カフェに
行く
-
友の会会員限定最前列席 前売券2,600円
-
友の会会員 前売券2,100円
-
友の会会員 当日券2,600円
-
一般 前売券2,600円
-
一般 当日券3,100円
ネットで
見る
-
チャンネル会員無料
-
一般823円
【イベント概要】
かつて南相馬には世界一の無線塔があった!
通信技術が変化し、ラジオによる商業目的の情報通信が重要になっていく20世紀初頭、福島県南相馬の原町に巨大なコンクリートの塔が建てられた。
対アメリカの情報発信の拠点として磐城無線局が開設され、南相馬の原町に送信所が、富岡町に受信所が置かれたのである。
1920年に竣工した原町無線塔は高さがなんと201メートル。1958年に東京タワーができるまでは、東洋一の高さを誇る塔だったという。
関東大震災の第一報を海外に発信したのが、この塔である。
しかも、震災情報の発信は政府主導ではなく、銚子無線局と関西の無線局とのSOSのやり取りをたまたま傍受した磐城無線局の米村局長が独自の判断で行ったことだった。受信国のアメリカでは、この情報をもとに日本支援のキャンペーンが起こった。また、磐城の対米通信を傍受した北京郊外の無線局を経由し、震災情報はヨーロッパ各地へと伝えられた。
現代と変わらぬハイスピードで技術が革新されていった時代、ラジオの主流はあっという間に長波から短波に変化し、原町無線塔も1930年にわずか10年足らずでラジオ塔としての役割を終えた。とはいえ、1982年に老朽化で取り壊されるまで、塔は原町のシンボルとして存在し続けた。
この原町無線塔の記憶を甦らせ、災害時のネットワークの象徴として再定義したのが、2014年に南相馬市博物館で開催された「原町無線塔——世界をつないだ白亜の巨塔」展である。
ゲンロンカフェでは7月5日から8月2日まで、南相馬市博物館のご好意により同展示の資料をお借りし、「南相馬に日本一の塔があった——震災とネットワーク」展を開催する。同時に、南相馬市博物館学芸員の二上文彦氏、『原町無線塔物語』の著者二上英朗氏をゲストにお迎えし、ジャーナリストの津田大介と思想家の東浩紀とともに、福島の歴史と現在から日本の未来を考える。
【イベント後記】
津田大介 Daisuke Tsuda
1973年生まれ。東京都出身。早稲田大学社会科学部卒。 大阪経済大学客員教授。早稲田大学大学院政治学研究科ジャーナリズムコース非常勤講師。東京工業大学リベラルアーツセンター非常勤講師。一般社団法人インターネットユーザー協会(MIAU)代表理事。メディア、ジャーナリズム、IT・ネットサービス、コンテンツビジネス、著作権問題などを専門分野に執筆活動を行う。ソーシャルメディアを利用した新しいジャーナリズムをさまざまな形で実践。ポップカルチャーのニュースサイト「ナタリー」の創業・運営にも携わる。 世界経済フォーラム(ダボス会議)「ヤング・グローバル・リーダーズ2013」選出。主な著書に『ウェブで政治を動かす!』(朝日新書)、『動員の革命』(中公新書ラクレ)、『情報の呼吸法』(朝日出版社)、『Twitter社会論』(洋泉社新書)、『未来型サバイバル音楽論』(中公新書ラクレ)ほか。2018年11月13日に『情報戦争を生き抜く』(朝日新書)を刊行。2011年9月より週刊有料メールマガジン「メディアの現場」を配信中。
二上英朗 Hidero Futakami
1953年、福島県原町市(現・南相馬市)生まれ。法政大学(日本文学)卒。相馬農業高校教師を経てフリーランスのジャーナリストに。1984年の初訪問伯以来「おはようドミンゴ」「あぶくま新報」を創刊し、ブラジル、ハワイ、カリフォルニアなど北南米の日系社会に暮らす移民同胞に送付。月刊「政経東北」などに日系社会取材記事を掲載。南相馬市史編纂事業で歴史専門調査委員として「原町市史」に「ブラジル移民」の項目を担当。著書「原町無線塔物語」(福島中央テレビ・ふくしま文庫)、「原町私史」シリーズ等で南相馬の近代百年史をライフワークとして執筆編纂。
二上文彦 Fumihiko Futakami
1973年 福島県原町市(現:南相馬市原町区)生まれ。原町無線塔の真下で、無線塔を見上げながら育った。
1996年より、野馬追の里歴史民俗資料館(現:南相馬市博物館)に勤務。
福島県相馬地方の伝統行事「相馬野馬追」を中心とした、相馬地方の歴史を研究。
東浩紀 Hiroki Azuma
1971年東京生まれ。批評家・作家。東京大学大学院博士課程修了。博士(学術)。株式会社ゲンロン創業者。著書に『存在論的、郵便的』(第21回サントリー学芸賞)、『動物化するポストモダン』、『クォンタム・ファミリーズ』(第23回三島由紀夫賞)、『一般意志2.0』、『弱いつながり』(紀伊國屋じんぶん大賞2015)、『観光客の哲学』(第71回毎日出版文化賞)、『ゲンロン戦記』、『訂正可能性の哲学』など。
上田洋子 Yoko Ueda
撮影=Gottingham
1974年生まれ。ロシア文学者、ロシア語通訳・翻訳者。博士(文学)。ゲンロン代表。早稲田大学非常勤講師。2023年度日本ロシア文学会大賞受賞。著書に『ロシア宇宙主義』(共訳、河出書房新社、2024)、『プッシー・ライオットの革命』(監修、DU BOOKS、2018)、『歌舞伎と革命ロシア』(編著、森話社、2017)、『チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド』(調査・監修、ゲンロン、2013)、『瞳孔の中 クルジジャノフスキイ作品集』(共訳、松籟社、2012)など。展示企画に「メイエルホリドの演劇と生涯:没後70年・復権55年」展(早稲田大学演劇博物館、2010)など。