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〈ゲンロン 大森望 SF創作講座〉の実作講評会の模様を無料生中継します。放送開始は22:00を予定しています。
タイムシフトは公開しませんので、あらかじめご了承ください。
【梗概課題】
ゲンロンSF創作講座の最終講評会は、「ゲンロンSF新人賞」と銘打ち、『ゲンロン9』(2018年9月刊行予定)に掲載される最優秀賞作品を選考します。審査員を務めるのは、大森望、山田正紀、東浩紀の3名です。
最終作品については、特定の課題やテーマを設けません。過去の回に提出した作品をリライトしてもかまいませんし、完全な新作でもかまいません。枚数は400字詰原稿用紙で120枚分(48,000字)を上限とします。
最終講評会に先立つ第10回講義では、最終講評会に向けた梗概とアピール文を提出することができます。提出作品については講師からアドバイスを受けることができますが、通常の回とは違い、優秀作を選ぶことはありません。梗概の提出の有無に関わらず、全受講生が最終講評会への作品提出権を持ちます。
梗概とアピール文については、通常の回同様、1200字+800字を上限に提出してください。
【実作課題】
基本的に小説って、登場人物全員の気持ちを想像して構築してゆくものですけれど、せっかくですので、人間以外の気持ちになってみてください。
難易度が低いのは、ペットがいる人ならば、うちの猫や犬の気持ち。なんとなく想像つきそうでしょ? でも、ベランダのプランターで栽培しているバジルの気持ちは、ちょっと 難しい。上京した時に買った冷蔵庫の気持ちは、相手が生き物でない分難しい。窓から見える電柱の気持ちは、感情移入のとっかかりがないので、更に難しいかも。難易度の設定はおまかせします。(擬人化を進めれば難易度低くなりそうです。植物なんかの場合、視覚、聴覚、痛覚がないという事実を生かすと、難易度高くなります。)
これは、その何かの一人称を書けっていうことではありません。また、その何かが主人公じゃなくてもいいです。作品の中で、とにかく、“何か”の気持ちになること、その“何か”の気持ちが、お話の上で大切なポイントになっていること、それが条件です。
一回、人間じゃないものの気持ちを、二、三時間真面目に考えてみると、意外と妙な発見があったりして面白いんじゃないかと。
(新井素子)
【イベント後記】
当日のtweetのまとめはこちら!
山田正紀 Masaki Yamada
塩澤快浩(早川書房) Yoshihiro Shiozawa
編集者。1968年、長野県生まれ。1991年、早川書房に入社。96年、第8代〈SFマガジン〉編集長に就任(09年に退任後、13年に再任)。02年、《ハヤカワSFシリーズ Jコレクション》を創刊。野尻抱介『太陽の簒奪者』、飛浩隆『グラン・ヴァカンス』などを送り出し、日本SFの新たな中核をつくりだす。翌03年には、ハヤカワ文庫JAの新レーベル「次世代型作家のリアル・フィクション」を立ち上げ、冲方丁『マルドゥック・スクランブル』を3カ月連続刊行。07年には円城塔と伊藤計劃のデビュー単行本を手がけた。12年にはハヤカワSFコンテストを創設、選考委員もつとめている。
大森望 Nozomi Ohmori
1961年高知生まれ。書評家・SF翻訳家・SFアンソロジスト。〈ゲンロン 大森望 SF創作講座〉主任講師。著書に『21世紀SF1000』、『新編・SF翻訳講座』、《文学賞メッタ斬り!》シリーズ(豊崎由美と共著)、《読むのが怖い!》シリーズ(北上次郎と共著)など。アンソロジーに《NOVA 書き下ろし日本SFコレクション》、《不思議の扉》の各シリーズのほか、『星雲賞SF短編傑作選 てのひらの宇宙』など。訳書にコニー・ウィリス『ブラックアウト』『オール・クリア』など多数。2013年には『NOVA』が第34回日本SF大賞特別賞を受賞。