南極ビエンナーレとはなにか──宇宙主義とユートピアと芸術の可能性

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トップ・概要画像:アリョーナ・イワノワ=ヨハンソン 南極ビエンナーレ映画「古典元素の探究者たち」(2019)より

【イベント概要】

「南極ビエンナーレにあなたを招待します」というメールを、ロシアのアーティスト、アレクサンドル・ポノマリョフから突然受け取ったのは、2016年の暮れだった。(ゲンロンβ31掲載 つながりロシア第3回 「南極ビエンナーレの旅」より)

昨年に開催された大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ2018でも大きな話題を呼んだ「南極ビエンナーレ」について、
コミッショナーのアレクサンドル・ポノマリョフ氏がロシアから来日し、
同ビエンナーレ参加者でもある芸術史家の鴻野わか菜氏と、
旅の思想家である東浩紀、そしてロシア文学者の上田洋子とともにトークイベントを開催いたします!

人間にとって美とは何なのか、その土地で一体何を目指すのか。
彼らが何を成し得ようとしているのか、その謎に迫ります。ぜひ会場でお確かめください。

▼鴻野わか菜さんよりイベントに向けてコメントをいただきました!!!

2017年3月、ロシアの美術家・アレクサンドル・ポノマリョフは、12年間の構想期間を経て、「南極ビエンナーレ」を実現させます。「第1回南極ビエンナーレ」では、13カ国のアーティスト、哲学者、研究者らが1つの船に乗り込み、 アルゼンチン南端の町ウシュアイアから南極へ、12日間の航海を共にしました。 その成果は、2018年の「大地の芸術祭 越後妻有トリエンナーレ」でも発表され、大きな反響を得ました。

南極ビエンナーレは、 たとえばヴェネツィア・ビエンナーレのような「競争型」の西洋の美術の祭典とは大きく異なります。 展示は滞在中の12日間のみ、観客は船に乗っていた119人の人々とペンギンだけです。国名のついたパヴィリオンではなく、南極という環境で美術作品を作り、完成させ、短期間でも南極大陸、島々、氷山、海中で展示すること、それ自体が人間の可能性を探る実験的な試みなのです。

南極ビエンナーレの理念は、「超国家性、国際性」、「学際性、諸学提携」、「異文化探検」、「動中の動(ジュール・ヴェルヌ『海底二万里』より)」であり、 その目的は、芸術や人間の営みをめぐる諸問題について、環境や宇宙などの公共的な問題について、 国や専門を越えて対話する仕組みを作ることです。

「極地でこれほどの苦労をして芸術活動をする意味はあるのか?」
「自然界における芸術の役割とは何か?」
「人間は自然の一部なのか?」
「文化背景も思想も異なる人々が共同事業を行うには何が必要か? その際、芸術はどんな役割を果たすのか?」
「探検とは何か?」

ゲンロンカフェでは、これらの問題を、現代日本の問題にも即して考えていきたいと思います。

また、不可能だと思われていた南極ビエンナーレが12年の構想期間を経て実現した文化的背景として、 南極ビエンナーレに参加した哲学者アレクサンドル・セカツキーらは、 ロシアの宇宙思想やユートピア思想の伝統を指摘しています。 ロシアの宇宙思想は、現代社会における私達の生と冒険において、どのようなアクチュアリティを持ち、私達が生き抜くために何を語りかけるのでしょうか。

南極ビエンナーレは、8月4日から10月27日まで市原湖畔美術館(千葉県市原市 http://lsm-ichihara.jp/)で開催される 「夢みる力——未来への飛翔 ロシア現代アートの世界」展にも参加します。宇宙思想とユートピアを軸に据えた本展では、6名のロシア現代アーティストを取り上げ、宇宙、天、彼方への夢と憧れ、未触の世界(宇宙、南極、北極などの未知の空間)への旅立ちをテーマとする作品を展示します。ポノマリョフは、海を模して展示室全面に水を張り、南極や北極の映像を投影する大型インスタレーションを発表。アリョーナ・イワノワ=ヨハンソンは、南極ビエンナーレを主題とする新作映画を上映します。人間と彼方、宇宙の関係を描きだす本展の幻想的な展示空間は、未知の世界を希求してきたアートと人間の「夢みる力」を体感する場となるでしょう。

展覧会のテーマである「ロシア文化がいかに宇宙的なものを追求してきたか」、「宇宙と人間の探求」は、南極ビエンナーレ、そして20世紀美術全体の問題でもありました。この夏の夕べ、南極、美術、宇宙をめぐる対話の航海に、ぜひ共に出かけましょう!  Come on Board!

ーー鴻野わか菜

▼イベントが気になった方は、以下からも関連記事をお読みいただけます。ぜひご覧ください!

