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【イベント概要】
「太陽系中心主義を覆したのは、 巨大科学ではなく少人数の研究チームだった! 新しい宇宙観が生み出す新しい生命観に期待だ。」
東浩紀(井田茂 著『ハビタブルな宇宙――系外惑星が示す生命像の変容と転換』 帯推薦文)
2019年度のノーベル物理学賞は、 太陽以外の恒星の周りを回る惑星(系外惑星)を発見した業績で、 スイス・ジュネーブ大学のマイヨール氏、ケロー氏に授与された(ビッグバン宇宙論の基礎を築いた、アメリカ・ プリンストン大学のピーブルズ氏と同時受賞)。
太陽系以外に惑星が存在することは、フィクションの世界ではよくある設定だ。
しかし、それらを実際に観測し、検証することは容易ではない。惑星は自ら光を発しないため非常に暗く、また中心にある恒星の光によって惑星の姿はかき消されてしまうからだ。
マイヨール氏とケロー氏が人類として初めて系外惑星を発見したのはわずか四半世紀前、1995年のことである。
それ以降、ケプラー宇宙望遠鏡の設置や観測技術の革新のため、系外惑星は続々と発見されていく。
驚くべきは、系外惑星系はきわめて多様で、われわれの太陽系のあり方が決して当たり前ではないということだ 。
生命を宿す惑星の研究においても「ハビタブル(生命居住可能領域)」の定義は変容し、われわれの「生命」 に対する考え方そのものが相対化されようとしている。
東浩紀はそんな系外惑星に対して哲学的、人文的な関心を強く持ち、2015年には系外惑星研究の第一人者である井田茂氏を招いて、ゲンロンカフェでイベントを開催した(2015年5月13日、井田茂×東浩紀「系外惑星から考える――太陽系は唯一の可能性か」。Vimeoまたはニコニコ動画でアーカイブを視聴可能)。
同イベントは非常に好評で、ゲンロンカフェ5周年の際の「もういちどやってほしいカフェイベント」アンケートで歴代2位にランクインするほど、伝説のイベントとなっている。
この度ゲンロンカフェでは、11月末に発売される井田氏の新著『ハビタブルな宇宙――系外惑星が示す生命像の変容と転換』 の刊行を記念し、ゲンロンカフェ「系外惑星」 イベント第2弾を開催。
今回の聞き手には、小説家・ ノンフィクション作家の川端裕人氏をお招きする。川端氏は昨年、著書『我々はなぜ我々だけなのか』(2018年、科学ジャーナリスト賞2018と講談社科学出版賞を受賞) をめぐってゲンロンカフェにご登壇いただいた。
われわれの生命観、世界観に革命をもたらす系外惑星。
その意義と魅力を紹介する、知的刺激に満ちた内容は必見!
井田茂『ハビタブルな宇宙――系外惑星が示す生命像の変容と転換』(春秋社)
地球はありふれた存在である。系外惑星の相次ぐ発見により急進展する地球外生命探索。宇宙(天空)と我々の生きる世界(私)とを繋ぐ視座をもつ系外惑星研究が見た、地球の一系統の枠組みにとらわれない「生命」の有り様。宇宙・生命観のパラダイムシフト。
(発売予定日:2019年11月27日/定価:1,800円+税)
当日のtweetのまとめはこちら!
井田茂 Shigeru Ida
川端裕人 Hiroto Kawabata
1964年兵庫県明石市生まれ。文筆家。東京大学教養学部卒業。日本テレビ報道局で科学報道に従事後、フリーランス。小説に『夏のロケット』(文春文庫)、『エピデミック』『銀河のワールドカップ』(集英社文庫)など。ノンフィクションに『我々はなぜ我々だけなのか――アジアから消えた多様な「人類」たち』(講談社ブルーバックス、科学ジャーナリスト賞・講談社科学出版賞受賞)、『動物園にできること――「種の方舟」のゆくえ』(文藝春秋)、『動物園から未来を変える――ニューヨーク・ブロンクス動物園の展示デザイン』(亜紀書房)、『「色のふしぎ」と不思議な社会――2020年代の「色覚」原論』『科学の最前線を切りひらく!』(筑摩書房)など多数。