カフェに
行く
-
一般 入場券3,000円
-
学生 入場券2,500円
-
友の会会員限定最前列席 入場券3,500円
ネットで
見る
-
チャンネル会員無料
-
一般1,485円
-
チャンネル会員無料
-
一般1,500円
本イベントは、ゲンロンカフェでの会場観覧、またはシラス・ニコニコ生放送のゲンロン完全中継チャンネルからインターネット配信でご覧いただけます。
会場での当日券販売も行います。ただし、ご準備できる座席数に限りがございます。おはやめにPeatixでご予約いただくようお願いをいたします。Peatixでのお申込みは、イベント当日の開始時刻まで可能です。
【イベント概要】
チェコ文学研究者の須藤輝彦さんによる話題の書籍『たまたま、この世界に生まれて──ミラン・クンデラと運命』(晶文社)の刊行を記念して、哲学者の古田徹也さんとの対談イベントを開催します。司会は、本書の担当編集を務めた吉川浩満さんです。
本書で論じられるミラン・クンデラは、代表作『存在の耐えられない軽さ』などによって「世界文学の巨匠」として知られています。須藤さんは、クンデラの小説のなかの「人の運命はしばしば死のはるか手前で終わる」という一節に対して、「だとしたら、運命の終わりから死までの道のりにはいったいなにが残るのだろう?」と問いかけるところから議論をスタートさせます。そして、この「運命」というキーワードは、個々人の人生だけでなく、周辺の大国に翻弄され続けてきたチェコと中欧の姿や、20世紀最大の実験とも言える社会主義国家建設の栄光と挫折の歴史といったテーマを串刺しにするものとして、そのクンデラ論の核に据えられます。
かたや古田さんは、本書でも引用されている『不道徳的倫理学講義──人生にとって運とは何か』(ちくま新書)のなかで運と道徳をめぐる倫理学史を展開しています。人生における運をあつかう議論を「倫理学史の裏通り」と古田さんは表現します。なぜなら運という要素は、一般的な道徳の「善き行いをしたものは報われるべきである」という発想では捉えきれず、そこから排除され、隠されるものだから。
しかし、運は実際には個々の人生を大きく左右するものです。善き行いが報われるかどうかも、また、そもそも善き行為ができるかどうかも、運の影響を強く受けざるをえません。そうした運と道徳の緊張関係という観点から古今の思索をたどり、人間のあるがままの人生を捉える道筋を探った古田さんは、須藤さんのクンデラ論をどう読んだのでしょうか?
人間は運や運命にどう向き合えばいいのか? 人生はガチャやギャンブルで決まるのか? クンデラ文学から運と運命をめぐる人生論まで、大いに語り合っていただきます。また4月刊行の『ゲンロン16』には、須藤さんの論考「あいまいなチェコの小説家──ミラン・クンデラのコンテクスト」が掲載されています。論考の元となるテキストはWebゲンロンでも公開中です。あわせてお楽しみください!
須藤輝彦『たまたま、この世界に生まれて──ミラン・クンデラと運命』(晶文社)
『ゲンロン16』(ゲンロン)
古田徹也 Tetsuya Furuta
東京大学大学院人文社会系研究科准教授。1979年生まれ。東京大学文学部卒業。同大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。新潟大学教育学部准教授、専修大学文学部准教授を経て、現職。現代の哲学・倫理学、特にウィトゲンシュタインの哲学を研究している。主な関心は、言語、心、行為。
著書に、『それは私がしたことなのか』(新曜社)、『言葉の魂の哲学』(講談社選書メチエ、第41回サントリー学芸賞)『ウィトゲンシュタイン 論理哲学論考』(角川選書)、『不道徳的倫理学講義』(ちくま新書)、『はじめてのウィトゲンシュタイン』(NHKブックス)、『いつもの言葉を哲学する』(朝日新書)、『このゲームにはゴールがない』(筑摩書房)、『謝罪論』(柏書房)など。訳書に、ウィトゲンシュタイン『ラスト・ライティングス』(講談社)など。
須藤輝彦 Teruhiko Sudo
1988年生まれ。東京生まれの神戸育ち。東京大学助教。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。ヴェネツィア国際大学、カレル大学、ソルボンヌ大学に学ぶ。ミラン・クンデラを中心に、チェコと中欧、啓蒙期の文学や思想に関心がある。集英社新書プラスにノートルダム火災についてのルポルタージュ、『文学+』WEB版に文芸批評時評を執筆。共訳書にアンナ・ツィマ『シブヤで目覚めて』など。2024年3月に博士論文をもとにした書籍『たまたま、この世界に生まれて──ミラン・クンデラと運命』を晶文社より出版。
吉川浩満 Hiromitsu Yoshikawa
1972年生まれ。文筆家、編集者、配信者。慶應義塾大学総合政策学部卒業。国書刊行会、ヤフーを経て、文筆業。晶文社にて編集業にも従事。山本貴光とYouTubeチャンネル「哲学の劇場」を主宰。
著書に『哲学の門前』(紀伊國屋書店)、『人間の解剖はサルの解剖のための鍵である 増補新版』(ちくま文庫)、『理不尽な進化 増補新版』(ちくま文庫)、『人文的、あまりに人文的』(山本貴光との共著、本の雑誌社)、『その悩み、エピクテトスなら、こう言うね。』(山本との共著、筑摩書房)、『脳がわかれば心がわかるか』(山本との共著、太田出版)、『問題がモンダイなのだ』(山本との共著、ちくまプリマー新書)ほか。翻訳に『先史学者プラトン』(山本との共訳、メアリー・セットガスト著、朝日出版社)、『マインド──心の哲学』(山本との共訳、ジョン・R・サール著、ちくま学芸文庫)など。