こうして「国風」はつくられた──中世から日本を考える2

11月27日 呉座勇一×石橋直樹×東浩紀 こうして「国風」はつくられた──中世から日本を考える2

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本イベントは、ゲンロンカフェでの会場観覧、またはシラス・ニコニコ生放送のゲンロン完全中継チャンネルからインターネット配信でご覧いただけます。
会場での当日券販売も行います。ただし、ご準備できる座席数に限りがございます。おはやめにPeatixでご予約いただくようお願いをいたします。Peatixでのお申込みは、イベント当日の開始時刻まで可能です。

【イベント概要】

8月に開催され、大盛況となった「中世から日本を考える」の第2弾!

今回は、前回飛び入り参加した国学研究者・石橋直樹さんも加わり、呉座勇一さん、東浩紀の3人でお届けします。

テーマは「国風」。遣唐使の廃止によって、中国の影響を脱した日本独自の文化が生まれた時代です。しかし、かつて教科書でも語られたこの歴史観は、近年の研究によって大きく問い直されているのだとか。

そもそも「日本らしさ」とは何なのか。平安時代の国風文化から室町時代の東山文化、江戸時代の国学まで、中国文化との関係を手がかりに、日本文化の成り立ちを考えます。ぜひご覧ください!

登壇者コメント(呉座勇一)

「国風文化」と聞いて、皆様は何を思い浮かべるでしょうか。894年の菅原道真による遣唐使廃止を契機に、大陸の影響を脱してかな文字や『源氏物語』といった「純日本風」の文化が開花した──。おそらく、多くの方が学校の歴史の教科書でそのように習ったはずです。しかし現在、この「遣唐使廃止=純日本風文化の誕生」というストーリーは根本から覆っています。

もともと「国風文化」という概念の骨格は、19世紀末の日本歴史学の黎明期に形成されたものです。当時、欧米列強に対して近代国家としての体裁を整える必要があった日本政府は、「一等国」にふさわしい独自の歴史と文化を世界に示す必要がありました。そうしたナショナリズムの要請を背景に、「遣唐使の停止によって大陸文化は日本人の生活と融合し、日本独特の文化が生まれた」というストーリーが構築され、教科書を通じて広く定着していきました。1930年代には、これが国粋主義的に利用された時期もあります。

しかしその後、1970年代半ばに、「国風文化」を東アジアのなかでとらえようとする新しい視角が提唱されたのち、1990年代から2000年代にかけて研究史は大きなパラダイムシフトを迎えます。対外関係史の研究が進んだことで、遣唐使停止後も中国海商によって「唐物」が大量にもたらされていたことが注目されたのです。国民国家論やグローバルヒストリーが流行していたこともあり、「国風文化」は「鎖国のような環境で生まれた純日本風の文化」ではなく、むしろ、「中国文化の骨組みを利用して、その表面のみを日本的な装いに改めたもの」にすぎず、「日本における中国文化の一種の大衆化」ととらえることができるのではないかとの主張が生まれ、大量にもたされた唐物なしには成り立たない国際色豊かな文化であったという理解が広まりました。

ところが、この1990年代以降の理解に対し、現在再び大きな見直しが進んでいます。やはり「国風文化」は、中国文化の亜種ではなく、日本独自の文化と言えるのではないか、との指摘が相次いでいるのです。

こうした国風文化論の研究史のダイナミックな変遷を踏まえ、当日は「和」と「漢」がいかに分断され、あるいは複雑に入り混じりながら日本独自の文化を形作っていったのか、さらに深く議論していく予定です。「日本文化」とは何か。これまでの常識が覆るスリリングな歴史の再検証の場に、ぜひご参加ください。

呉座勇一 Yuichi Goza

1980年、東京生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。東京大学大学院人文社会系研究科研究員、東京大学大学院総合文化研究科学術研究員、国際日本文化研究センター助教などを経て、現在、国際日本文化研究センター准教授。日本中世史専攻。著書に『日本中世の領主一揆』(思文閣出版、2014年)、『一揆の原理』(筑摩書房、2015年)、『応仁の乱』(中央公論新社、2016年)など。共著に與那覇潤・呉座勇一『教養としての文明論』(ビジネス社、2024年)など。論文に「網野善彦とベラ・ザスーリチへの手紙」(『信州大学経法論集』19号、2026年)など。

石橋直樹 Naoki Ishibashi

宗教学・近世思想史(国学者・平田篤胤の研究)。東京大学大学院人文社会系研究科宗教学宗教史学 修士課程。2001年、神奈川県生まれ。論考「ザシキワラシ考」で2020年度佐々木喜善賞奨励賞を受賞(その後『現代思想』「総特集=遠野物語を読む」に掲載)。「〈残存〉の彼方へー折口信夫の「あたゐずむ」から」で、第29回三田文學新人賞評論部門を受賞。「看取され逃れ去る「神代」」(『現代思想』「総特集=平田篤胤」)の発表以降、平田篤胤を中心とした国学思想を専門に研究を進める。松田樹、赤井浩太ほか『批評の歩き方』(人文書院)等に寄稿。

東浩紀 Hiroki Azuma

1971年東京生まれ。哲学者、ZEN大学教授。博士(学術)。株式会社ゲンロン創業者。著書に『存在論的、郵便的』(第21回サントリー学芸賞)、『動物化するポストモダン』、『クォンタム・ファミリーズ』(第23回三島由紀夫賞)、『一般意志2.0』、『弱いつながり』(紀伊國屋じんぶん大賞2015)、『観光客の哲学』(第71回毎日出版文化賞)、『ゲンロン戦記』、『訂正可能性の哲学』、『訂正する力』、『平和と愚かさ』など。

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放送開始
2026/11/27 19:00
公開終了
2027/05/27 23:59
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放送開始
2026/11/27 19:00
タイムシフト視聴終了
2026/12/04 23:59