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〈ゲンロン ひらめき☆マンガ教室〉の講義を生中継します。
「講義」部分の視聴はゲンロン完全中継チャンネルの会員の方限定となります。
「完成稿講評」部分の中継は一般の方でもご視聴いただけます。こちらはタイムシフトを公開しません。あらかじめご了承ください。
【完成稿課題】
【1】
マンガに限らず、創作では「好きなことを描く」「好きなものを描く」べきだというアドバイスがされることが多いです。
たぶん、好きなものについては、作者の気持ちも乗りやすいですから、読者にも熱量の伝わりやすい作品が作れる。だから勧められるのではないでしょうか。
【2】
しかし、いざ好きなことを描こうとすると、意外と難しいものです。
たとえば、自分が好きだからこそ、自分を満足させるだけの表現力(絵においても、説明においても)がないと、いつまでも作品のできばえに納得できなかったりします。
また、自己表現になれていないと、妙に引っ込み思案になってしまって、好きなことをストレートに表現できず、せっかくの思いが読者に伝わらなかったりもします。
【3】
それでも、がんばって自分の(時に、恥ずかしいかもしれない)気持ちを伝えることは大事です。先ほど書いたように、そういうもののほうが読者の心を打つからです。
だから、ぜひあなたの、性癖や趣味が「はっきりと出てしまっている」作品を、描くことに一度チャレンジしてみてください。
【4】
先ほど書いたように、自分の技量だと、作品全体として自分を満足させるものは描けない、という人もいると思います。だったら、作品のどの部分で自分の性癖や趣味を全力で出すかを考えて、作品のいいところでうまくこだわりを活かしましょう。
また、引っ込み思案になってしまう人。ここで怖じ気づいてしまうのはマイナスでしかありませんから、思い切ってやってみてください。
(テーマ設定:古屋兎丸、課題本文:さやわか)
■
【ネーム課題】
読者に「何がどうしてどうなった」かを説明するだけならば、それは箇条書きの文章でも伝えられます。しかしせっかくマンガにするのなら、説明に演出を加えて「表現」にしましょう。
演出するのは、キャラの感情でも、その場の雰囲気でも、何でもいいです。とにかく「演出する」ということを意識して、「自分はこのシーンでは、これこれこういうことを表現したかった。そしてそのために、これこれこういう工夫をした」ということを、自分の口で説明できるようなネームをきってみてください。
(田亀源五郎)
【イベント後記】
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田亀源五郎 Gengoroh Tagame
マンガ家、ゲイ・エロティック・アーティスト。
1964年生まれ。多摩美術大学卒業後、アート・ディレクターをしつつ、1986年からゲイ雑誌「さぶ」にマンガ・イラストレーション・小説等を発表。1994年から専業作家となり、ゲイ雑誌「G-men」の企画・創刊にも協力。同誌のほか、「バディ」「薔薇族」等のゲイ雑誌や、ボーイズラブ誌、レディースコミック誌などにも作品を発表。2014年9月から「月刊アクション」にて一般向けマンガ『弟の夫』連載開始。同作にて第20回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞。代表作に『嬲り者』『銀の華』『PRIDE』『君よ知るや南の獄』『外道の家』『ウィルトゥース』『エンドレス・ゲーム』など。英語、フランス語、スペイン語、イタリア語への翻訳出版あり。
編著書に『日本のゲイ・エロティック・アート』(vol.1、vol.2)。また、パリ、ニューヨーク、ベルリンなど日本国外をメインに多数の個展やグループ展に参加している。
さやわか Sayawaka
1974年生まれ。ライター、物語評論家、マンガ原作者。〈ゲンロン ひらめき☆マンガ教室〉主任講師。著書に『僕たちのゲーム史』、『文学の読み方』(いずれも星海社新書)、『キャラの思考法』、『世界を物語として生きるために』(いずれも青土社)、『名探偵コナンと平成』(コア新書)、『ゲーム雑誌ガイドブック』(三才ブックス)など。編著に『マンガ家になる!』(ゲンロン、西島大介との共編)、マンガ原作に『キューティーミューティー』、『永守くんが一途すぎて困る。』(いずれもLINEコミックス、作画・ふみふみこ)がある。「コミックブリッジ」で『ヘルマンさんかく語りき』(作画:倉田三ノ路)を連載中。