テロの時代の芸術──批判的知性の復活をめぐって

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【イベント概要】

昨年、鈴木忠志の代表作『トロイアの女』が再演された。初演は1974年。ギリシア悲劇を同時代の日本に置き換えた斬新な演出が話題となった作品。1989年以降、長いあいだ上演されていなかった。
『トロイアの女』は暴力の物語だ。ギリシアとの戦争に負けたトロイアでは、男たちは皆殺しにされ、生き残った女たちは強姦され、奴隷として戦勝国に連れて行かれる。暴力とはなにか、人間とはなにか、問い直すことを現代の観客に強いる、演劇の強度がそこにはある。
なぜいま『トロイアの女』を再演するのか。鈴木はアフタートークで、テロの時代に対応するためだと述べた。その言葉を聞いた東浩紀からの提案で、今回の対談は実現した。
鈴木忠志は、早稲田大学在学中に学生劇団を立ち上げ、早稲田小劇場を開設した伝説の演劇人。1976年に東京を離れて富山県利賀村に本拠地を移し、劇団名もSCOT(Suzuki Company of Toga)と改称。磯崎新とともに合掌造りの古民家を劇場に作り変え、世界演劇祭を開催し、過疎の村を世界の演劇人が集まる演劇の聖地に変えてみせた。いまのアートフェスティバルの先駆であり、都市を舞台とする盟友寺山修司とはまったく異なる戦略である。
1997年からは劇団と劇場が一体となった公立劇場静岡県舞台芸術センター(SPAC)を成立させ、初代芸術総監督として、文化行政に新しい道を示した。ゲンロンカフェの客層には、『批評空間』のアドバイザリーボードに名を連ねた唯一の演劇人として知られているかもしれない。
古代ギリシアの時代から、歴史の物語化や国家意識の形成の中心としてあった演劇。
いま、演劇、そして演劇人はなにをすべきか。
テロリストの惨殺映像が世界中を瞬時に駆け巡る時代に、そもそも「劇的なもの」とはなにか。
そして現代社会において芸術はどのような役割を担い得るのか。
世界演劇をリードする鈴木忠志を迎えて、東浩紀が尋ねる異色の対談。

対談にあたって、東浩紀より鈴木忠志さんへメッセージ

福島亮大という若い批評家が『復興文化論』という本のなかで、日本には「演技者の公共性」と「観客の公共性」があると語っています。
前者は、要は私小説、後者は『平家物語』みたいな歴史小説の系譜に代表されます。
これはいまでも生きていて、実際、日本人のネットユーザーの行動など見ると「ああ、日本人はとにかく観客であることが好きなのだなあ」と思うわけです。それはゲンロンカフェのお客さんを見ても観じます。

で、思うに、ヨーロッパの伝統ではつねに「演技者の公共性」が高く評価され、「観客の公共性」はあまりまともに顧みられなかった。
しかし日本では逆に「観客の公共性」がいまでも生き生きと息づいている。
というわけで、そんな国で演劇と政治(公共性)のあいだの関係を考え続けてきた鈴木さんに、あらためて「なにかを演技すること」「なにかを見ること」と「公共的であること」の関係について聞きたいな、というのが、ぼくが今回対談を依頼した根底にある動機です。

そこから広げて、テロの話などいろいろとできれば。テロ(いま風のテロ)も、演技と観客の関係に関わる問題を提示すると考えています。

 

【イベント後記】


 


 

当日のtweetのまとめはこちら

togetter

 

こちらのイベントの模様は『ゲンロン1』に掲載されております。ぜひお買い求めください。

鈴木忠志 Tadashi Suzuki

1939年生まれ。演出家。1966年、劇団SCOT(Suzuki Company of Toga-旧名 早稲田小劇場)を創立。1976年、早稲田から富山県利賀村に本拠地を移し、合掌造りの民家を劇場に改造して活動。1982年より、世界演劇祭「利賀フェスティバル」を毎年開催。俳優訓練法スズキ・トレーニング・メソッドから創られるその舞台は世界の多くの演劇人に影響を与えている。スズキ・トレーニング・メソッドはモスクワ芸術座やニューヨークのジュリアード音楽院など、世界各国の劇団や学校で学ばれている。

1974年岩波ホール芸術監督、1988年水戸芸術館芸術総監督、1995年静岡県舞台芸術センター芸術総監督(2007年退任)。日中韓共同演劇祭であるBeSeTo演劇祭の創設者、演劇人の国際組織シアター・オリンピックス委員。舞台芸術財団演劇人会議初代理事長。

主な演出作品に『リア王』、『ディオニュソス』、『シラノ・ド・ベルジュラック』、『エレクトラ』、『別冊 谷崎潤一郎』、『流行歌劇カチカチ山』、『サド侯爵夫人(第2幕)』、『世界の果てからこんにちは』、『イワーノフ』、『トロイアの女』、『劇的なるものをめぐってⅡ』など。

主な著書に『内角の和』(而立書房)、『劇的言語』(共著、白水社)、『劇的なるものをめぐって』(工作舎)、『騙りの地平』(白水社)、『越境する力』(PARCO出版)、『THE WAY OF ACTING』(TCG)、『演劇とは何か』(岩波書店)、『演出家の発想』(太田出版)。

なお、ケンブリッジ大学が刊行する20世紀の演劇人21人のシリーズに、メイエルホリド、ブレヒト、ピーター・ブルック、ロバート・ウィルソンらとともに選ばれている(『The Theatre of Suzuki Tadashi』)。

東浩紀 Hiroki Azuma

1971年東京生まれ。批評家・作家。東京大学大学院博士課程修了。博士(学術)。株式会社ゲンロン創業者。著書に『存在論的、郵便的』(第21回サントリー学芸賞)、『動物化するポストモダン』、『クォンタム・ファミリーズ』(第23回三島由紀夫賞)、『一般意志2.0』、『弱いつながり』(紀伊國屋じんぶん大賞2015)、『観光客の哲学』(第71回毎日出版文化賞)、『ゲンロン戦記』、『訂正可能性の哲学』など。

上田洋子 Yoko Ueda

撮影=Gottingham
1974年生まれ。ロシア文学者、ロシア語通訳・翻訳者。博士(文学)。ゲンロン代表。早稲田大学非常勤講師。著書に『チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド 思想地図β4-1』(調査・監修、ゲンロン、2013)、『瞳孔の中 クルジジャノフスキイ作品集』(共訳、松籟社、2012)、『歌舞伎と革命ロシア』(編著、森話社、2017)、『プッシー・ライオットの革命』(監修、DU BOOKS、2018)など。展示企画に「メイエルホリドの演劇と生涯:没後70年・復権55年」展(早稲田大学演劇博物館、2010)など。

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