民主主義とは訂正する力のことである──ワシントン「観光」レポートと考察

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本イベントは、シラスのゲンロン完全中継チャンネルからインターネット配信でご覧いただけます。

 

【イベント概要】

高度に発達した観光は仕事と区別がつかない——。
6月の『観光客の哲学』増補版に続き、9月の『訂正可能性の哲学』、10月の『訂正する力』と出版ラッシュが続く東浩紀が、8月中旬、アメリカのワシントンに「観光」という名の取材に8日間ほど行ってきました。
なぜワシントンなのか? じつはワシントンはなにもなかったところに建築された完全な人工都市。18世紀末にピエール・ランファンが壮大な計画を策定し、それに沿って建設されました。中心には巨大な公園「ナショナルモール」が開け、周囲にはスミソニアン博物館群に加え記念碑が点在しています。そんなナショナルモールは、有名なキング牧師の演説の舞台であることをはじめ、合衆国の歴史上幾度も大きな役割を果たしてきた世界最大の公共空間でもあります。民主主義を支える公共性の本質とはなにか——それは『訂正可能性の哲学』の最後の主題でもありますが、そんな関心を抱く東としてはいちどはぜひ訪れねばならない場所でした。
とはいうものの、実際には東は今回の「観光」で、アメリカのもつ「訂正する力」のほうに強い印象を受けたといいます。東が博物館や記念碑で発見したという「歴史を再構成し、未来を向く力」とはなんなのか? 多数の写真とともに、東浩紀流アメリカ論を特別番組でお送りします! 聞き手を務めるのは上田洋子です。

【東浩紀よりのメッセージ】
ぼくは単なる観光客であり、アメリカの専門家ではありません。そもそもワシントンは多くの日本人が訪れているところで、いまさら行ったのかよという感じだと思います。そういう点ではなにも新しい事実の提示はありません。みなが知っている場所を紹介するだけです。ただ少しは独自の観点もあるかもしれません。「観光客としての哲学者」の実践として、気軽にお聞きください。

東浩紀 Hiroki Azuma

1971年東京生まれ。批評家・作家。東京大学大学院博士課程修了。博士(学術)。株式会社ゲンロン創業者。著書に『存在論的、郵便的』(第21回サントリー学芸賞)、『動物化するポストモダン』、『クォンタム・ファミリーズ』(第23回三島由紀夫賞)、『一般意志2.0』、『弱いつながり』(紀伊國屋じんぶん大賞2015)、『観光客の哲学』(第71回毎日出版文化賞)、『ゲンロン戦記』、『訂正可能性の哲学』など。

上田洋子 Yoko Ueda

撮影=Gottingham
1974年生まれ。ロシア文学者、ロシア語通訳・翻訳者。博士(文学)。ゲンロン代表。早稲田大学非常勤講師。2023年度日本ロシア文学会大賞受賞。著書に『ロシア宇宙主義』(共訳、河出書房新社、2024)、『プッシー・ライオットの革命』(監修、DU BOOKS、2018)、『歌舞伎と革命ロシア』(編著、森話社、2017)、『チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド』(調査・監修、ゲンロン、2013)、『瞳孔の中 クルジジャノフスキイ作品集』(共訳、松籟社、2012)など。展示企画に「メイエルホリドの演劇と生涯:没後70年・復権55年」展(早稲田大学演劇博物館、2010)など。

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放送開始
2023/08/18 20:00
公開終了
2024/08/18 23:59