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※ 新型コロナウィルス感染の拡大防止のため、本イベントは放送のみ(会場は無観客)となります。ご了承ください。
【大山顕さんからのメッセージ】
現在の写真は、多くの人に見られることを目的として撮られている。そんなの当たり前じゃないか、とお思いでしょう。でも思い出してほしい。SNS以前の写真はほとんど人に見られることがなかった。ぼくはこれまでの多くの写真論はこの「見られない」ということに立脚していると思っている。
スマホによって写真を触りまくるようになったこと。猫写真があふれていること。シェアできない写真は撮らなくなったこと。写真の主導権は見る側が握るようになったこと。こういうことを積み重ねていくと、現在の写真は最終的に「人間を必要としなくなる」という結論に至る。この本はそういう本です。自分でもびっくりした。
また、この写真論は「自撮りの写真論」でもあります。撮る側と撮られる側。この対立が写真からなくなったことはほんとうにおどろくべきこと。一方で、もしかしたらそもそもぼくらの視界の中には自分自身がずっと映っていたのではないか。まるで三人称視点のゲームのように。スマホ+SNS以前のカメラの仕組みによって、自分の姿は自分には見えないと思い込んでいただけではないのか。そういうことも論じています。
この放送では、これら本の内容に加え、書いた後に気づいたこと、書き切れなかったことについてもしゃべります。たとえば校閲で「シャッターを切る」という表現に赤字が入って、はっ!と気づいた。そうだ、スマホのカメラにシャッターは存在しない。画像センサーはずっと光を受けている。それってけっこうすごくない?
とか。とにかく思いつくことをどんどんしゃべっていく予定です。みなさん、ぜひ。
(大山顕)
【イベント概要】
2020年3月24日、ゲンロンから単行本レーベル「ゲンロン叢書」の第五弾となる『新写真論ーースマホと顔』がついに発行されるーー。
写真は激変のまっただ中にある。
「写真」という用語をあらためなければいけないとすら思っている。
これはスマートフォンとSNSによってもたらされた。
その象徴が自撮りだ。
−−『新写真論』「はじめに」より
ゲンロン叢書、第5弾は写真家・大山顕氏の『新写真論 スマホと顔』です。
「ゲンロンβ」の人気連載「スマホの写真論」を大幅に加筆、
さらに 書き下ろしの2万5000字論考「はじめに 写真を通じて「なぜそうするのか」を考える」、
8頁カラーグラビア「香港スキャニング」を加えた
合計320頁の本格的な写真論です。
スマホとSNSの登場で、いかに写真が変貌をとげたのか。
インフラから写真を見ると、人間の写真への依存度が見えてくる!
『新写真論』はいったいどこが「新」なのか、
その魅力から、写真にまつわる最新の話題まで、
大山さんにじっくりと語っていただきます!
カメラという近代のもたらしたブラックボックスについての初の省察。
謎は解けたのか?!
――藤森照信(建築家)
すべてがスマホに撮られる時代、
それは顔と指(プライヴェート)がリスクになる世界だった。
我々が薄々感じていたことをコトバにした、
まさに「現在」(いま)の写真論。
――恩田陸(作家)
大山顕『新写真論ーースマホと顔』(ゲンロン)
ソフトカバー・四六判|本体320頁(カラーグラビア8頁)|2020年3月発行|ISBN:978-4-907188-35-1
大山顕 OHYAMA Ken
フォトグラファー/ライター。1972年11月3日生まれ。1998年千葉大学工学部修了。研究テーマは工場構造物のコンバージョン提案。工業地域を遊び場としてきた生い立ちがこの論文に結実。卒業後松下電器株式会社(現Panasonic)に入社。シンクタンク部門に10年間勤めた後、フォトグラファーとして独立。出版、イベント主催などを行っている。
主な著書に『工場萌え』『団地の見究』(共に東京書籍)『ジャンクション』(メディアファクトリー)、『ショッピングモールから考える——ユートピア・バックヤード・未来都市』(東浩紀との共著、幻冬舎新書)『新写真論 スマホと顔』(ゲンロン)。