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【イベント概要】
建築家レム・コールハースがデザイナーのブルース・マウとともに刊行した『S,M,L,XL』(1995)は、1300ページを超えるボリューム、まったく新しいブックデザインのあり方を提示し、伝説の書となっている。2015年5月、この本のちくま学芸文庫版『S,M,L,XL+——現代都市をめぐるエッセイ』が出版された。コールハースが都市観察者として書いたエッセイのみを収録したというこの本は、原書とはまったく異なる様相を呈している。
本書の翻訳者でもある建築キュレーターの太田佳代子氏、建築家の藤村龍至氏をお招きし、東浩紀とともに、『S,M,L,XL』を読み解く。
もう10年以上前の話になるが、東浩紀さんがジャスコ化する郊外について熱く語られているのを読んで、なぜかは忘れたが、レム・コールハースと同じような感性の人がいるんだな、と思ったのを覚えている。その後、私はオランダに渡り、コールハースが率いる建築事務所のシンクタンクに10年勤めて帰国したが、ジャスコ化もひっくるめたジェネリックシティという現象は日本の都会でも田舎でも勢いがいい。だが、この状況について云々する人は、あまりいない。もう当たり前すぎるのだろうか。ジェネリックシティ論を含む『S,M,L,XL+』の邦訳がこのたび出たのを機に、ほかならぬ東さんのゲンロンの場で取り上げて戴くことになり、とても嬉しい。都市の均質化、建築の巨大化、という話は結局、たとえば建築家などの個人が、システムとか制度とか慣習をどう乗り超えられるか、ということだと思っている。この本に書かれた彼の問題提起が、日本でどう受け止め得るかを語り合えたらと思う。(太田佳代子)
【イベント後記】
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太田佳代子 Kayoko Ota
建築キュレーター。東京を拠点に、建築の力を広く社会に活用するためのプログラムを立案・実践する新組織「建築思考プラットフォーム」パートナー。2012年までの10年間、レム・コールハースが創設した建築設計事務所OMAのシンクタンクAMO(ロッテルダム)に在籍し、多角的なリサーチに基づいた展覧会企画、書籍編集、都市の文化マスタープランなどに携わる。2014年ベネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館コミッショナー。2004-05年「DOMUS」(ミラノ)副編集長。
藤村龍至 Ryuji Fujimura
【撮影: 新津保建秀】
1976年東京生まれ。東京藝術大学美術学部建築科准教授。RFA主宰。2008年東京工業大学大学院博士課程単位取得退学。主な建築作品に「鶴ヶ島太陽光発電所・環境教育施設」(2014年)。著書に『批判的工学主義の建築』(NTT出版)、『プロトタイピング——模型とつぶやき』(LIXIL出版)、『ちのかたち』(TOTO出版)。
東浩紀 Hiroki Azuma
1971年東京生まれ。批評家・作家。東京大学大学院博士課程修了。博士(学術)。株式会社ゲンロン創業者。著書に『存在論的、郵便的』(第21回サントリー学芸賞)、『動物化するポストモダン』、『クォンタム・ファミリーズ』(第23回三島由紀夫賞)、『一般意志2.0』、『弱いつながり』(紀伊國屋じんぶん大賞2015)、『観光客の哲学』(第71回毎日出版文化賞)、『ゲンロン戦記』、『訂正可能性の哲学』など。
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- 放送開始
- 2021/05/13 18:00
- タイムシフト視聴終了
- 2021/05/20 23:59
- 放送開始
- 2020/10/07 18:00
- タイムシフト視聴終了
- 2020/10/14 23:59
- 放送開始
- 2019/06/21 13:00
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- 2019/06/28 18:00
- 放送開始
- 2015/10/31 18:00
- タイムシフト視聴終了
- 2015/11/07 18:00