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〈ゲンロン ひらめき☆マンガ教室〉の講義を生中継します。
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【ネーム課題】
「漫画性、漫画っぽさ」というテーマで課題を出して欲しいと依頼があり正直頭を抱えました。何をもって漫画とするか。
単純に「漫画っぽさ」を課題にすると、既存の漫画表現に即しているかの「あるある」が評価になってしまう気がしました。
他の媒体と比べて漫画の独自性を考えると「動かない絵と聴こえない音」という表現手法だけで何十年もサスペンドしたまま娯楽性を認められているものとしか僕には思い当たりませんでした。
これでは従来の手法の中で自由に描いて下さいとしか言えません。
そこで雑に考えることにしました。
世間には「漫画じゃないんだから」と一笑に付される例えがあります。それこそが漫画なのではないかと。
現実が世知辛く複雑で理不尽だからこそ、フィクション(非現実的)でありつつベタ(通俗的)なものが存在していられるのかなと。
それを言ったら漫画に限らないんですけど、「映画」よりも「アニメ」よりも「ゲーム」よりも「漫画じゃないんだから」という言葉がやはり一番しっくりきます。
というわけで、「ないわー。でも漫画だし」で許されるものを描いてみて下さい。
絵の表現でもオチでも途中でも構いませんが、心掛けて欲しいのは「作中の世界や登場人物の中ではこれはあり得ない設定」でなく「意味はわかるけど現実では反則的」ということです。
【実作課題】
人でも物でも景色でも、なんでもいいので引き込まれる「出会い」を描いてください。
進展やオチは、あってもなくてもどちらでもいいです。「出会い」そのものがオチでも構いません。
16p以内という短い制限のなかですので、「出会い」が起床転結のどこにきていてもかまいませんし、起承転結のどこかだけでもかまいません。
綺麗に16pのなかで一本のストーリーが完結している必要はないです。
とにかく初見の人に「この漫画が読みたい!」と思わせる、魅力ある1シーンが見たいです。
【イベント後記】
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西島大介 Daisuke Nishijima
1974年東京生まれ。〈ゲンロン ひらめき☆マンガ教室〉ひらめき☆プロデューサー。2004年に書き下ろし長編コミック『凹村戦争』(早川書房)で漫画家デビュー。同作は平成16年度第8回文化庁メディア芸術祭審査員推薦作品となり、またこの年に星雲賞アート部門を受賞。代表作に『世界の終わりの魔法使い』(河出書房新社)『すべてがちょっとずつ優しい世界』(講談社)など。IKKI休刊により未完となった『ディエンビエンフー』が2017年1月より「月刊アクション」(双葉社)に移籍、『ディエンビエンフー TRUE END』として連載再開。イラストレーター、アートディレクターとして装幀画やCDジャケットを数多く手掛け、「DJ まほうつかい」名義での音楽活動やアーティストとしての個展も開催する。
さやわか Sayawaka
1974年生まれ。ライター、物語評論家、マンガ原作者。〈ゲンロン ひらめき☆マンガ教室〉主任講師。著書に『僕たちのゲーム史』、『文学の読み方』(いずれも星海社新書)、『キャラの思考法』、『世界を物語として生きるために』(いずれも青土社)、『名探偵コナンと平成』(コア新書)、『ゲーム雑誌ガイドブック』(三才ブックス)など。編著に『マンガ家になる!』(ゲンロン、西島大介との共編)、マンガ原作に『キューティーミューティー』、『永守くんが一途すぎて困る。』(いずれもLINEコミックス、作画・ふみふみこ)がある。「コミックブリッジ」で『ヘルマンさんかく語りき』(作画:倉田三ノ路)を連載中。