映画批評の新たなことばを探る──「ポスト・シネフィリー」と映画批評の再起動

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▼▼▼ 渡邉大輔さんからプレゼンデータが届きました! 一部抜粋してご紹介させていただきます! ▼▼▼

 

▼▼▼ 三浦哲哉さん、北村匡平さんからメッセージが届きました!! ▼▼▼

 
映画/映像批評の枠組みを大幅に拡張する試みが同時多発的に起きている。
オーバー・ザ・シネマ』(三浦哲哉と石岡良治の共編著)、『スター女優の文化社会学』(北村匡平著)、『リメイク映画の想像力』(北村匡平と志村三代子の共編著)、そして「ゲンロンβ」で連載中の「ポスト・シネマ・クリティーク」(渡邉大輔著)。
以前、私はゲンロンカフェの批評再生塾にお招きいただいたとき、「ふだん映画を見てるひと〜?」の質問の後のシラ〜〜という雰囲気にショックを受けてしまったのだが、もうこれで大丈夫だろう。
映画をめぐる懐古的、閉鎖的なとても根深い傾向と戦いつづけてきた渡邉大輔さんの仕切りのもと、この同時多発的な刷新運動は、この夜、くっきりと明確なかたちを取るはずだ。
ちなみに、私はそのうえで、もう一度映画の「コア」を再発見できると思っている(デジタル時代の「精読」の試みとしての『『ハッピーアワー』論』[三浦哲哉著])。
というか、いままでって、単純に見られないもの、それゆえの神秘化が多すぎでしたよね…。
環境は変わり、本当に、これから地に足のついた映画/映像批評がはじまるかと。乞うご期待!
(三浦哲哉)

「ポスト・シネフィリー」と映画批評の再起動。かなり厄介な副題である。メディア環境が劇的に変化するなかで、かつての「シネフィル」(映画狂)の実存を揺るがすような(デジタル技術時代の)「映画/映像」が常態化している。だが、それはシネフィリア(Cinephilia)——映画愛好症の終わりを告げるものでは必ずしもない。映画の愛し方が——私たちを取り巻くメディアとの関係や視聴環境の変容にともない——変化しているにすぎないのだ。そんななかで、多くの人が、どう映画を愛すればいいのかがわからなくなっているように思う。

そして、もうひとつ。ここ数十年、「映画批評」は本当に存在していたのか、という問題。かつては間違いなく「映画論壇」なるものが存在した。そのような「場」が形成され、各プレイヤーが試合する闘技場と、それを応援する観客席があった。だが、ポスト蓮實重彦の時代においては、脱政治化された蓮實のエピゴーネン(模倣者)や面白批評が溢れ、刹那的に消費されるネット批評が圧倒的に優勢になった。今回のイベントでは、映画批評史を整理したうえで、これからの「シネフィリー」を、来るべき「映画批評」のことを考えてみたい。

映画批評史を遡れば、20〜30年代にかけて、そして50〜60年代にかけて、急激な地殻変動が起こり、「表層批評」の80年代に臨界点に達した。そして、僕の見立てでは2010〜2020年にかけて再び変化が生じる。近年の「映画批評ブーム」はその兆しだと思っている。技術史的に見れば、すでに変動が起こっていてもおかしくなかったのだが、経済的・産業的な停滞もあって、現在は胎動の時期だと言えるのかもしれない。デジタル時代の映像はいま、新たな批評言説を必要としている。今回のイベントは、現代の映画批評を牽引している三浦哲哉・渡邉大輔両氏からその糸口が引き出せると確信している。
(北村匡平)

 

【イベント概要】

ここ数年、日本では時ならぬ「映画批評」ブームが起きている。

数々の、年代も幅広い注目すべき書き手による、それもかなり大部の著作が相次いで刊行され、話題を集めているのだ。少し前まで、かつての蓮實重彦や四方田犬彦らに代表されるような理論的射程の広さと分析の強度、文体の魅力を備えた映画批評はほとんど顧みられなくなり、「好きか嫌いか」という「食べログ的」なレビューばかりが求められていたようにも見える状況から考えると、これは驚くべき状況だと言えるだろう(名前を挙げた蓮實にせよ、これも大部の雑誌特集や論文集が刊行されるなど、再評価の機運がある)。

