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【イベント概要】
(最初から最後まで、変な雑談も乱入も脱線もなしに、マジでテーマに沿う話しかしていません。けれども楽しいはずです。今後このような番組を増やしたいと思いますので、応援をお願いいたします)
ルソー唯一の長編小説であり、また『社会契約論』の前年(1761年)というきわめて重要な年に刊行されている書簡体の恋愛小説『新エロイーズ』。
この小説については、いまの日本ではほとんど語られていません。ルソーといえば政治哲学のひとという印象が強いからでしょうか。けれども実際に読むと、この小説はルソーの「社会」や「自然」の捉え方を知るうえで示唆に富むだけでなく、ふつうにエンタメとしても楽しめます。実際当時はたいへんなベストセラーになり(18世紀のフランスでもっとも売れたと言われています)、ゲーテを含め後世のロマン主義の作家に絶大な影響を与えました。
この講義では、そんな『新エロイーズ』のあらすじを小説の展開に沿ってていねいに紹介していくとともに、ぼくが『一般意志2.0』で展開し、またこの秋に『ゲンロン13』(10月刊行)で続きを発表することになるルソー論にも触れながら、哲学的な深読みの可能性を追求していきます。主人公2人のあまりにもテンションの高いやりとりや、それに振舞わされる周辺登場人物たちの動きは、いまの感覚からすると「やばい」のひと言です。そしてそんな「やばさ」にこそルソーの可能性はあるのです。
講義は2-3時間を予定していますが、例によって延長するかもしれません。とりあえず入り口はワンコインでお求めやすい価格にしました。
『一般意志2.0』に関心のあるぼくの読者も、『クオンタム・ファミリーズ』に関心のあるぼくの読者も、あるいはぼくの本なんて読んだことがなく、ただルソーに興味のあるひとも、是非ご覧ください。
※『新エロイーズ』の邦訳はたいへん手に入りにくい状態です。この講義を聞くために事前に読んでいる必要はありません。
※バナーの背景にひいてある人物相関図は「いらすとや」さんのキャラで作りました。
※上記執筆後、『新エロイーズ』の古い邦訳は国会図書館のデジタルアーカイブで読めるぞとの情報が。気になるひとは探してみてください!
※ 放送のみ(会場は無観客)のイベントです。
東浩紀 Hiroki Azuma
1971年東京生まれ。批評家・作家。東京大学大学院博士課程修了。博士(学術)。株式会社ゲンロン創業者。著書に『存在論的、郵便的』(第21回サントリー学芸賞)、『動物化するポストモダン』、『クォンタム・ファミリーズ』(第23回三島由紀夫賞)、『一般意志2.0』、『弱いつながり』(紀伊國屋じんぶん大賞2015)、『観光客の哲学』(第71回毎日出版文化賞)、『ゲンロン戦記』、『訂正可能性の哲学』など。