「ゲンロン 大森望 SF創作講座」の授業です。担当講師は新井素子先生、伊藤靖先生、大森望先生です。
【スケジュール】
1限 19:00-20:00:講義
2限 20:10-22:10:梗概講評会
3限 22:20-23:20:実作講評会
【梗概講評会】
「変なペットが出てくるお話を作ってみてください」
最近、本屋さんで、猫がでてくるお話、よく見ませんか? あと、犬も。これだけその手の本があるということは、需要、あるんでしょうねえ。
そこで。猫でも犬でもない、ペットがでてくるお話を作ってみてください。それも、普通にはペットにできないであろうものを。(ですので、小鳥やハムスターやうさぎや熱帯魚なんかは、パス。昆虫でも、クワガタみたいな、普通に飼育しているひとがいるものもパス。蜜蜂や蚕のように飼育のノウハウがあるものもパス。)
グンタイアリとかヤマビルとか、哺乳類ならキリンとかサイとか(これを日本国内の一般家庭で日常生活を送りながら普通に飼えている描写があったら、それだけで絶賛しそうだ私)、SFの講座ってことを考えれば、ありがちだけど地球外生物とか、UMAとか。あとは、一般的に考えられている生物ではないもの、ですね。人形やぬいぐるみは、そもそも擬人化がとてもしやすいので、これもパス。窓ガラスとか屑籠とかビール瓶とか、擬人化しにくいものをペットにしてください。
この課題で私がみなさまに描いて欲しいのは
☆ そもそも何でこんなものをペットにしているのだ? という疑問を、まず読者に与え
☆ のちに、そのペットを、「おお、確かにペットである」と納得させてください。
がんばってください。
(新井素子)
ゲンロン 大森望 SF創作講座 – ゲンロンスクール
SF創作講座2023課題 – 超・SF作家育成サイト
ゲンロン 大森望 SF創作講座 – Facebook
新井素子 Motoko Arai
写真提供=新潮社
1960年、東京生まれ。立教大学文学部卒。高校時代に書いた「あたしの中の…」が第1回奇想天外SF新人賞佳作に入選し、デビュー。1981年の『グリーン・レクイエム』(講談社)、1982年の『ネプチューン』で2年連続で星雲賞を受賞。1999年、『チグリスとユーフラテス』(集英社)で日本SF大賞を受賞した。『……絶句』(早川書房)、『ひとめあなたに…』(東京創元社)、『おしまいの日』(中央公論新社)、『未来へ……』(角川春樹事務所)など著書多数。
伊藤靖(河出書房新社) Yasushi Ito
大森望 Nozomi Ohmori
1961年高知生まれ。書評家・SF翻訳家・SFアンソロジスト。〈ゲンロン 大森望 SF創作講座〉主任講師。著書に『21世紀SF1000』、『新編・SF翻訳講座』、《文学賞メッタ斬り!》シリーズ(豊崎由美と共著)、《読むのが怖い!》シリーズ(北上次郎と共著)など。アンソロジーに《NOVA 書き下ろし日本SFコレクション》、《不思議の扉》の各シリーズのほか、『星雲賞SF短編傑作選 てのひらの宇宙』など。訳書にコニー・ウィリス『ブラックアウト』『オール・クリア』など多数。2013年には『NOVA』が第34回日本SF大賞特別賞を受賞。