ゲンロン ひらめき☆マンガ教室 第3期#11マンガ家──応用1

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〈ゲンロン ひらめき☆マンガ教室〉の講義を生中継します。

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【完成稿課題】

感情を表現する/感情を用いて表現するマンガ

なんらかの感情を表現することを主題とした作品をつくってください。感情以外のことを表現してもかまいません。その場合は、その表現したいことを感情を用いて表現してください。

どういう感情(もしくは感情以外のなにか)を表現しようとしたのか、そのためにどういう手法を用いたか、また、どのあたりの層に届けようとしたのか、そのためにどういう演出をしたか、等を明確に説明できるようにしておいてみてください。説明せずに伝わるものが描けると良いですが、説明できるように言語化しておくのは作品を作るのに役立つと思います。

この後の文章はとくに読まなくてもいい部分になりますが、課題に取り組む際の参考になればと思って書いてみています。

普通の場合感情は単独で存在するわけではなく、世界という状況の中に発生するものです(真夜中一人で人気のない道を歩いているととても怖いとかそういうことです、この場合この状況全体が恐怖という感情です)ので、登場人物の動作や行動、表情に気を使うのは勿論のこと、情景、状況の描写をしっかりとすることで適切かつ効果的に感情を表現することができます。

一口に感情といってもミニマムだったりモデストだったりマイルドなものからヒュージでマッシブでドラスティックなものまでありますし、ネガティブな方向性のものポジティブな方向性なものニュートラルだったり、虚無って感じのもの等さまざまですよね。また、感情の表現自体が漫画の目的になる場合もありますし、他に表現したいことのための演出の手段になることもあります。それぞれの場合に最適な表現手法があるし、伝えたい対象によって適切な演出方法があります。適宜判断する必要がありますが全部のバランスを整えようとするとカッチリしすぎて面白みがなくなる場合もありますがカッチリさせて面白みをなくすことでしか表現できない感情もあり、ケースバイケースというか1+1=2みたいな正解ってないので力一杯描きたいことを描いてみてください。描きたい放題描いたものが読みたいです。

(ルネッサンス吉田)

 

 

【ネーム課題】

今を描く

良い漫画を読みたいならば過去の名作を読めばいいのです。それでもあなたが漫画家としてあえて新作を描くというならば、「良い」以上の価値を作品に与えなければなりません。漫画の作法やテンプレートが溢れてしまった今現在において、なおあなたが今描き、今読まれるための意義を考えると、自然と「今」を描くことが必然となるのではないでしょうか。

今回の課題は「今を描く」とします。

これは決して「今流行っているジャンル」「今ウケの良いキャラクター」というわけではなく、今現在の現実社会の中であなた自身が体感している「今」、もしくはあなた自身を通じて見る現代社会の「今」のことです。「今、生きていて思うこと」「今見ている風景」それらを「今だからこそ描く意味のある漫画」として説得力のあるかたちで作品へ昇華させてください。もちろん比喩・置き換え等は問題ありませんしジャンルも不問ですが、必ず現代性が伴うように意識してください。

「今」は現在進行形なのですから、明確な答えは出せないはずです。間違った認識や、身勝手な主張で反感を買っても構いません。ただ安易な共感性だけではあなたの作家性はいつか埋もれます。むしろ「間違い」こそがあなたの個性であり、漫画家としてのあなたの核心なのです。今一度自分が何者であるのかを見つめ直し、「現代を生きている人間」だという証左を漫画で表現してください。

(浅野いにお)

 

さやわか Sayawaka

1974年生まれ。ライター、物語評論家、マンガ原作者。〈ゲンロン ひらめき☆マンガ教室〉主任講師。著書に『僕たちのゲーム史』、『文学の読み方』(いずれも星海社新書)、『キャラの思考法』、『世界を物語として生きるために』(いずれも青土社)、『名探偵コナンと平成』(コア新書)、『ゲーム雑誌ガイドブック』(三才ブックス)など。編著に『マンガ家になる!』(ゲンロン、西島大介との共編)、マンガ原作に『キューティーミューティー』、『永守くんが一途すぎて困る。』(いずれもLINEコミックス、作画・ふみふみこ)がある。「コミックブリッジ」で『ヘルマンさんかく語りき』(作画:倉田三ノ路)を連載中。

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放送開始
2020/01/18 17:00
タイムシフト視聴終了
2020/01/25 18:00
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放送開始
2020/01/18 20:00
タイムシフト視聴終了
2020/01/18 21:00