クリミアから見る戦争と平和──戦闘、療養、観光

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【イベント概要】

ロシアがウクライナに侵攻してからすでに150日以上が経ちました。日本では報道が減ってきましたが、戦争は続いており、終わる気配はありません。この暴力が一刻も早く停止されることを願って止みません。
ロシアの歴史では、ナポレオン戦争、クリミア戦争、両世界大戦、そして今回の戦争と、大規模な戦争が繰り返されていることがわかります。現在の戦争を考えるのに、過去の戦争に学ぶことは意味があるでしょう。ロシア史家の池田嘉郎さんと、日本近現代史がご専門の辻田真佐憲さんをお迎えし、19世紀のクリミア戦争、そして戦後の保養地の誕生についてお話を伺います。また、ロシア史にとってクリミアという土地がもつ意味についても考えてみたいと思います。聞き手はゲンロンの上田洋子です。
現在の戦争の発端となったのは、2014年のロシアによるクリミア侵攻です。その160年ほどまえ、1853年10月から56年3月の2年半にわたって行われたのがクリミア戦争でした。当時のロシアは東方正教徒の保護者を名乗り、オスマン帝国に戦争を仕掛けます。これに対して英・仏などがオスマン側につき、ロシア軍は孤独な戦いを強いられました。この戦争には若きトルストイも参加し、『セヴァストーポリ』(1855-56)という作品を残しています。
この戦争では、従軍看護婦・ナイチンゲールが活躍し、赤十字設立のきっかけをつくりました。そうして、戦争における医療や人道主義が発展していくことになります。他方、敗戦国のロシアでは「大改革」の時代が始まります。敗戦と改革・革命はロシア史で繰り返されるパターンです。
戦後、クリミアは軍人の保養地として開発されていき、19世紀末にはチェーホフの文学にも登場するほど人気を博します。1914年に第一次世界大戦が始まると、ロシア帝国では国内の保養地への関心が急激に高まります。兵士を慰撫する必要が生じたことと、敵国ドイツの保養地に行けなくなったことがその背景にありました。

日本の温泉にも軍人の保養地として発展したものがあります。戦争の跡地をめぐり、悲劇を継承する旅をダークツーリズムと呼びますが、戦争は保養の旅や医療ツーリズムをも生み出します。そもそも、戦地への行軍じたいが旅でもあるでしょう。
なぜクリミアは戦場になってきたのか。戦争はどのような副産物を産むのか。そもそもロシアやウクライナの歴史にとって戦争はどういったものなのか。戦争が少し身近になってしまったいま、じっくり考えてみたいと思います。(上田洋子)

 
☆ 池田嘉郎さんのブログにて、イベントに向けたメッセージと関連資料の紹介をいただきました。下記リンクからぜひお読みください!
https://researchmap.jp/blogs/blog_entries/view/108227/d1010b47c79dc10131a9b6b0d772c0aa?frame_id=561056

池田嘉郎 Yoshiro Ikeda

1971年秋田県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士(文学)。専門は近現代ロシア史研究。主著に『革命ロシアの共和国とネイション』(山川出版社、2007年)、『ロシア革命 破局の8か月』(岩波書店、2017年)。翻訳にアンドレイ・プラトーノフ『幸福なモスクワ』(白水社、2023年)、シェイラ・フィッツパトリック『ソ連の歴史』(監訳、人文書院、2023年)。

辻田真佐憲 Masanori Tsujita

1984年、大阪府生まれ。評論家・近現代史研究者。慶應義塾大学文学部卒業、同大学院文学研究科中退。政治と文化芸術の関係を主なテーマに、著述、調査、評論、レビュー、インタビューなどを幅広く手がけている。単著に『「戦前」の正体』(講談社現代新書)、『防衛省の研究』(朝日新書)、『超空気支配社会』『古関裕而の昭和史』『文部省の研究』(文春新書)、『天皇のお言葉』『大本営発表』(幻冬舎新書)、『空気の検閲』(光文社新書)、共著に『教養としての歴史問題』(東洋経済新報社)、『新プロパガンダ論』(ゲンロン)などがある。監修に『満洲帝国ビジュアル大全』(洋泉社)、『文藝春秋が見た戦争と日本人』(文藝春秋)など多数。軍事史学会正会員、日本文藝家協会会員。

上田洋子 Yoko Ueda

撮影=Gottingham
1974年生まれ。ロシア文学者、ロシア語通訳・翻訳者。博士(文学)。ゲンロン代表。早稲田大学非常勤講師。著書に『チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド 思想地図β4-1』(調査・監修、ゲンロン、2013)、『瞳孔の中 クルジジャノフスキイ作品集』(共訳、松籟社、2012)、『歌舞伎と革命ロシア』(編著、森話社、2017)、『プッシー・ライオットの革命』(監修、DU BOOKS、2018)など。展示企画に「メイエルホリドの演劇と生涯:没後70年・復権55年」展(早稲田大学演劇博物館、2010)など。

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2022/08/11 19:00
公開終了
2024/02/22 23:59
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2023/12/07 18:00
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