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【梗概課題】
「最終課題:ゲンロンSF新人賞【梗概】」
ゲンロンSF創作講座の最終講評会は「ゲンロンSF新人賞」と銘打ち、2023年刊行の『ゲンロン』本誌に掲載される最優秀賞作品を選考します。
最終作品については、特定の課題やテーマを設けません。過去の回に提出した作品をリライトしてもかまいませんし、完全な新作でもかまいません。枚数は400字詰原稿用紙で120枚分(48,000字)を上限とします。
最終講評会に先立つこの講義では、最終講評会に向けた梗概とアピール文を提出することができます。提出作品については講師からアドバイスを受けることができますが、通常の回とは違い、優秀作を選ぶことはありません。梗概の提出の有無に関わらず、全受講生が最終講評会への作品提出権を持ちます。最終講評会にあたり、この課題で提出した梗概とまったく異なる作品を提出することも可能です。
梗概とアピール文については、通常の回同様、1200字+400字を上限に提出してください。
【実作課題】
「雨を描いてください」
せっかく、四季があり、季節が繊細な日本に住んでいるんだもの、風景描写とならんで、天気も読者に共感してもらえるように描写できれば、それはあなたの武器になると思います。雨なんて、みんなが知っているものだから、うまく描ければ臨場感でるし、下手な描き方をすればすぐに馬脚が現れちゃうし。ですので、作品の中で、一回以上雨を描いてください。夏の夕立でも、梅雨に濡れるあじさいでも、台風大被害でも、雨であれば何でもいいです。
ただ、これだけだと課題として判りにくいので、セールスポイントも梗概の最後に書いてね。例えば、「私は情景描写に自信があるんで、とても綺麗な雨を描くつもりです」とか、「記録的な台風を書きます。スペクタル映画ばりの豪雨描いてみせます」とか、「普通の雨だけど、それに連動した登場人物の心理描写をやるつもりです、この雨がなければ描けないような心理描写を」とか。あるいは、「あんまり描写に自信がないので、そのかわり、この雨は、この作品における構成上とても重要な鍵になっています」なんて奴でもいいです。とにかく、雨のシーンが作品中で最も魅力的、ないしは、最も重要に見えるような奴をお待ちしております。(あと、季節が繊細な日本って書いたけど、別に舞台は日本である必要はありません。熱帯雨林でもいいし、地球でなくてもいいです。雨さえ、降っていれば。)(新井素子)
菅浩江 Hiroe Suga
1963年、京都生まれ。高校在学中、同人誌『星群』に発表した短編「ブルー・フライト」が『SF宝石』(光文社)に転載されるかたちでデビュー。1992年『メルサスの少年』(新潮文庫)で第23回星雲賞日本長編部門受賞。1993年『そばかすのフィギュア』(ハヤカワ文庫JA)で第24回星雲賞日本短編部門受賞。2001年『永遠の森 博物館惑星』(早川書房)で第54回日本推理作家協会賞、第32回星雲賞日本長編部門を受賞した。『五人姉妹』(早川書房)、『ゆらぎの森のシエラ』(創元SF文庫)、『カフェ・コッペリア』(早川書房)など著書多数。
溝口力丸(早川書房) Rikimaru Mizoguchi
1991年生まれ。2014年より早川書房『SFマガジン』編集部所属。担当書籍にチャック・パラニューク『ファイト・クラブ〔新版〕』(ハヤカワ文庫NV)、『ハヤカワ文庫SF総解説2000』(単行本)、柴田勝家『クロニスタ 戦争人類学者』『ニルヤの島』(ハヤカワ文庫JA)など。
大森望 Nozomi Ohmori
1961年高知生まれ。書評家・SF翻訳家・SFアンソロジスト。〈ゲンロン 大森望 SF創作講座〉主任講師。著書に『21世紀SF1000』、『新編・SF翻訳講座』、《文学賞メッタ斬り!》シリーズ(豊崎由美と共著)、《読むのが怖い!》シリーズ(北上次郎と共著)など。アンソロジーに《NOVA 書き下ろし日本SFコレクション》、《不思議の扉》の各シリーズのほか、『星雲賞SF短編傑作選 てのひらの宇宙』など。訳書にコニー・ウィリス『ブラックアウト』『オール・クリア』など多数。2013年には『NOVA』が第34回日本SF大賞特別賞を受賞。