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一般 入場券3,000円
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学生 入場券2,500円
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友の会会員限定最前列席 入場券3,500円
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チャンネル会員無料
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一般1,485円
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チャンネル会員無料
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一般1,500円
webゲンロンにイベントのレポート記事を掲載しています。ぜひお読みください。
記事URL= https://webgenron.com/articles/article20240109_01/
【イベント概要】
全体主義や帝国主義の時代に、国民の読書や教養はどのように管理され、組織されていたのか。そして、ヒトラーやスターリンといった独裁者はどのような本を読み、国民の読書はどうあるべきだと考えていたのか──。
ゲンロンカフェでは、ロシア史研究者の池田嘉郎さん、近現代史研究者の辻田真佐憲さん、ドイツ図書館史研究者の松井健人さんをお招きし、ドイツとソ連、日本を舞台に、読書と統治をめぐる歴史について議論していただきます。
20世紀の前半、国家の新しい形を模索し、暴走した国々がありました。ヒトラーのもとにファシズムの帝国を作ろうとしたナチスドイツ、共産主義の実験国家がスターリンのもと全体主義の独裁国家へと変わっていったソ連。そして、大東亜の帝国を目指して暴走した日本も、新しい近代国家を作ろうとしていました。
そんな新しい国では、技術の革新や社会制度の整備だけでなく、人々がどのような教養を身につけるべきかも重要な関心事項となりました。そして、どの国も、言論を統制して国民に「理想の」教養を強要しようとしたのです。
このイベントでは、今年、『教養・読書・図書館──ヴァイマル・ナチス期ドイツの教養理念と民衆図書館』(晃洋書房)でナチスドイツの状況を明らかにした松井さん、明治期に形成された日本の愛国物語を再検討する『「戦前」の正体──愛国と神話の日本近現代史』(講談社現代新書)のほか『文部省の研究──「理想の日本人像」を求めた百五十年』(文春新書)などの著作もある辻田さん、そしてロシア・ソ連史研究の第一人者でシェイラ・フィッツパトリック『ソ連の歴史』(人文書院)の翻訳を出されたばかりの池田さんに、独・日・ソの状況をお話しいただきます。
今年はさらにジェフリー・ロバーツ『スターリンの図書室──独裁者または読書家の横顔』(白水社)などの独裁者の読書を扱う翻訳書も刊行されました。戦争を背景に、各国の政治思想や歴史に注目の集まった年でした。他方、ChatGPTのような、人工知能による人間の知性の代替技術もどんどん進み、われわれの生活に直接組み込まれてきました。かつての統治者たちが教養や知、そして書籍というものをどう考えていたのかを知ることは、現代の世界を考えることにつながるはずです。
教養の歴史を振り返りつつ、2023年を歴史家たちがどう総括するのか。ぜひご参加・ご視聴ください。
池田嘉郎 Yoshiro Ikeda
1971年秋田県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士(文学)。専門は近現代ロシア史研究。主著に『革命ロシアの共和国とネイション』(山川出版社、2007年)、『ロシア革命 破局の8か月』(岩波書店、2017年)。翻訳にアンドレイ・プラトーノフ『幸福なモスクワ』(白水社、2023年)、シェイラ・フィッツパトリック『ソ連の歴史』(監訳、人文書院、2023年)。
辻田真佐憲 Masanori Tsujita
1984年、大阪府生まれ。評論家・近現代史研究者。慶應義塾大学文学部卒業、同大学院文学研究科中退。政治と文化芸術の関係を主なテーマに、著述、調査、評論、レビュー、インタビューなどを幅広く手がけている。単著に『「戦前」の正体』(講談社現代新書)、『防衛省の研究』(朝日新書)、『超空気支配社会』『古関裕而の昭和史』『文部省の研究』(文春新書)、『天皇のお言葉』『大本営発表』(幻冬舎新書)、『空気の検閲』(光文社新書)、共著に『教養としての歴史問題』(東洋経済新報社)、『新プロパガンダ論』(ゲンロン)などがある。監修に『満洲帝国ビジュアル大全』(洋泉社)、『文藝春秋が見た戦争と日本人』(文藝春秋)など多数。軍事史学会正会員、日本文藝家協会会員。
松井健人 Kento Matsui
1992年、和歌山県生まれ。東洋大学文学部助教(有期)。東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。専門はドイツ図書館史・日独教養思想史。現在はドイツに加え、大正教養主義を研究中。単著に『教養・読書・図書館 ヴァイマル・ナチス期ドイツの教養理念と民衆図書館』(晃洋書房、2023年)。共著に『思想史講義【大正篇】』(ちくま新書、2022年)。論文に「偽史言説としての『西田幾多郎全集』(1947年)購入徹夜行列」『東京大学大学院教育学研究科紀要』、2023年など。