南極ビエンナーレ、ポノマリョフ関連文献 鴻野わか菜「南極ビエンナーレの旅」『ゲンロンβ』31
https://genron-tomonokai.com/beta/

「舞台は南極。「第1回南極ビエンナーレ」で問い直す人類と芸術の関わり」『ウェブ版美術手帖』(2017年4月26日)
https://bijutsutecho.com/magazine/insight/3551/

「南極ビエンナーレ コミッショナーに聞く」 『BT美術手帖』Vol.69,No.1048,2017年1月号 https://bijutsutecho.com/magazine/insight/3257

シンポジウム 南極の人文学的諸問題 報告」REPRE 35(表象文化論学会ニューズレター)
https://www.repre.org/repre/vol35/topics/kono/

「空と海の間で――アレクサンドル・ポノマリョフ」『翻訳・翻案・伝承――文化接触と交流の総合研究』人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書No.299,石井正人編(千葉大学大学院人文社会科学研究科)
http://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/100345/BA31027730_299_p037_KON.pdf

 

当日のtweetのまとめはこちら

togetter

アレクサンドル・ポノマリョフ Alexander Ponomarev

1957年、ドニエプロペトロフスク(旧ソ連)生まれ。1973年にオリョール美術学校を卒業した後、海への憧れを募らせ、オデッサ工科海洋大学(現:国立オデッサ海洋アカデミー)に入学。1979年から数年間、航海士として7つの海を旅し、1982年に美術界に戻り、現在に至るまで、海、船をテーマとする作品を展開。2017年にはコミッショナーとして「第1回南極ビエンナーレ」を実施した。「瀬戸内国際芸術祭2016」では、地元の住民の歴史と生活に捧げる3隻の船から成るインスタレーション「水の下の空」を本島に設置。ヴェネツィア・ビエンナーレ、ヴェネツィア建築ビエンナーレでも多数プロジェクトを発表している。作品の規模は壮大で、砂漠の巨大な立体作品(マラケシュ・ビエンナーレ)、美術館のファサードや庭園を使ったインスタレーション(ルーブル美術館、プーシキン美術館)、北極海上でのパフォーマンス等を行っている。「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2018」では、「南極ビエンナーレ フラム号2」を発表し、南極ビエンナーレの歴史と未来を示した。「夢みる力——未来への飛翔 ロシア現代アートの世界」展(2019年8月4日〜10月27日 市原湖畔美術館)では、展示室一面に水を張り、極地の海の空間を現出させる大型インスタレーション「ナルシス」を制作する。

鴻野わか菜 Wakana Kouno

1973年生まれ。広島出身。東京外国語大学卒業。東京大学人文社会系研究科、国立ロシア人文大学大学院修了(Ph.D)。千葉大学文学部准教授を経て、現在は早稲田大学教育・総合科学学術院教授。ロシア文学・美術を中心に研究する一方で、展覧会の企画や監修に関わり、「夢みる力——未来への飛翔 ロシア現代アートの世界」展(市原湖畔美術館)、「カバコフの夢」(大地の芸術祭)、「ニキータ・アレクセーエフ 岸辺の夜」(千葉大学)等でキュレーションを務める。共著に『カバコフの夢』(越後妻有里山協働機構)、『イリヤ・カバコフ世界図鑑――絵本と原画』(企画・監修:神奈川県立近代美術館)、『幻のロシア絵本 1920-30年代』(淡交社)、『都市と芸術の「ロシア」―ペテルブルク,モスクワ,オデッサ巡遊』(水声社)他。訳書にレオニート・チシコフ『かぜをひいたおつきさま』(徳間書店)、イリヤ・カバコフ『プロジェクト宮殿』(共訳、国書刊行会)など。

東浩紀 Hiroki Azuma

1971年東京生まれ。批評家・作家。東京大学大学院博士課程修了。博士(学術)。株式会社ゲンロン創業者。著書に『存在論的、郵便的』(第21回サントリー学芸賞)、『動物化するポストモダン』、『クォンタム・ファミリーズ』(第23回三島由紀夫賞)、『一般意志2.0』、『弱いつながり』(紀伊國屋じんぶん大賞2015)、『観光客の哲学』(第71回毎日出版文化賞)、『ゲンロン戦記』、『訂正可能性の哲学』など。

上田洋子 Yoko Ueda

撮影=Gottingham
1974年生まれ。ロシア文学者、ロシア語通訳・翻訳者。博士(文学)。ゲンロン代表。早稲田大学非常勤講師。著書に『チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド 思想地図β4-1』(調査・監修、ゲンロン、2013)、『瞳孔の中 クルジジャノフスキイ作品集』(共訳、松籟社、2012)、『歌舞伎と革命ロシア』(編著、森話社、2017)、『プッシー・ライオットの革命』(監修、DU BOOKS、2018)など。展示企画に「メイエルホリドの演劇と生涯:没後70年・復権55年」展(早稲田大学演劇博物館、2010)など。

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