理由はいろいろ挙げられるだろう。

とりわけ2016年前後、『君の名は。』『シン・ゴジラ』、あるいはハリウッドの『インターステラー』『アナと雪の女王』、マーベル映画……などなど、数々の話題作や歴史的大ヒット作が相次いで登場したことが大きいだろう。それらの作品は、デジタル技術の進展などを受け、それまでの映画批評の文脈には収まりきらない要素(応援上映、Netflix、ワールドビルディング…)を数多く抱えており、観客に批評的に語りたい、あるいはこの作品の批評を読みたいと思わせる魅力を放っていた。そして、かたやそうした作品の魅力や可能性を、これまでの映画批評の良質の慣習を受け継ぎながら、まったく新しい枠組みで捉え直す、新しい世代の批評家が台頭してきたという事実もある。「「シネフィルである事」がまたOKになりつつある」(by菊地成孔氏)とも言われるいま、デジタル時代の新たな傑作群と彼ら新たな書き手たちによる、いわば更新されたシネフィル文化=「ポスト・シネフィリー」とでも言えるような文化圏、言説群が形成されつつあるのかもしれない。2010年代、そして2020年代の映画批評は、どのような論点を抱え、どのように進展していくのか?

今回のイベントは、現在、『ゲンロンβ』で新作映画評の連載を担当している渡邉を司会役に、目下話題沸騰中の討議集『オーバー・ザ・シネマ』(フィルムアート社)の共編者であり、5月下旬に濱口竜介監督の大作を論じた4年ぶりの新著『『ハッピーアワー』論』(羽鳥書店)を上梓される三浦哲哉氏、そして、大著『スター女優の文化社会学』(作品社)で彗星のように登場し、『ユリイカ』などで精力的な批評活動も行う北村匡平氏という、いま最も注目される気鋭の若手批評家をお招きし、現代の映画批評の魅力と可能性について語り合う。(文責・渡邉大輔)

 

【イベント後記】

 

当日のtweetのまとめはこちら

togetter

三浦哲哉 Tetsuya Miura

1976年福島県郡山市生まれ。東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻博士課程修了。現在、青山学院大学文学部比較芸術学科准教授。映画批評・研究、表象文化論。食に関する執筆も行う。著書に『サスペンス映画史』』(みすず書房)、『映画とは何か──フランス映画思想史』(筑摩選書)、『『ハッピーアワー』論』(羽鳥書店)、『食べたくなる本』(みすず書房)、『LAフード・ダイアリー』(講談社)。共著に『ひきずる映画 ポスト・カタストロフ時代の想像力』(フィルムアート社)、『オーバー・ザ・シネマ 映画「超」討議』』(石岡良治との共編著、フィルムアート社)。訳書に『ジム・ジャームッシュ インタビューズ 映画監督ジム・ジャームッシュの歴史』(ルドヴィグ・ヘルツベリ編、東邦出版)がある。

北村匡平 Kyohhei Kitamura

1982年山口県生まれ。映画研究者/批評家。東京工業大学科学技術創成研究院未来の人類研究センター准教授。東京大学大学院学際情報学府修士課程修了、同大学博士課程単位取得満期退学。専門は映像文化論、メディア論、表象文化論。単著に『椎名林檎論——乱調の音楽』(文藝春秋、2022年)、『アクター・ジェンダー・イメージズ——転覆の身振り』(青土社、2021年)、『24フレームの映画学——映像表現を解体する』(晃洋書房、2021年)、『美と破壊の女優 京マチ子』(筑摩書房、2019年)、『スター女優の文化社会学——戦後日本が欲望した聖女と魔女』(作品社、2017年)、共編著に『リメイク映画の創造力』(水声社、2017年)、『川島雄三は二度生まれる』(水声社、2018年)、翻訳書にポール・アンドラ『黒澤明の羅生門——フィルムに籠めた告白と鎮魂』(新潮社、2019年)などがある。

渡邉大輔 Daisuke Watanabe

1982年生まれ。映画史研究者・批評家。跡見学園女子大学文学部准教授。専門は日本映画史・映像文化論・メディア論。映画評論、映像メディア論を中心に、文芸評論、ミステリ評論などの分野で活動を展開。著書に『イメージの進行形』(2012年)、『明るい映画、暗い映画』(2021年)。共著に『リメイク映画の創造力』(2017年)、『スクリーン・スタディーズ』(2019年)など多数。

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