた東浩紀氏と、『地域アート』編者である藤田直哉との三人で、「地域アート」を含む現代日本の芸術が、同時代の日本の課題を背負い、検閲や圧力などと戦いながら、「自由」「解放」「別の在り方」を想起させるという、「新しい美学」の中に巻き込まれている状況について、同じ表現者として共闘の方法を探ることになるだろう。
ことは「美術」の話だけに留まらない。報道規制、あるいはオタク・カルチャーへの弾圧など、様々な現代日本の問題を潜在的に含んでいる。ここでは「美術」の話をすることになるが、それは同時に、現代日本の表現を巡る危機的な状態に対する「抵抗」の、ひとつのモデルを提供することになるはずだ。(藤田直哉)
【イベント後記】
当日のtweetのまとめはこちら!
藤井光 Hikaru Fujii
1976年東京都生まれ。美術家・映画監督。芸術は社会と歴史と密接に関わりを持って生成されていることに基づき、既存の制度や枠組みに対する問いを実証的に検証する作品を制作している。パリ第8大学美学・芸術第三期博士課程DEA卒業。近年では、『爆撃の記録』(東京都現代美術館「MOTアニュアル2016 キセイノセイキ」展)、『帝国の教育制度』(森美術館「六本木クロッシング2016」展)を発表。監督作品に『ASAHIZA人間は、どこへ行く』(ASAHIZA製作委員会、2013年)、『プロジェクトFUKUSHIMA!』 (PROJECTFUKUSHIMA製作委員会、2012年)がある。
藤田直哉 Naoya Fujita
1983年札幌生まれ。批評家、日本映画大学准教授。早稲田大学第一文学部卒業。東京工業大学大学院博士課程修了。博士(学術)。著書に『現代ネット政治=文化論』、『新海誠論』、『攻殻機動隊論』、『シン・ゴジラ論』、『虚構内存在──筒井康隆と〈新しい《生》の次元〉』(いずれも作品社)、『ゲームが教える世界の論点』(集英社新書)、『シン・エヴァンゲリオン論』(河出新書)、『娯楽としての炎上』(南雲堂)、『新世紀ゾンビ論』(筑摩書房)、共編著に『東日本大震災後文学論』(南雲堂)、『地域アート──美学/制度/日本』(堀之内出版)など。
東浩紀 Hiroki Azuma
1971年東京生まれ。批評家・作家。東京大学大学院博士課程修了。博士(学術)。株式会社ゲンロン創業者。著書に『存在論的、郵便的』(第21回サントリー学芸賞)、『動物化するポストモダン』、『クォンタム・ファミリーズ』(第23回三島由紀夫賞)、『一般意志2.0』、『弱いつながり』(紀伊國屋じんぶん大賞2015)、『観光客の哲学』(第71回毎日出版文化賞)、『ゲンロン戦記』、『訂正可能性の哲学』など。
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