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〈ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾〉の講義を生中継します。「講義」部分の視聴はゲンロン完全中継チャンネルの会員の方限定となります。
「講評」部分の中継は一般の方でもご視聴いただけます。「講評」部分については、タイムシフトを公開しません。あらかじめご了承ください。
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【課題】
パフォーマンス研究のダイアナ・テイラーは、〈知〉の伝達という文脈において、「アーカイヴ」を、「耐久性があると想定されている素材(たとえば、テクスト、文書、建物、骨)、また、その場で消失してしまう「レパートリー」とは、「身体化された実践/知、たとえば、話される言葉、ダンス、スポーツ、儀礼」だと定義している。「『アーカイヴ的』記憶は、文書、地図、文学テクスト、書簡、考古学的死骸、骨、ヴィデオ、フィルム、CDといった、変化に抵抗すると想定される諸アイテムとして存在する」。他方、「レパートリーは、身体化された記憶を行為化する。即ち、パフォーマンス、身ぶり、口伝え、動き、ダンス、再生産不能な知、要するに、消えてしまう再生産不能な知だと通常考えられる諸行為」である。
「アーカイヴ」と「レパートリー」という〈知〉の伝達のための形態的カテゴリーは、相互貫入的/侵犯的であり、その卑近な事例は、演劇的表象における「アーカイヴ」としての戯曲テクストと、「レパートリー」としてのパフォーマンス(演出と俳優の語りと身ぶり)である。
以上を参考にし、「動かないもの」(たとえばテクスト)としての「アーカイヴ」と、その場で消えてしまうが「動きつづける=可変的」なものとしての「レパートリー」(たとえばパフォーマンス)という記述概念を使い、芸術文化の諸領域における同時代的課題を、具体的な作家や作品、あるいは事象に必ず言及しつつ、批評的に論じてください。
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<運営による追記:今回ゲスト講師から文字数制限はありませんので、批評再生塾の基準である「2000字~8000字」を選考対象とします。>
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内野儀 Tadashi Uchino
1957年京都生れ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了(米文学)。博士(学術)。岡山大学講師、明治大学助教授、東京大学教授を経て、2017年4月より学習院女子大学教授。専門は表象文化論(日米現代演劇)。著書に『メロドラマの逆襲——〈私演劇〉の80年代』(勁草書房、1996年)、『メロドラマからパフォーマンスへ——20世紀アメリカ演劇論』(東京大学出版会、2001年)、”Crucible Bodies: Postwar Japanese Performance from Brecht to the New Millennium” (Seagull Press, 2009)、『「J演劇」の場所——トランスナショナルな移動性(モビリティ)へ』(東京大学出版会, 2016年)ほか。公益財団法人セゾン文化財団評議員、アーツカウンシル東京ボード委員、公益財団法人神奈川芸術文化財団理事、福岡アジア文化賞選考委員(芸術・文化賞)、ZUNI Icosahedron Artistic Advisory Committee委員(香港)。
佐々木敦 Atsushi Sasaki
撮影=新津保建秀
1964年生まれ。思考家/批評家/文筆家。音楽レーベルHEADZ主宰。映画美学校言語表現コース「ことばの学校」主任講師。芸術文化のさまざまな分野で活動。著書に『成熟の喪失』(朝日新書)、『「教授」と呼ばれた男』(筑摩書房)、『増補新版 ニッポンの思想』(ちくま文庫)、『増補・決定版 ニッポンの音楽』(扶桑社文庫)、『ニッポンの文学』(講談社現代新書)、『未知との遭遇【完全版】』(星海社新書)、『批評王』(工作舎)、『新しい小説のために』『それを小説と呼ぶ』(いずれも講談社)、『あなたは今、この文章を読んでいる。』(慶應義塾大学出版会)、小説『半睡』(書肆侃侃房)など多数。